スバル新型「インプレッサST」を清水和夫が佐渡島で公道初試乗「お世辞抜きでいい車!」

■素インプでも、デコボコ路面をとらえるサスペンションは乗り心地良し!

●佐渡島は日本のハワイ!?

新型インプレッサSTを佐渡島で乗る!
新型インプレッサSTを佐渡島で乗る!

「インプレッサの新型モデル、公道を走るのは初めてだな」。

以前、プロトタイプをサーキット試乗したのに続き、今回は市販バージョンを新潟県・佐渡島で試乗した国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。

「佐渡島ってこんなに穏やかだったの? 驚いたのは、佐渡島は『リンゴの南の限界地点』『ミカンの北の限界地点』ってことで、金山だけじゃなくてフルーツ王国でもある。あとは棚田のお米とかね。

徳川時代に金が獲れたので、多くの人たちがここに移り住んでいましたから、お寺とか、その名残がいろんなところにも多い。

佐渡島のワインディングを新型インプレッサSTで堪能する清水和夫さん
佐渡島のワインディングを新型インプレッサSTで堪能する清水和夫さん

新潟港からジェットフォイルで1時間くらい。来るのはちょっと大変なんだけど、でも来てみたらなんか、ココはハワイだね♪ 意外と冬は暖かく、夏は涼しい。でも、標高1000mくらいの山があるから、冬には上のほうは4mくらいの雪が積もるし、スノーシューで雪のトレッキングもできたり、スキーもできたり。

あらためて佐渡って魅力的な島だな」。

そんな佐渡島ドライブを新型インプレッサとともに紹介します。

●新型インプレッサの中で一番のベースモデル「ST」に試乗してみた

新型インプレッサSTのフロントビュー
新型インプレッサSTのフロントビュー
新型インプレッサSTのリヤビュー
新型インプレッサSTのリヤビュー

今乗っているのは、STというFFのベースモデル。データを見ると、半分くらいFFが売れているみたい。価格も安いしね。

ココ、道は悪いんだけど、なかなか乗り心地も悪くないね。なんか軽快感があっていい。

すべてがアナログというか、直感的で乗りやすい。

佐渡島のワインディングは、道が狭くなるくらい植物が生い茂って、ほとんど手入れされていないんだけど、こういう廃道みたいなところもいいね、秘境みたいな感じで。

で、こういうところって道、悪いでしょ。でもね、インプレッサSTはFFだけどサスペンションがいい。

実は、ベースモデルが凄く重要なんです。ベースがいいっていうことは、その車の素性がよく分かります。バネ上のダンピングもなかなかいいし。

もちろん、アイサイト付き
もちろん、アイサイト付き

ADAS(Advanced Driver Assistance Systems/先進運転支援システム)はアイサイトですから物凄くいいし、ステアフィールがメチャクチャいい! コレ、ボッシュのダブルピニオンの新しいタイプだな。

●ベースモデルの重要性とは?

インプレッサSTは、いわゆるスバルのエントリーモデル。インプのエントリーモデルというと、昔はマツダのデミオと100万円で戦っていたような“安い車”っていう印象があったんだけど、最近はSGP「スバルグローバルプラットフォーム」という、ひとつのカテゴリー、プラットフォームの中に入れて、下のインプレッサからクロストレック、レヴォーグ、アウトバック…という風に、今はもうプラットフォームがひとつになったので、そういう意味でこれは、決して何かヒエラルキー(ピラミッド型の階層組織)の中にある一番のベースというよりも、スバルのSGPというプラットフォームの中のクラスレスな車なんですよね。

乗ってみると、たとえばパワーステアリングはダブルジョイントのボッシュのシステムを使っていたり、同クラスの他のライバルメーカーよりも、ステアフィールを良くしたりと、いいユニットを使ったりしているんです。

タイヤサイズは、前後とも205/50R17
タイヤサイズは、前後とも205/50R17

今回乗った、FFのSTという一番のベースモデル、おそらくそんなにオプションを付けなかったら200万円台で買える車。非常に乗り心地もいいし、無駄なものが無いし、足りないものも無い。というような車なので、あらためてインプレッサって良い車なんだなって、本当お世辞抜きで思いました。

FFだから最近は道路整備もいいので雪道でもスタッドレスタイヤさえ履けばこの車でもイケるかな。ただSUBARUでは、上にはクロストレックというSUVがあったりするので選択肢が広いんですね。

インプレッサ、なかなかやるな!


たらい船、楽しそう♪
たらい船、楽しそう♪

清水さん、大好きなフルーツを堪能し、美味しいお米を食べ、たらい船にも乗り(けっこう難しいらしい)、新型インプレッサにも乗れて大満足! 全てのインプレッションは動画でドーゾ!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの


スバル新型インプレッサSTの主なスペック
スバル新型インプレッサSTの主なスペック

【SPECIFICATIONS 】
車名:スバル・インプレッサST([ ]内はAWD車)
全長×全幅×全高:4475×1780×1450mm
ホイールベース:2670mm
トレッド(前/後):1540/1545mm
車両重量:1380[1420]kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.3m
エンジン種類;水平対向4気筒DOHC 直噴
内径×行程:84.0×90.0mm
総排気量:1995cc
エンジン最高出力:113kW(154ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:193Nm(19.7kgm)/4000rpm
燃料タンク容量:50L(無鉛レギュラー)
ミッション:CVT
燃料消費率(WLTCモード):14.0[13.6]km/L
サスペンション形式(前/後):ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ(前/後共):ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前/後共): 205/50R17
車両本体価格(税込):2,299,000[2,519,000]円

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この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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