ヤマハ「YZF-R7」の2024年モデル登場。1990年代レプリカのカラーをオマージュした新色も追加

■価格は据え置きの105万4900円

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、ミドルクラスのスーパースポーツモデル「YZF-R7 ABS(以下、YZF-R7)」に、新しいカラーリングを採用した2024年モデルを発表しました。

2024年モデルのYZF-R7(マットグレー)
2024年モデルのYZF-R7(マットグレー)

688cc・直列2気筒エンジンを軽量フレームに搭載することで、大型二輪へステップアップした若いライダーからレプリカ世代などスポーツバイク好きのベテランまで、幅広い層が扱いきれるパワーと軽快な走りが魅力のスーパースポーツがYZF-R7。

2024年モデルでは、基本性能はそのままに、ニューカラー3タイプを新たに採用。とくに、筆者のようなオジサン世代には、1990年代に一斉を風靡したレーサーレプリカマシンなど、当時のスーパースポーツモデルを彷彿とさせる「マットグレー」が注目といえます。

●スポーツライディングを楽しめるバイク

YZF-R7は、2022年2月から国内導入されたミドルサイズのスーパースポーツモデルです。

2024年モデルのYZF-R7(ブルー)
2024年モデルのYZF-R7(ブルー)

特に魅力なのが、サーキット走行にも対応する充実の装備と、スポーツバイク初心者でも乗りこなせる特性など。ネイキッドモデルの「MT-07」をベースに、扱いやすいエンジン特性や軽量スリムな車体を持つことで、幅広いユーザーがスポーツライディングを楽しめるバイクです。

外観は、ヤマハのスーパースポーツ「YZF-R」シリーズの特徴であるM字ダクトを踏襲したフロントフェイスを採用。1000ccの「YZF-R1」をはじめ、250ccの「YZF-R25」や320ccの「YZF-R3」などにも採用されているM字ダクトは、フロントカウル中央部にM字型の凹みを設けたもの。ヤマハのMotoGPマシン「YZR-M1」を彷彿とさせる顔付きが、レーシーな雰囲気を醸し出してくれます。

搭載するエンジンには、最高出力54kW(73PS)/8750rpm・最大トルク67N・m(6.8kgf-m)/6500rpmを発揮する688ccの直列2気筒を採用。ギヤの2次レシオをロング化するなどで、より速度が伸びるとともに、高揚感ある走りやスポーティな乗り味に貢献します。

また、A&S(アシスト&スリッパー)クラッチも装備。高速走行から急減速するような場面で、過度なエンジンブレーキの発生を抑止し、後輪の横滑りなどを防ぐ効果を生むことで、安定した走行性を支援してくれます。

車体には、MT-07と共通のパイプ型ダイヤモンドフレームを採用。左右ピボット(フレームとスイングアーム結合部)部分にセンターブレースを追加することで、車体後部の剛性などをアップしています。

2024年モデルのYZF-R7(ブラック)
2024年モデルのYZF-R7(ブラック)

プリロードおよび伸側/圧側減衰の調整が可能なフルアジャスタブルの倒立フロントサスペンションなど、足まわりも充実。フロントブレーキシステムに装備したブレンボ製・純ラジアルマスターシリンダーなど、サーキット走行にも対応する数々の装備が満載です。

●1990年代マシンを彷彿とさせるグラデーション

そんなYZF-R7の2024年モデルでは、前述の通り、新しいカラーリング3タイプを採用しています。

ラインアップには、まず、トーンの異なるブルーを組み合わせた「ブルー」を採用。ヤマハのレーシングマシンを想起させる色調が、高いパフォーマンスをダイレクトに表現しています。

2024年モデルのYZF-R7(ブルー)
2024年モデルのYZF-R7(ブルー)

また、「ブラック」は、メタリックとマットのダークトーンのコンビネーションで造形美を際立たせたカラー。なお、ブルーとブラックは、ヤマハのフラッグシップYZF-R1とのリレーションも図っており、1000ccモデルのような威風堂々としたイメージも加味しています。

そして、前述の新色「マットグレー」。グレーを基調に、カウリングに投入された「R7」ロゴなどのグラフィックが、前方のブルーから後方にかけてパープルに変わるという、大胆なイメージのグラデーションを採用しています。

2024年モデルのYZF-R7(マットグレー)
2024年モデルのYZF-R7(マットグレー)

ヤマハによれば、このカラーは、「1990年代のスーパースポーツ」のカラーリングに着想を得ながら、モダンで先進なイメージに仕上げたとのこと。

1990年代のスーパースポーツとは、おそらく、大人気だったレーサーレプリカマシンを意味しているのでしょう。当時は、同様のグラフィックをそのまま採用したマシンは、筆者の記憶ではちょっと無かったと思います。

でも、たとえば、カウルに刷毛で塗ったようなブラッシュパターンなどを用いたモデルでは、レッドやパープルのグラデーションカラーを施していたことは記憶にあります。このカラーは、そうした当時を知る筆者など、レプリカ世代にも「刺さる」色調ではないでしょうか?

YZF-R25のパープル
YZF-R25のパープル

ちなみに、ヤマハでは、250ccのYZF-R25や320ccのYZF-R3の現行モデルに、カウリング上面にパープル、下面へいくほどダークブルーに変わるグラデーションを採用した「パープル」というカラーも採用しています。個人的には、このカラーも、どことなく、1990年代のレプリカマシンを彷彿とさせますね。

なお、2024年モデルYZF-R7の価格(税込)は、据え置きの105万4900円。2024年3月15日に発売されます。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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