■1階から3階への上下乗り換え方式を採用。乗り換え標準時間は8分
2024年3月16日に北陸新幹線金沢〜敦賀間が延伸開業します。それにともない大阪・名古屋・米原方面からの北陸特急「サンダーバード」「しらさぎ」は敦賀が終点となり、敦賀駅で北陸新幹線に乗り換えることになります。
実際にどのように乗り換えることになるのかを、10月20日と11月20日の報道公開時に検証してみました。
2015年3月14日の北陸新幹線長野〜金沢間の延伸開業前は、大阪・名古屋・米原方面から在来線北陸特急が福井・金沢・富山の各都市を直結していました。
しかし、北陸新幹線の金沢延伸後は金沢駅で北陸特急と新幹線を乗り換えることになり、北陸新幹線には金沢〜富山間を結ぶシャトルタイプの「つるぎ」が設定されました。
金沢駅の新幹線ホームと在来線ホームは同じ2階にあり、南北に並んでいます。乗り換え改札は中2階にあってとても近く、乗り換え標準時間は8分となっていますが、実際には5分程度で乗り換える事が可能です。
敦賀駅北陸新幹線ホームは在来線ホームの東側に設置。西口および在来線ホームと新幹線乗り換えコンコースとは跨線橋と通路で結ばれていますが、距離が長いので乗り換えに時間がかかることが予想されました。
そこで在来線特急ホームを新幹線ホームの直下に新設。1階が在来線特急ホーム、2階が乗り換え改札とコンコース、3階が新幹線ホームとした「新幹線と在来線の上下乗り換え方式」を採用することにしました。在来線特急ホームは31〜34番線となります。
在来線特急を降りた乗客はエスカレーター、階段、エレベーターを使って2階コンコースに上がります。1ホーム当たりエスカレーターが2か所、階段とエレベーターが1か所ありますが、いずれもホーム中央から大阪寄りにあるので、敦賀寄りの車両の乗客はホーム中央のエスカレーターまで歩くことになります。
2階コンコースの全長は200m。ほぼ中間地点に乗り換え改札がありますが、大勢の乗り換え客を捌くために改札通路はコンコースの幅をほぼ全部使って19も設置しています。
2階コンコースから3階の新幹線ホームへはエスカレーター・階段・エレベーターを利用。新幹線1ホームあたりエスカレーターが4か所(うち1か所は階段を併設)、エレベーターが1か所設置されています。
2階コンコースから新幹線ホームまでは高低差が大きいのでエスカレーターを多めにしています。
新幹線ホームは11〜14番線。ホーム全長は320mで北陸新幹線12両編成に対応しています。敦賀駅の北側で北陸自動車道をオーバークロスするため、新幹線ホームは地上21mに設置。これは整備新幹線の駅では最も高い地上高だそうです。ちなみに屋根までの高さは37mです。
JR西日本によると在来線と新幹線の標準乗り換え時分は8分とのこと。平面移動距離が長く感じた割には短時間で乗り換えができるのは、エスカレーターが多く設置されているからのようです。
北陸新幹線金沢〜敦賀間開業後の所要時間(最速)はどうなるのでしょう。大阪駅からは福井駅までが1時間44分(3分短縮)、金沢駅までが2時間9分(22分短縮)、富山駅までが2時間35分(29分短縮)となります。
名古屋駅からは米原まで東海道新幹線を利用した場合福井駅までは1時間33分(3分短縮)、金沢駅までが2時間9分(16分短縮)、富山駅までが2時間35分(23分短縮)となります。
現状では敦賀駅での乗り換え時間がネックとなっていて、特に大阪〜福井間は時間短縮効果がほとんどありません。関西対北陸の利便性を高めるためにも北陸新幹線敦賀〜新大阪間の早期開業が求められています。
(ぬまっち)