ミニバンで大人が子供体験するトヨタ車体と、ロードスターで子供が大人体験するマツダが逆カブりで面白い!【これだけは見逃すなジャパンモビリティショー2023】

■子供の体験をテーマにした展示を2社から発見!

●子供の頃、車に乗ったワクワク感ってなんだろう?

子供の頃、親父の運転するスバル360の後席で、背伸びするように車窓からの風景を楽しんだ記憶があります。普通に着座しては座高が足らず、目の高さがサイドウインドウに届かないからです。

なにやら普通のミニバンのシートのようですが…
なにやら普通のミニバンのシートのようですが…

でも、楽しかった。大人になってからも乗り物に乗った時のワクワクは無くなりませんが、子供の頃のインパクトほどではありません。

なんでだろう? と、トヨタ車体の社員のかたも考えたに違いありません。よーし、じゃあ大人に子供の頃に戻ってもらってまずはそのワクワクを思い出していただきましょう! というわけで、トヨタ車体ブースには、当社比1.7倍のミニバンの室内を作り上げて大人にも座ってもらい記念写真を取る体験コーナーを出展してます。

実は1.7倍サイズのミニバンでした
実は1.7倍サイズのミニバンでした

トヨタ車体といえば、アル・ヴェル、ノア・ヴォク、ランクル、ハイエースなどを製造する会社。それだけでもトヨタの中心となる車体製造メーカーであることがわかりますし、ミニバンの良さが一番わかってるはずの人たちが集まっているハズです。

深く腰掛けると足が届きません!
深く腰掛けると足が届きません!

早速ボクも座ってみました。よじ登るように巨大な2列目シートに上がって座面奥深くまで腰を沈めると、足首が座面先端に来るほどになります。

う~ん、お子ちゃまになった気分。思わず飛び跳ねたくなりましたが、そこは自動車メディアの編集長ということもあり、理性で抑え込みます。

IMG_1719 2しかし、これも持って下さいと巨大なマックフライポテト風の撮影アイテムを手渡されると、もう立場も忘れ、かじりつくポーズを取ってしまいました。

確かに思い出したのは、大きなものに包まれたときの安心感です。高さからもシートに沈み込んでしまうことからも横からも前からも外がよく見えないのは、外からも見られないのです。ちょうどそれは、昔作った秘密基地に潜り込んだドキドキするタイプの安心感だったと妙なほど腑に落ちたのです。

●マツダは子供にロードスター体験をしてもらう

あら、普通のNDロードスターかしら?
あら、普通のNDロードスターかしら?

そんな大人になって汚れてしまう前の少年に、素敵な体験をしてもらおうというのがマツダブースです。

ジャパンモビリティショーのマツダブースでは、走る歓びが展示テーマの大きな要素であり、その原点でもあり具現化したものであるロードスターが色んなカタチで展示されています。と、その中でもなぜか微妙にちっちゃいのがあります。

これが3分の2サイズで再現したロードスター。見るだけでも楽しめます
これが3分の2サイズで再現したロードスター。見るだけでも楽しめます
お兄さんと比べると大きさが2/3であることがわかりますね
お兄さんと比べると大きさが2/3であることがわかりますね

模型ほど小さくはないし、かと言って、チョップドウインドウやローダウンなどのカスタマイズで小さくしたものより遥かに小さいのです。

これは、小学生以下のお子さんに、運転することの楽しさを少しでも体験してもらおうというものでした。

ステアリングサイズは実車と同じ
ステアリングサイズは実車と同じ

ドアは開閉しませんので、古いマンガかキョンキョンの歌の歌詞でのオープンカーへの乗り方のごとく、ドアを開けずに飛び乗ると(飛ばなくていいのですが)、本物のロードスターと同じようなコクピットに着座します。

タイヤ・ホイールを始め、ほとんどのパーツを2/3サイズで特注製造したこのミニロードスターですが、ステアリングホイールのサイズ、そしてそれを切った時の手応えは実車と同じくしてあるそうです。

実車と同様の踏み心地のアクセルペダルを踏むと風が吹きます
実車と同様の踏み心地のアクセルペダルを踏むと風が吹きます

これまた踏み込む力を実車と同じく再現したアクセルペダルを踏み込むと前に走ることはないのですが風が吹いて走っている疑似体験ができるとのこと。大画面の迫力とともに、子供たちの記憶に刻まれることでしょう。

子供の頃に10円玉を入れると揺れながら前後に数十cmほど動く、デパートの屋上の乗り物でワクワクしたのを思い出しました。

トヨタ車体とマツダブース、偶然の一致でしょうが、子供の頃の体験がテーマでした。おとなになって最近の体験なんてすぐ忘れてしまうものばかり。子供の頃の体験っていかに大事なのかがわかります。みなさんも、やけに鮮やかに覚えている子供の頃の記憶体験ありませんか?

(文・写真:クリッカー編集長 小林和久

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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