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■なかなか見ることができない富士ショートサーキットでのドリフト
2023年9月24日に行われた「FUJI 86/BRZ STYLE」は、総入場者数6800名というサーキットの1DAYイベントとしてはかなりの盛り上がりを見せていました。
なかでも、参加者の熱が高かったのが、ショートサーキットで行われた「TOYO TIRES“プロクセス”サーキットイベント in 富士スピードウェイ」というイベントでした。
まる1日ショートサーキットを貸し切り、さまざまなコンテンツでTOYO TIRESのファンを楽しませようという試みです。
「かつてトヨタGAZOOレーシング フェスティバル内で行った、ドリフトエクスペリエンスは大いに盛り上がったコンテンツでした。やはり至近距離で見るドリフトは心を躍らせますね」(TOYO TIRE株式会社 グローバルマーケティング部 菅野淳一さん)
●サウンド、スモーク、すべてがすぐそばにある興奮
ピットに並んだワークスマシンは、いつでも出撃準備の体勢が整っています。そしてイベントのスタートからいきなりTeam TOYO TIRES DRIFTのスタードライバーたちが盛り上げてくれました。
富士スピードウェイでドリフト(スライドコントロール)といえば、マルチパーパスコース。ショートサーキットはグリップ走行がメインなので、ここでドリフトが見られること自体がまず眼福です。
ギャラリーとの距離感も近く、華麗につなげていくドリフトに魅了されていました。
●レジェンドドライバーの「還暦の手習い」は大成功!
さらに、ただデモランで終わらないのがTOYO TIRESの企画力。ちょっとひねりのある「ドリフトレッスン」という催しも行われました。
「レッスン」というくらいなので、プロドライバーが誰かにコーチングするというのはわかるのですが、何とその生徒役は、レジェンドドライバー・木下隆之選手。講師は川畑真人選手です。
世界に名だたるレーシングドライバーとしての確固たるステージと、ニュルブルクリンクに挑戦し続け20数年という輝かしきキャリアの木下選手。これ以上、何を学ぶべきところがあるのだろうと思いきや、それが「ドリフト」でした。
その走りは「本当に初挑戦?」と思えるほどに覚醒していました。おそらく周回数周で、川畑選手から大まかな部分をレクチャーされたのでしょう。それからの本番は、まるで解き放たれたかのように、ストレートのフル加速からの1~3コーナーまでドリフトをつなげていく美技を見せてくれました。
川畑選手いわく、専門用語「ぬる入り=あえてスピーディに振らない進入の仕方」という高等テクニックも使っていたそうです。流石はニュルブルクリンクマイスターですね。
木下選手いわく「いや~、いつもは滑らせたりレブに当ててるとチームから大目玉をくらっちゃうからね。今日はそれをやっても怒られることもなく、むしろとってもほめられた。特別の日だね!」
●非日常の場、サーキットで横滑りというさらなる非日常体験
そんなプロドライバーに同乗できる夢の時間も設けられました。各回16名となかなかに狭き門でしたが、そのプラチナチケットを求めて長蛇の列ができていました。
この日、新たにTeam TOYO TIRES DRIFTに入団したばかりの玉城詩菜選手も、初仕事に奔走していました。
また、ドリフトの迫力に酔うばかりでなく、最新のスポーツタイヤのラインアップにも触れられるのがこのイベントの特徴です。
●タイヤをしっかり味見できる整えられた86の試乗車
GR Garage 袋井ブースでは、GR86、86GR(ZN6)、そしてノーマルのトヨタ86(ZN6)という、仕様の異なる各世代の86を試乗用として揃えていました。
なかでもトヨタ86は、経年で劣化した部分を新品交換し、新車の頃のコンディションを取り戻す「86 リフレッシュプラン」が施された車両。まさに「初期化」された車両で、年式を感じさせないことから、タイヤの評価にぴったりです。
リフレッシュされたトヨタ86には「PROXES TR1」(プロクセス・ティーアールワン)が装着されていました。ストリートやワインディングが爽快な、トレッドパターンもデザイン性にあふれたタイヤです。
GR86と86GRでは、プレミアムスポーツタイヤ「PROXES Sport 2」(プロクセス・スポーツ ツー)を試すことができました。非対称トレッドパターンに加えて非対称コンパウンドを採用したモデルです。
参加者は、最新スポーツタイヤの性能の違いを吟味していました。
プロドライバーとのふれあいや、じゃんけん大会など大いに盛り上がり閉幕しました。
(写真:神村 聖/文:畑澤 清志)