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■乃木坂46新曲MVで爆走するトヨタ「GRスープラ」とは?
人気アイドルグループ「乃木坂46」のニューシングル「ごめんねFingers crossed」のMV(ミュージック・ビデオ)は、ファンだけでなく、クルマ好き、特にスポーツカーに興味がある人には必見です。
前回は、齋藤飛鳥さんの日産「R35GT-R」、遠藤さくらさんのFord「Mustang289 Convertible」、与田祐希さんのDodge「Challenger 392 HEMI Mopar Limited-Edition」を紹介しましたが、今回は山下美月さんがドリフトするTOYOTA「GR スープラ」を紹介します。
なにせ、フォードやダッジといったアメリカ製の大排気量マシンと、トヨタや日産、ホンダ、スバルなどの国産スポーツ車がストリートレースで対決し、迫力のシーンが楽しめるんですから。
中でも、山下美月さんがドライブするトヨタの「GRスープラ」は、ブラックのボディにスペシャルなエアロパーツを装着したフォルムがイケてます。さらに、バトル中に後輪をスライドさせる、いわゆるドリフト走行も披露するなど、ど派手な走行シーンも満載で注目の1台です。
ここでは、MVに登場するかっこいいクルマたちの中から、特に後半に大活躍をみせるGRスープラとは、そもそもどんなクルマなのか紹介しましょう。
●40年以上の歴史を誇るトヨタ高級スポーツカー
GRスープラは、40年以上の歴史を誇るトヨタの高級スポーツカー、スープラ・シリーズの5代目となる最新モデルです。
初代モデル(A40/50型)は、1978年に登場。スポーティなフォルムのクーペボディを持つ「セリカ」をベースに、エンジンを直列4気筒から2.0Lと2.6Lの直列6気筒にした仕様で、国内では「セリカXX(ダブルエックス)」のモデル名で販売。北米など海外仕様の名称が「SUPRA(スープラ)」でした。
内外装にラグジュアリーな雰囲気を持つ初代モデルは、当時の高級スペシャリティカー・ブームにもマッチして、国内外で大きなセールスを記録します。
1981年には、よりスポーティなフォルムに変身した2代目(A60型)が登場。直線基調のシャープなスタイルに、当時の本格的スポーツカーに多く採用されたリトラクタブルヘッドライト(点灯時のみヘッドライトがせり出し、通常はフロント部に内蔵されている方式)も装備。
加えて、2.8Lに排気量をアップしたエンジン(2.0L・6気筒エンジン車もあった)の高性能ぶりも話題となり、初代に続き大ヒットを記録します。
なお、モデル名は、初代と同様、国内ではセリカXX、海外ではスープラの名称で販売されました。
●トヨタ車で初の280psを発揮
国内でもスープラの名前で販売されたのは、1986年に登場した3代目(A70型)から。エンジンには2.0LのNA(自然吸気)とツインターボ、2.5Lターボ、それに3.0Lターボ仕様などがあり、いずれも直列6気筒を採用していました。
特に、2.5Lターボ車は最高出力が当時のトヨタ車で初の280psを誇り、80年代のターボ車ブームを牽引する1台となります。
1993年には4代目(A80型)が登場します。ボディは3代目までの直線的フォルムから、流麗でワイドなスタイルに変更。エンジンには3.0Lの直列6気筒を採用し、NA(自然吸気)で225ps、ターボ仕様では280psを発揮。
そのポテンシャルの高さには定評があり、国内外で数々のレースでも活躍します。
また、ハリウッドのカーアクション映画で大ヒットした「ワイルドスピード」(2001年公開)にも、主人公のブライアン(故ポール・ウォーカー)の愛車に使われたこともあり、4代目スープラは今でも世界中に多くのファンがいるモデルです。
●モデル名に「GR」が付いた理由
4代目が生産終了した2002年から約17年ぶりとなる2019年に復活を遂げたのが、乃木坂46のMVにも登場する5代目モデルです。
このモデルからは、名称が「GRスープラ」になっています(国土交通省の届け出名称はスープラ)。これは、販売戦略上、新型はトヨタのスポーツカー・ブランド「Gazoo Racing(ガズーレーシング)」のラインアップに入ったため、同ブランド全モデルに付けらている「GR」がモデル名に追加されたのです。
また、開発は、ドイツのBMW社と共同で行われ、エンジンや車体など基本プラットフォームは、BMWのオープン2シーター「Z4」と共通です。
なお、生産もZ4と同じオーストリアのマグナ・シュタイヤー社グラーツ工場で行われています。
GRスープラの主な特徴は、まずスポーツカー的なロングノーズ・ショートキャビン(車体のフロント部が長く、乗車する部分が短い)のスタイルを採用していること。
先代モデルが4人乗りだったのに対し、2人乗りとするなどで、2470mmという短いホイールベースを実現。コーナリング時の高い旋回性や安定性が自慢です。
ラインアップには、排気量2.0L・直列4気筒ターボ・エンジンを採用した「SZ」(197ps仕様)と「SZ-R」(258ps仕様)のほかに、スープラ全世代で採用されてきた直列6気筒を搭載したグレード「RZ」も設定(3.0Lターボ・387ps仕様)。
また、全グレードで駆動系も歴代と同様にFR(後輪駆動)を継承します。
特に、最上級グレードの3.0L・RZは、0-100km/hの到達時間が4.1秒という、トヨタ・スポーツモデルのフラッグシップにふさわしい鋭い加速性能も魅力です。
ほかにも、新型では、太くストレートに通した骨格に加え、アルミニウムと鉄を適材適所に用いた高剛性ボディを採用し、高次元の走りを支えます。
また、よりアグレッシブな走りが味わえる「スポーツモード」や、一部グレードには「AVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム)」も設定。選択中の走行モードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバーの減衰力を最適に制御できるなど、様々な最新の電子制御システムも搭載しています。
GRスープラの価格(税込)は、499万5000円〜731万3000円です。
●エアロパーツでアグレッシブなスタイルに
ちなみに、乃木坂46のMVに登場するGRスープラには、国内で高い人気を誇るエアロパーツメーカー「KUHLレーシング」のボディキットを装着し、高い空力特性と、よりアグレッシブなスタイルを実現しています。
たとえば、前後バンパーには下部にディフューザー、左右にはカバーを追加。ボディサイドにも、ディフューザーやカバー類を装着しているほか、リヤのトランクリッドにはGTウイングなど、KUHLレーシングのオリジナルパーツが各部に装着されています。
エンジンはターボシステムのチューンなどで、最高出力を400ps以上にアップ。タイヤは、D1グランプリなどのドリフト競技でも定評があるTOYO製で、軽快な走りとテールスライド時の高いコントロール性なども実現しています。
元々の高いポテンシャルに加え、さらなるチューングで戦闘力をアップした山下さんが駆るGRスープラ。MVでの派手で、迫力ある走行シーンも納得ですよね。
(文:平塚 直樹)
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