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■2010年に急行から種別変更してエアポート急行が誕生
京浜急行電鉄(以下京急)は2023年11月25日にダイヤ改正を実施し、2010年から運行していた列車種別であるエアポート急行を急行に変更することを発表しました。
エアポート急行は、2010年5月のダイヤ改正で、新逗子(現在は逗子・葉山)から羽田空港(現在は羽田空港第1・第2ターミナル)を結ぶ優等列車を設定した際に誕生しました。
この列車は、1999年まで京急蒲田〜新逗子間を運行していた急行と停車駅が異なることから、エアポート急行として区別したものですが、同時に、泉岳寺・品川方面から羽田空港を結んでいた急行もエアポート急行に種別変更。このため、急行が消滅していました。
エアポート急行は種別表示に飛行機のマークを入れていて、羽田空港アクセス列車であることをアピールしていましたが、ごく一部に逗子・葉山〜神奈川新町間を運行するエアポート急行が存在します。
今回のダイヤ改正で、復活する急行の停車駅は現行のエアポート急行と変わらないとのことで、純粋に種別が変更されるだけのようです。
●「イブニング・ウィング14・16号」は快特併結に
今回のダイヤ改正では、平日の夜に運行している「イブニング・ウィング14・16号」の運行形態を変更。快特の後ろに「イブニング・ウィング14・16号」4両編成を連結して運行します。
「イブニング・ウィング号」は、通勤客向けの有料座席指定列車で、2100形や1000形1890番台のクロスシート車を使用して、品川〜京急久里浜・三崎口間で運行しています。
「イブニング・ウィング号」は、上大岡以遠の通勤客の座席確保を目的としていて、品川〜上大岡間はノンストップ運転。上大岡〜京急久里浜・三崎口間は料金不要の快特として運行しています。
「イブニング・ウィング14・16号」は快特に連結するため、京急蒲田・京急川崎・横浜に停車しますが、この3駅ではドアが開かないため乗降はできません。その一方で、快特が増えることになり、品川〜上大岡間の利便性は向上します。
●「ウィング・シート」の利便性も向上
今回のダイヤ改正では、快特の有料座席指定席車「ウィング・シート」の運行開始時刻を繰上げするとともに、運行間隔を見直します。
「ウィング・シート」は、土・休日に泉岳寺〜三崎口間を運行している2100形の快特に設定している有料座席指定席車です。下り列車は泉岳寺〜上大岡駅の快特停車駅でのみ乗車が可能。また、上り列車は三崎口〜上大岡間の快特停車駅のみ乗車が可能となっています。
ダイヤ改正では、運行開始時刻を下り列車で31分、上り列車で27分繰上げます。また下り58号(品川11時40分発)と上り55号(三崎口12時8分発)以降の列車を、1時間の等間隔で運行して分かりやすくします。
そのほか、平日ダイヤでは朝ラッシュ時間帯の上り快特1本を特急に変更。下り列車を2本増発。また、土・休日ダイヤでは23時台に羽田空港第1・第2ターミナルから品川方面・横浜方面への列車を各1本増発して、利便性を向上させます。
13年で幕を閉じるエアポート急行。飛行機マークは見納めとなりますが、その役割は急行に受け継がれるので変わることはありません。もしかすると、空港アクセス列車ではない急行の運行も視野に入れているのかもしれませんね。
(ぬまっち)