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■スクーターにはまだまだできることがある
スクーターというのは、移動の道具としてかなり完成された乗り物のように思えますが、意外とまだまだできることがあるのかもしれないと思わせるのが、ヤマハ発動機の試作車ELOVE(イーラブ)です。
通学にスクーターを使う高校生と、プロ車椅子テニス選手とのコラボで作られたそうです。
●スクリーンが画板になる?
通学にスクーターを使う沖永良部島の高校生から出たアイディアのひとつは、スクリーンの角度を変えることで、画板として使えるというもの。風景が好きな生徒から出た案だそうです。
とはいえ、スケッチのための画板でなかったとしても、この部分に簡易テーブルが出るとしたら…。たとえば、スクーターで移動しながら、ところどころでメモをとるような作業をする仕事などでも便利なのではないでしょうか。これは後付け部品でもできそうなのでかなり現実的なアイディアです。
このほかにも、ヘルメットを装着したまま着られるスクーター用の雨ガッパや、水に濡れると模様が浮き出る、雨の日がちょっと楽しくなるロゴなどが採用されています。
●自律ライディングで立ちごけしない
そして、片足が義足のプロ車椅子テニスプレーヤー眞田選手とのコラボでは、バイク事故で片足を失った眞田選手が、またバイクに乗りたいという思いが実現しています。
このELOVE、前後進を可能にするモーターと、電動ステアリングによって、自律でスタンディングスティルができるというのです。静止状態から必要に応じてわずかに動きつつ、倒れそうな方向に細かくハンドルを切って転倒を防止する機能で、立ちごけの不安から開放されます。
また、さまざまなアタッチメントをつけることで、いろいろなものを積載できるようにし、車椅子の眞田選手でもバイクでキャンプに行けるようなスクーターになっているそうです。
ちょっとしたアイディアと電動化、電子制御で、スクーターはまだまだ可能性が広がりそうだと思わせる車両です。
(まめ蔵)