塚田勝弘 
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■日本初公開の世界戦略車第1弾BEV「eVX」は、外観を進化させ、内装を世界初公開
2023年10月3日、スズキは「ジャパンモビリティショー2023」の出展概要を明らかにしました。四輪車、二輪車の世界初公開、日本初公開のコンセプトモデルが数多く登場します。さらに、多彩な次世代モビリティや船外機、移動販売車事業者向けの新しい事業サービスなどまで提案される予定で、まさにモビリティショーにふさわしい多様なコンセプトが披露されます。
非常に多岐にわたっているため、ここでは四輪車の出展概要をご紹介します。
●スズキのEV世界戦略車第1弾モデル「eVX」
最も注目を集めそうなのが、2023年1月にインドで開催された「Auto Expo 2023」で世界初公開された、参考出品車のバッテリーEV（BEV）「eVX」。スズキのEV世界戦略車第1弾モデルです。
ワールドプレミア時よりもエクステリアを進化させるとともに、インテリアが初めて公開されます。
「eVX」は、「Emotional Versatile Cruiser」の頭文字から命名され、「EVの先進性と洗練」「SUVの力強さや冒険心」をクロスオーバーさせたコンセプト。
外観は、タイヤを四隅に配置し、EVならではのロングホイールベースを実現。
さらに、デバイス類を透過・浮遊させることで、先進的な空間を演出したというインパネには、次世代のインターフェイスが採用されています。走りでは、「ALLGRIP」を進化させたEV 4WD技術が搭載されます。
2025年の市販化を目指したモデルで、現時点では明らかにされていませんが、トヨタとの協業による成果が盛り込まれているのかも気になるところ。
【eVX主要諸元（参考値）】
●ボディサイズ：全長4300×全幅1800×全高1600mm
●航続距離：500km
●軽ワゴンEVの「eWX」をワールドプレミア
ワールドプレミアとなる軽EVの「eWX」は、ハスラーのようなスクエアなフォルムが印象的。日常生活に寄り添う軽ワゴンEVとして企画されています。
今までの軽自動車と同じように、使える実用性を備えつつ、EVならではのワクワク感も提供。EVらしくアクセルを踏み込めばスムーズに加速し、急な思いつきの遠出もカバーする航続距離が確保されるそうです。
エクステリアは、見たとおりシンプルですっきりした仕立てで、角丸長方形をモチーフに、先進的なイメージの中にも親しみやすさが表現されています。先進感を抱かせるグレーと軽やかな高彩度のアクセントカラーが配置されています。
インテリアには、フローティング構造が採用され、外観と同様に角丸長方形がモチーフになっています。エクステリアとコーディネイトされたイエローとホワイトのカラーも印象的。
【eWX主要諸元（参考値）】
●ボディサイズ：全長3395×全幅1475×全高1620mm
●航続距離：230km
●2023年度内に導入予定のBEV軽商用バン「e EVERY CONCEPT」
2023年5月に開催された「G7広島サミット」では、日本自動車工業会による自動車業界のカーボンニュートラル達成に向けた取り組みが紹介されました。そこで、トヨタ、ダイハツ、スズキによる共同開発モデルのBEV軽商用バンが公開されました。
車両はダイハツが生産を担い、スズキ、ダイハツ、トヨタがそれぞれ2023年度内に導入予定。
「ジャパンモビリティショー2023」では、スズキから「e EVERY CONCEPT」が参考出品されます。ターゲットは、ラストワンマイル輸送の法人ニーズで、高い積載性を確保しながらEVらしく静かで力強い走りを可能にするそうです。
非常時には動く蓄電池になり、外部給電することで地域社会での貢献にも寄与する狙いも込められています。なお、スズキ車向けとして、外観に専用フロントバンパーが与えられています。
【eWX主要諸元（参考値）】
●ボディサイズ：全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mm
●航続距離：200km
●発表間近!? 次期スペーシアのコンセプトカーを世界初公開
参考出品の「スペーシア コンセプト」「スペーシア カスタム コンセプト」もワールドプレミアされます。次期スペーシア、スペーシア カスタムとして2023年12月にも発表されるのでは？という憶測を呼んでいるようです。
「スペーシア コンセプト」は、写真を見る限り市販車にかなり近い印象を受けます。現行型はスーツケースがモチーフとされていますが、同コンセプトカーのデザインモチーフは大容量の「コンテナ」。
典型的な2ボックス軽スーパーハイトワゴンといえるフォルムを基調に、コンテナを想起させるサイドに配された複数のラインが目を惹きます。インテリアは、アッパーとロアを明確に分けた構成で、センターの大型ディスプレイや凝った造形のドアトリムも特徴的。
「スペーシア カスタム コンセプト」も写真からであっても市販化が近いことをうかがわせます。カスタムらしくスポーティ感はもちろん、上質感と華やかさが表現され、インテリアはカッパー（銅）系ともピンク系とも映る加飾が目に飛び込んできます。
キャビンはただ広いだけでなく、移動中も停車中も快適に使える機能が新採用され、リヤシートはリビングにいるような快適性が確保されるそうです。
安全装備では、スズキの軽で初となる衝突被害軽減ブレーキ 「デュアルセンサーブレーキサポートII」が搭載され、検知対象に二輪車や自転車も加わり、交差点を検知エリアに追加。前後に低速時ブレーキサポートが新たに追加されます。
●発表間近!? 次期スイフトの「スイフト コンセプト」を世界初公開
ワールドプレミアとなる「スイフト コンセプト」も2023年内〜2024年初頭の発表が噂されている次期スイフトのコンセプトモデルと想像できます。
スイフトらしく、走りの良さを予感させるデザインが与えられています。タイヤを強調させた踏ん張り感のあるフォルム、うねりを感じさせる面構成や、大型の前後フェンダーも印象的。小口のフロントグリルや「L」字型のシグネチャーが目を惹くヘッドライト、フロントバンパーガーニッシュもスポーティ感を醸し出しています。
インパネは、大きくアッパー、ミドル、ロアに分けられていて、写真を見るとドライバー側に操作系やディスプレイが傾けられたコクピット風に映ります。
安全装備では、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII 」や「アダプティブハイビームシステム」「ドライバーモニタリングシステム」などが盛り込まれます。走りでは、高効率エンジンとCVTの搭載により、走行性能と燃費性能の向上を両立しているそうです。
そのほか、四輪市販車としてジムニー シエラ、スーパーキャリー、ソリオ、ハスラー、ワゴンRスマイルも展示されます。四輪だけでもかなりの充実ぶりとなるスズキ・ブースは、東5ホールになる予定です。
（塚田 勝弘）
