■本気度がびしびし伝わってきたBMWブース
東京モーターショーはすっかりお馴染みだったその名を捨てて、今回から新たにジャパンモビリティショーとして再出発しました。
リニューアルの理由は、車やオートバイに限らず、さまざまな産業を巻き込んでオールジャパンの力を結集し、日本のモビリティの未来を示すため。実際、会場には搭乗型の巨大ロボットから空飛ぶ車まで、バラエティに飛んだ移動ツールが集結しています。
とはいえ、やはり主役が自動車メーカーなのに変わりはないのですが、今回はインポーターの参加数が少ないことが開催前からちょっと話題になっていました。
なにしろ、正式にブースを展開したのはメルセデス・ベンツ、BMW、BYDの3社のみ。東京モーターショー時代に比べると、なんとも寂しい状況です。
しかし、少数派となったインポーター3社のブースは、どこも活気満点。今回初出展となるBYDも、六本木から会場間にシャトルサービスを展開するほど気合いの入ったメルセデス・ベンツも、多くの来場者の注目を集めています。
とくにBMWは新型車X2/iX2のワールドプレミア、コンセプトカー・ビジョン ノイエクラッセのアジア初お披露目という「大物」をしっかり用意したうえ、本国からもオリバー・ツィプセ会長がやってくるという本気ぶり。
ブースも美しくデザインされていて、見る側を上手にBMWの世界へ引き込む仕掛けになっていました。
●BMWの「これまで」と「これから」が詰まった1台
今回のBMWブースの個人的「推し」はふたつ。
まずは、やっぱりなんといってもビジョン ノイエクラッセです。2025年の量産化を目標に掲げているEVコンセプトには、「これからのBMW」を想像させるヒントと、「これまでのBMW」を思わせるモチーフが上手に組み合わされています。
ビジョン ノイエクラッセは、シャークノーズやキドニーグリルといったBMWの伝統をうまくデザインに取り込みつつ、廃棄物や使用済み製品からのリサイクル材を積極的に採用。さらに、ダッシュボードいっぱいに広がる巨大なディスプレイといった先進的なインターフェースを取り入れるなど、古さと新しさを絶妙なバランスでミックスしています。
これからBMW製サルーンはどんな風に変わっていくのか。その答に辿り着くためのヒントが、このノイエクラッセにはたっぷり詰め込まれているんですね。ちなみに、BMWはノイエクラッセの導入に同社史上最大の投資をすることを明らかにしています。
もうひとつBMWブースで要チェックなのが、i7の展示スペース。
赤絨毯+映画館のサインボード+ショーファードリブンにぴったりなi7という3要素が組み合わされたこの場所で写真を撮れば、さながら気分は映画祭のレッドカーペットを歩くセレブリティ。
後席用に31インチ(!)の超巨大なシアター・スクリーンを設定するi7の、映画との親和性の高さをうまく演出した「映えスポット」なんですね。
(文:三代やよい)