アメリカで「インテグラ」復活を公表!そのルーツはDOHC専用車だった

■ルーツは、シビックのメカニズムにリトラクタブルヘッドライトのクーペ的ボディを与えたスポーツハッチ

1985クイントインテグラ
初代インテグラはF1イメージを受け継いだスポーツハッチ。ホンダの四輪用市販エンジンとしては久しぶりのDOHCヘッド「ZC型」エンジンを搭載していた

日本では、新車ラインナップの大幅な整理が噂されているホンダですが、そのメインマーケットの北米では元気いっぱいです。そして、北米ではプレミアムブランドとして「アキュラ」を展開していることも知られているでしょう。

そのアキュラ・ブランドからニューモデルとして「インテグラ」が復活することが発表されました。

北米向けニュースリリースのタイトルは『A Legend Returns(伝説が帰ってきた)』となっています。

いまではアキュラのラインナップといえばRDXやTLXといったアルファベットの組み合わせによる名前ばかりですが、アキュラ・ブランドがスタートした1986年には日本での販売名と同じ名前で展開していました。

そして、アキュラ最初期のラインナップは「レジェンド」であり、「インテグラ」だったのです。

1986年に売られたアキュラ・インテグラは、日本でいうクイント インテグラ(1985年デビュー)です。覚えていますでしょうか、全車DOHCエンジンをうたい文句に、リトラクタブルヘッドライトのスポーティなエクステリアを与えられたモデルです。

いまでこそDOHCエンジンは珍しくはありませんが、この当時ホンダのラインナップ(市販・四輪)にはDOHCはありませんでした。そしてS800以来、14年ぶりのDOHCエンジンとして誕生したのが1.6L DOHCの「ZC型」エンジンだったのです。

シビックSi、CR-X Siの心臓部として知られるZC型エンジンだけを積むDOHC専用車として、クイント インテグラは誕生したのでした。シビックの派生モデルとしてスポーツ濃度を高めたのがインテグラということができます。

ホンダのプレミアムブランド「アキュア」のニューモデルとしてインテグラの復活がアナウンスされた

2022年、アキュラのラインナップに加わる形で復活する「インテグラ」については、車名ロゴの確認できるヘッドライト周りのイラストが公開されているだけで、なんの情報も公表されていません。

ヒントとなるのは、ニュースリリースにある”Integra is returning to the Acura lineup with the same fun-to-drive spirit and DNA of the original”という一文です。大まかに訳せば、新型インテグラはかつてのインテグラと同じく運転の楽しさとオリジナルのDNAを持ってアキュラのラインナップに戻ってくる…といったところになるでしょうか。

インテグラのDNAというのが何を意味するのかは想像するほかありませんが、シビックのアーキテクチャをベースにスポーティに仕上げたクーペモデルという風に理解すれば、このたびフルモデルチェンジを発表したばかりの11代目シビック・ハッチバックの兄弟車として、3ドアハッチバックもしくは5ドアクーペといったオリジナルのボディを与えられたモデルになると想像できます。

また、インテグラという名前に、最初のタイプRであるDC2/DB8型を思い浮かべるというファンからすると、シビックより排気量の大きなエンジンを積んでいて欲しいと思うかもしれません。そのあたり、パワートレインについてもパフォーマンス差別化の観点からインテグラ専用に仕立てられていることも期待されます。

いずれにしても、インテグラ復活のニュースは北米で発表されているのみで、日本でのローンチについては完全に不明です。はたして、新生インテグラに日本仕様は存在するのでしょうか。

山本 晋也

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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