公開されたトヨタ「FT-86IIコンセプト」とスバル「技術コンセプト」を比較してみたら、意外な事実が隠されていることに気がつきました

ジュネーブにおこなわれているモーターショーでトヨタが「FT-86IIコンセプト」を、スバルがそこに使われる技術コンセプトを具体化した技術コンセプト車両(BOXER Sports Car Architecture)の展示をおこなっているのはすでにクリッカーでもお伝えした通りですが、その2台を比較すると興味深いことが見えてきました。

まずデザイン。このまま発売してもおかしくないエクステリアのトヨタ版に対して、兄弟車であるはずのスバル版はプロポーションこそ似ているもののまったく異なるデザインになっていますね。

左:TOYOTA FT-86II Concept  / 右:SUBARU BOXER Sports Car Architecture

デザインの違いに関しては、トヨタ版が「デザインを中心にした展示」であり、スバル版はあくまで「技術を見せるための展示で、外観に関しては単に目安の線を引いただけなので市販版とは無関係」というのが正解みたいです。

 

しかし、数値を比較すると興味深いことがわかります。「FT-86IIコンセプト」のボディサイズは全長4235mm×全幅1795mm×全高1270mm、対してスバルの技術展示は全長4200mm×全幅1770mm×全高1270mm。つまり全高(とホイールベース)は両車同じながら、全長と全幅はスバル版のほうが少し小さいのですよ。これって、市販されたときもトヨタ版とスバル版でボディサイズが異なることを意味しているのでしょうか? バンパーのデザインで数値が変わってくる全長は分かるとしても、全幅が違うのはなぜ???

それにしても、全幅が95mmも異なるのは、違いすぎじゃないでしょうか。

気になってスバル広報に問い合わせたところ、「今回の技術展示はあくまで弊社独自の出展であり、『FT-86IIコンセプト』の中身が弊社の技術展示と同じかといえばそうとも限らないんですよ」と分かるような分からないような、返答。むしろボクの頭の中をさらに混乱させてくれてありがとうございます。というわけで、兄弟車なのにサイズが異なることに関しての正解は闇の中。クリッカーでは関係者のタレコミも大募集しております。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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