目次
■最新の排出ガス規制にも適合
ホンダは、ミドルクラス・スーパースポーツ「CBR600RR」の2024年モデルを、2024年2月15日に発売することを発表しました。
新型モデルは、すでに欧州で2023年11月に発表されているほか、日本でも2023年8月の鈴鹿8時間耐久ロードレースのホンダ・ブースなどで披露されていましたが、国内仕様の詳細は未公表のままでした。
そのため、どんなアップデートが行われるのかについて、さまざまなウワサも出ましたが、最終的には最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させつつも、出力などはそのままであることが判明。
さらに、車体色は、従来あるグランプリレッドのグラフィックを変更したほか、ブラックのカウリング仕様も登場することが明かになりました。
●ウイングレットで高い空力性能も実現
CBR600RRは、ホンダのスーパースポーツCBRシリーズに属するミドルクラスのフルカウルモデルです。
軽量で扱いやすい車体やエンジンなどにより、ワインディングなどで爽快な走りが楽しめるほか、市販車をベースとするプロダクションレースでも高い戦闘力を発揮することも魅力なのがこのマシン。
シリーズのフラッグシップである1000ccマシン「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」譲りの先進技術なども盛り込むことで、ファンライディングを高次元で味わえるモデルです。
2020年に登場した現行モデルでは、最高出力89kW(121PS)を発揮する599cc・水冷4ストローク直列4気筒エンジンを搭載。最高出力を1万4000rpmもの高回転域で発生させる設定により、レースにも対応する高い動力性能を確保しています。
また、世界最高峰の2輪レース「MotoGP」で活躍するワークスマシン「RC213V」で培った空力性能も投入。特に、アッパーカウル左右にあるウイングレットは、効果的にダウンフォースを発生させることで、コーナー進入時の安定感はもちろん、高い旋回性能などにも貢献します。
さらに、最新の電子制御システムも数多く投入。CBR1000RR-Rファイヤーブレード譲りの6軸慣性計測ユニット(IMU)は車体の角速度、加速度を検出し、独自のアルゴリズムによる車体姿勢角演算を1秒間に100回というスピードで実施。これにより、車体姿勢推定の精度を高めていることも注目です。
これらIMUからの情報は、後輪のスリップなどを電子的に制御するHSTC(Honda セレクタブル トルク コントロール)やABSなどとマッチング。走行状況に応じた「操る喜び」を、高次元かつ存分に味わえる機能を持たせています。
ほかにも、走行状況やライダーの好みに応じた、走行フィーリングが選択可能なライディングモードも設定。パワーセレクター(P)、HSTC(T)、ウイリー挙動制御(W)、セレクタブルエンジンブレーキ(EB)の各制御レベルを、あらかじめ設定された3モードに加え、ユーザー側が組み合わせを任意に設定できる2モードの中から選択可能です。
加えて、車体や足まわりには、アルミ製スイングアーム付きツインスパー・アルミフレーム、41mm径のショーワ製SFF-BP倒立フォーク、ショーワ製ユニットプロリンク・リアショックなどを装備。これらにより、敏捷な旋回性と優れた安定感を両立したハンドリングを体感できます
●クイックシフターを標準装備
そんなCBR600RRの2024年モデルでは、前述の通り、エンジンの出力などはそのままに、最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合。
また、車体色には「マットバリスティックブラックメタリック」のカラーリングを追加したほか、従来の「グランプリレッド」もグラフィックを変更しています。
さらに、クラッチレバーの操作なしで素早いシフトアップ・シフトダウンを可能とする「クイックシフター」は、従来のオプション設定から標準設定に。装備の充実度をさらにアップさせています。
価格(税込)は、グランプリレッドが据え置きの160万6000円。新追加のマットバリスティックブラックメタリックは3万3000円安い157万3000円。前述の通り、2024年2月15日に発売される予定です。
(文:平塚直樹)