■ワイド&ローの4ドアクーペシルエットに生まれ変わった新型IS
2020年11月5日にマイナーチェンジを受けたレクサスIS。ボディサイズは全長4710×全幅1840×全高1435mmで、30mm長く、30mmワイドで、5mm高くなっています。ホイールベースは2800mmで同値です。
デザインコンセプトに「“Agile(俊敏)& Provocative(挑発的)」を掲げ、走りのよさを想起させるワイド&ローなフォルムが特徴。
シャープなキャラクターラインによるアグレッシブなデザインを追求し、初期デザインの段階から製品企画、生産技術、設計、デザインが一丸となって開発に取り組んだそう。これにより、低重心で4ドアクーペのようなプロポーションや抑揚の効いたデザインなど、マイナーチェンジでありながら新しいISの世界観を表現したとしています。また、カラーデザインやオーナメントなど細部まで作り込まれています。
細部を見ていくと、エクステリアは、新開発された小型軽量ランプユニットが搭載された薄型ヘッドランプが目を惹きます。加えて、低く構えたグリルまわりとそれに合わせて下げたサイドのキャラクターライン、ラゲッジ後端部のデザインにより重心の低さを表現したそう。
新デザインとなるスピンドルグリルは、グリルの先端を起点に立体的な多面体構造とすることで、押し出し感を強調。また、スピンドルをモチーフとしたブロック形状とメッシュパターンを組み合わせ、スポーティなムードを放っています。
さらに、張り出した前後フェンダー、Lシェイプ一文字シグネチャーランプ、立体的なバンパーガーニッシュも新型ISのポイントで、新デザインとなる19インチタイヤ、ワイドトレッドによりスポーティな走りを予感させるプロポーションとしています。
一方のリヤビューは、緩やかに傾斜したリヤクォーターピラーがサイドから回り込む引き締まったキャビンシルエットがアイキャッチになっています。張り出したリヤフェンダーとのコントラストにより、アグレッシブな雰囲気を強調。
生産面では、ボディパネル製造工程で、内側から突き上げる成形を追加した「突き上げ工法」が採用されています。これにより、リヤフェンダーのシャープなキャラクターラインが描かれています。また、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加。レクサスならではの緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り(よせしぼり)工法」が世界で初めて開発され、これによりラゲッジ後端部のキャラクターラインがより高精度で、よりシャープなデザインとなっています。
新色として強い陰影により造形を際立たせる「ソニックイリジウム」と、金属質感と高光沢が得られたという「ソニッククロム」の2色が設定されています。
インテリアはエクステリアほどの変化はないものの、最新装備への対応や新たに2トーン配色が採用されています。マルチメディアシステムに新たにタッチディスプレイが採用され、「SmartDeviceLink」「Apple CarPlay」や「Android Auto」のスマホ連携に対応。手持ちのiPhoneやAndroidスマートフォンを10.3インチタッチワイドディスプレイに連携させることで、画面操作や音声操作が可能になるなど使い勝手が大きく高まっています。
インパネ上部やドアパネルに有彩色が設定され、2トーン配色とすることで、ワイド感を強調。また、2トーン配色によるコントラストで乗車時に高揚感を感じさせるカラーコーディネートも印象的です。
ほかにもドアトリムの一部にレクサスの新たな加飾表現である複数のエンボスラインが交差したグラフィックパターンも新たに採用されています。オーナメントパネルには、アッシュ(オープンフィニッシュ/墨ブラック)、ブラックジオメトリーフィルム、「F SPORT」専用サテンクロムが新たに採用。
表面処理などのアクセントをつけることで、素材本来の質感表現にこだわったスポーティで上質なキャビンに仕立てられています。
(塚田勝弘)