TEAM TOYO TIRESが「K4-GP」に参戦、コペンに履いたPROXES TR1は10時間耐久レースをタイヤ無交換で完走!

■軽自動車随一の最高峰耐久レース「K4-GP」

富士スピードウェイにて開催される、軽自動車だけの耐久レース「K4-GP」。コロナ禍で開催されないこともありましたが、毎年8月15日前後に行われる10時間耐久は、夏の風物詩として知られています。

TOYOTIRES COPEN
TOYOTIRES COPEN

今年2023年も8月15日(火)に開催され、参加台数はなんと130台! スーパーGTの3倍以上の参加台数という軽自動車たちが、富士スピードウェイを疾走します。

コペンGRスポーツに装着のタイヤはPROXES TR1
コペンGRスポーツに装着のタイヤはPROXES TR1

そんなK4-GPに、TOYO TIRESがワークス参戦。コペンGRスポーツにTOYO TIRESのハイパフォーマンスタイヤPROXES TR1を履いた「TOYOTIRES COPEN」で10時間を戦います。

K4-GP出場のTEAM TOYO TIRESのドライバー
K4-GP出場のTEAM TOYO TIRESのドライバー

ドライバーは、PROXESブランドアンバサダーの木下隆之さん、ドリフト界のチャンピオンと言われる川畑真人さん、ラリーでも名を馳せるモータージャーナリストの竹岡 圭さん、今年からD1ライツでドリフトデビューしD1GPへの昇格を狙う玉城詩菜さん、そしてe-Sport Gran Turismo2020と2022の世界チャンピオンからTOYO TIRESに入社した宮園拓真さんの5名。

スタートラップの様子
スタートラップの様子

台風直撃か?と言われ、ギリギリまで開催をするかどうかの判断に迫られたという今年のK4-GPでしたが、なんとか開催できる程度の雨模様で当日を迎え、めでたくスタートが切られることとなりました。

●暴風雨から晴天まで、見事に無交換で走り切ったPROXES TR1

朝8時という早朝スタートは切られました。スタート時は強めの雨、そんな中で序盤のコカ・コーラーコーナーでは何台ものマシンがスピンやコースアウトをしていきます。

序盤のTOYOTIRES COPEN
序盤のTOYOTIRES COPEN

その難しい路面状況でも、スタートドライバーの木下選手とPROXES TR1は危なげなくコーナーを駆け抜けていきます。

今回のK4-GP10時間耐久へ、トーヨータイヤがワークス参戦した意図は、まさにこのような厳しい路面状況も含まれていたのではないでしょうか。朝8時からスタートしての10時間というレースでは当然、路面温度が大きく変化します。

しかも、雨が降ればウェット性能、晴れればドライ性能が問われます。また、長時間のレースでは路面にタイヤカスも出てきますし、それをタイヤが拾ってしまうということもあり得ます。

序盤のTOYOTIRES COPEN
序盤のTOYOTIRES COPEN

クラスによってはスリックタイヤを使うクラスもありますが、概ねはラジアルタイヤを使うマシンが多いK4-GP。その中で、様々な路面状況をハイスピードで走るということで、多くのデータを収集する目的のため、ということがメインに掲げられての参戦と言えるでしょう。

またK4-GPでは燃料の総量や給油量も決められており、エコレースとしての側面もあります。PROXES TR1はハイパフォーマンスタイヤと言われ、横方向のグリップに優れていますが、転がり抵抗も軽減されているためにエコタイヤとしての要素も兼ね備えています。

宮園拓真選手
宮園拓真選手

そのため、エコタイヤの要素を信じて燃料搭載量も減らし、運動性能を上げるという作戦を宮園選手が立案します。最初の給油では1リットル、2回目から5回目は15リットル、最後の6回目は5リットルという、攻めた数字の給油量でしたが、エンジン回転数の制限なども行いつつ、ラップタイムは速いところをキープし、クラス9位でのフィニッシュで、なんと燃料残量は1リットル!という、本当にギリギリを攻めています。

TOYOTIRES COPEN
TOYOTIRES COPEN

今回の10時間レースでは終始雨ということではなく、途中途中では晴れ間も垣間見ることができ、日差しがあれば路面は乾いていきます。

そんな、ドライ路面から急転直下の暴風雨、というような天候の変化も何度かありましたが、急激な路面変化でもPROXES TR1は終始安定感を乱すことはありませんでした。

感動のチェッカー
感動のチェッカー

そんな安定感を以て10時間を走り切ったTOYOTIRES COPENは、周回数176周でチェッカーを受けます。そして10時間でタイヤ交換を一度もせずにチェッカーをくぐり抜けたのです。

レース後に木下隆之さんは「タイヤに関しては全く不安を覚えることはなく、タイムの差はあっても雨だろうが晴れだろうが、タイヤのフィーリングが変わらないというところに安心感を持ちました」とコメント。

木下隆之選手
木下隆之選手

また、「軽自動車とはいえレースをしているのですから、タイヤに負担がかかっているのは当然なのですが、転がり抵抗の低さと耐摩耗性とグリップ力という、相反する部分のバランスが優れていたおかげで、10時間をタイヤ交換せずに、それもかなりの安全マージンを残して完走できたことが素晴らしいと思います」とも語ります。

「ただ、K4-GPの独自ルールを、たとえばセイフティーカーの扱いや給油方法などを、もっと自分たちのものにしていかないと優勝は難しいですね。次があればもっと上を目指したい!」と、K4-GPの難しさも語る木下さん。

K4-GP出場のTEAM TOYO TIRESのドライバー
K4-GP出場のTEAM TOYO TIRESのドライバー

Team TOYO TIRESとしては、かなりいいデータが採れたという今回のK4-GP。いいタイヤを作るための飽くなき挑戦を重ねていく姿はカッコいいと感じます。

(写真・文:松永 和浩

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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