冬の車トラブル。凍ってドアが開かない・バッテリーが上がった・窓が見えない、さてどうする!?【車の冬支度2024年版】

■朝起きたら一面真っ白! そんな時に発生しがちなトラブルを回避する方法

突然の寒波に襲われた冬の日は、普段考えられないようなトラブルが発生することがあります。そんなとき、一体どのように対処すればいいのでしょうか? シチュエーション別に、ちょっとしたトラブル回避術を伝授しましょう。

●トラブル1:ドアノブが凍りついて動かない!

自動車のドアノブ
ドアノブが凍りついて動かない時には、別のドアからのエントリーを試しましょう

鍵穴にキーを差し込んでドアを開けていた時代は、鍵穴が凍ってしまってドアが開かないといったことが起きたものです。今はキーレスエントリーやスマートキーの普及で、鍵穴にキーを入れること自体が少なくなっているので、そうした心配はあまりありません。

ただし、今でもドアノブが凍り付いたり、ウインドウが凍り付いて動かないということがたまにあります。寒冷地ならば、解氷剤を用意しておくのが一番でしょうが、何年かに1度しか経験しない人はそうしたことにも対処しづらいと思います。

ドアノブが凍り付いてしまって動かないときは、別のドアからエントリーすることも考えてください。多くは風が当たる側、日陰の側が凍り付くので、例えば運転席がダメでも助手席ならOKという場合があります。助手席を開けて、車内から手を伸ばして運転席側のインナーハンドルを引いて開ける、といった方法です。

また、雨天時に走行した後などにドアの内側が濡れたままにしていると、凍結の可能性が高まります。水をしっかり拭き取ってから駐車するようにしましょう。

パワーウインドウを動かしても窓が開かないときなどは、無理に動かさずヒーターを効かせて、車内の気温が上がれば自然と動くようになります。

●トラブル2:バッテリーが上がってしまった!

自動車のバッテリー
バッテリーが上がってしまった場合は、ぬるま湯をかけてみましょう

バッテリーが上がってしまった場合は、基本はブースターケーブルなどで接続して始動させますが、近くに救援車がいないときなどは、イチかバチか、バッテリーにぬるま湯をかけるという方法があります。成功率は低いのですが、気温が低くバッテリーの活性が悪いときには成功することもあります。

ただ、何度も始動に失敗してからでは遅く、「かからない」と思ったらすぐにやってみることが大切です。このレベルでかかった場合、バッテリーはかなり弱っているので、その足でバッテリー交換に向かったほうが賢明です。加えて最近のバッテリーはサイズも大きく、この方法が使える可能性が減ってきているのもまた事実。古いクルマでサイズの小さなバッテリーでないと効かないワザかもしれません。

●トラブル3:フロントウインドウが凍ってしまった!

自動車のフロントウィンドウ
ウィンドウの凍結予防対策として、いらなくなったバスタオルをかけておくという手も

フロントウインドウが凍ってしまい、前が見えないときはどうすればいいでしょうか? 時間があればエンジンを始動してデフロスターを使いウインドウを暖めれば徐々に氷が融けてくれますが、時間がなかったり、車の後ろ側に民家があり長時間のアイドリングができないなどの場合は、ぬるま湯をかければどうにかなります。

ただし、温度は高くても40度程度、お風呂のお湯程度が限界です。あまり急激に温めるとガラスにヒビが入るなど、トラブルのもとになります。ただしこの方法が効くのは、外気温が0度前後で、再凍結しないことが条件。スキー場などでやるとウインドウが再凍結して、テッカテカになるので要注意です。

ぬるま湯を用意できないときなどは、超裏技として自動販売機であたたかいウーロン茶を買ってきてかけるという手もあります。ウーロン茶は脱脂作用があるので、ウインドウにかけても悪影響が少ないのです。ただし茶渋は付くので、あくまで緊急時用の対策と考えたほうがいいでしょう。

警視庁警備部災害対策課の2021年1月21日のツイートには、「いらなくなったバスタオルを夕方に掛けておく」というライフハックが紹介されています。朝方、カチコチに凍ったタオルを氷を一緒に取り除くと、クリアなガラス面が現れるというテクニックです。バスタオルでなくても、今は凍結防止カバーなど様々なものが市販されているので、凍結する可能性のある場所に駐車する際は、予防的な措置をとっておくのが肝要かもしれません。

※上記の手段は、あくまで自己責任で実施してください。

(文/諸星陽一

※2022年2月8日の記事を2024年1月19日に追記・再編集しました。

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この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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