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■新開発ロータリーエンジン(2ローター)+モーターで370psを発生
2023年はロータリーエンジンを発電機として使うPHEV・マツダ「MX-30 ロータリーEV」の受注が9月にスタート。
10月には53年前の東京モーターショーで公開されたロータリーコンセプトカー「RX500」のエンジンを修復してサーキット走行を果たすなど、ロータリー関連のニュースが続きました。
マツダにとってロータリーエンジンは「大事な宝物のような存在」であり、同社のエンジニアは“時代に合わせて進化させる”という思いが強いそうです。
ロータリーエンジン自体が電動化デバイスと相性が良いことから、まずは発電機として「MX-30」に搭載することにした模様。
●2024年2月1日に新たなロータリーエンジン開発チームを発足
今回、幕張メッセで開催された東京オートサロン2024のマツダブースに現れた毛籠勝弘社長は、新たなロータリーエンジン開発チームの立ち上げを発表。
その背景には、ジャパンモビリティショー2023で公開した「アイコニックSP」(2ローターエンジン+モーターのシリーズ型PHEV)の反響が非常に大きかったことがあるようです。
RX-7の復活を予感させる「アイコニックSP」の車両サイズは全長4,180×全幅1,850×全高1,150mmで、ホイールベースは2,590mm。
最高出力は370psで車重が1450kg(パワーウェイトレシオ3.9)と、ガソリンエンジンのスポーツカーに匹敵します。
同車の場合、ロータリーエンジンは発電用ではなく駆動用のようで、排気量拡大(800cc×2)や、過給システムを組み合わせたユニットになる可能性もあるようです。
●トヨタ自動車も新たにエンジン開発プロジェクトを発足
おりしもオートサロンではトヨタ自動車の豊田章男会長が開会の挨拶の際に、「新たにエンジン開発を進めていくプロジェクトが、トヨタの中で動き出しました。この時代にエンジン? 逆行しているように聞こえるかもしれませんが、決して、そんなことはありません。」
「未来にむけて必要なんです。エンジンを作ってきた皆さん、エンジンを作り続けましょう!」「これからもみんなの力が必要なんです!今までやってきたあなた達の仕事を絶対に無駄にはしない!」と熱く語りました。
CMでもお馴染みになりましたが、同社は各種レースを通して水素エンジンの実用化を急いでおり、持ち前のハイブリッド技術と組み合せることで、航続距離の拡大を目指している模様。
また、豊田会長は自工会会長時代からエンジン車を否定するEV一辺倒の勢力に対し、「敵はエンジンではなく炭素」との持論を展開しており、資本提携関係にあるマツダも新たなロータリーエンジンの開発をスタート。
e-fuelや水素などのカーボンフリー燃料に対応する方向で動き出している点で両社の方向性は一致しているようです。
今回マツダは、2024年2月1日にロータリーエンジンのコアとなる部分の開発チームを30名の陣容でスタートさせるそうで、両社の新たなエンジン開発に向けた今後の動きが注目されます。
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【関連リンク】
マツダ MX-30 Rotary-EV
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