目次
■これまでに公開した新型車予想CGの完成度を検証
本稿では、新型車発表前に作成した予想CGがどの程度、的を得ていたのかを振り返ってみたいと思います。
今回はこれまでにお届けしたトヨタ「クラウン・プリウス編」、「GRカローラ・アクアGRスポーツ編」に続き、2023年8月2日に新型が公開されたばかりの「ランドクルーザー70」と「ランドクルーザー250(プラド後継)」の予想CGについて検証します。
●新型ランドクルーザー70(2023年8月2日ワールドプレミア)
早速、2度目の再販が発表された新型「ランクル70」(プロトタイプ)から見て行きましょう。
ランクル70系は1984年11月に登場した高耐久性・走破性が求められるヘビーデューティーモデルで、国内では2004年7月に販売を終了したものの、豪州では未だ現役。
ファンの熱い要望に応え、生誕30周年を記念して2014年に再販されましたが、早いもので翌2024年には生誕40周年を迎えることから、今冬を目標に販売を予定しているそうです。
新型ランクル70は豪州仕様をベースにしているようですが、フロントマスクがリ・デザインされています。
先頃クリッカーで公開(7月14日)した予想CGと新型の画像を比較してみると、初期の70シリーズをオマージュしたラジエターグリル下方3箇所のスリットなど、そこそこ新型の雰囲気が出せているのではないでしょうか。
従来モデルの角型ヘッドランプに代わり、新型では予想どおり丸型2灯式ヘッドランプが採用されており、ヘッドランプ外周に設けられた発光部が凹凸状のDRLが新しさを感じさせます。
一方、予想CGに対して実車ではフード高さが嵩上げされており、フェンダーパネルもホイールアーチの出代を増やすとともに、ターンシグナルランプをヘッドランプから独立させるなど、やはり初期の70シリーズをオマージュしているようです。
フェンダーサイドには、豪州向けシュノーケル(水没対策)の名残と思われる吸気ダクトが設けられており、アロイホイールの意匠変更やテールランプがリヤバンパーに移設されている点も見逃せません。
パワートレーンは予想どおり、これまでの4.0L V6ガソリンエンジン+5MTに代わり、204ps/51kgmの出力を発生する2.8L直4ディーゼルターボ(1GD-FTV)+6Super ECT(6AT)の組み合わせに一新されました。
ちなみにプロトタイプの車両サイズは全長4,890×全幅1,870×全高1,920mmで、ホイールベースが2,730mmとなっています。
●ランドクルーザー250(2023年8月2日ワールドプレミア)
続いて新型「ランクル250」(プロトタイプ)の予想CGについて検証してみましょう。
トヨタ自動車が2009年に発売した「ランドクルーザープラド(150系)」の後継として、2024年前半の発売を予定しているモデルです。
「プラド」は軽量化を図ったランクルの派生モデルとして1990年に誕生。
新型はプラドではなく、ランクル「300系」の弟分であることから、ランクル「250系」として発売されることが早期に新聞報道され、ランクルファンの関心を集めていました。
トヨタが今回、ランクルシリーズの核に位置付ける新型を「250」としたのは、300系が豪華で高額になり過ぎたため、“原点回帰”を開発コンセプトに掲げたことが背景にあるようです。
これに伴い、インテリアもリアルオフローダーらしい機能性を感じさせるデザインへとシフト。
車両サイズは300系やレクサスGXと同じ「GA-F」プラットフォーム採用により、全長 4,925mm(+100)、全幅1,980mm(+95)、全高 1,870mm(+20)で、ホイールベースが2,850mm(+60)とそれぞれ大幅に拡大しています[( )内はプラド比]。
クリッカーでは2023年5月8日の記事、トヨタ「ランドクルーザー プラド」がフルモデルチェンジでランクル「250」に改名?を皮切りに次期モデルの予想をスタート。
細幅化した3連LEDヘッドライトや、スクエアタイプのホイールアーチ等を織り込んでいますが、雰囲気的には従来モデル然としたCGになっています。
しかしその後、フロントドアから後部のデザインがレクサスGXそっくりのティザー画像が公開され、予想CGを全面的に作り直すことに。
7月21日の記事、次期トヨタ「ランドクルーザー プラド」はレクサスGX似のボクシーなデザインで11月デビュー?で新たなCGを掲載。
フロントマスクを300系に準じたイメージとしましたが、箱型基調の実車から大きく乖離する結果に…。
ちなみに新型のヘッドランプには角目のほか、丸目仕様も設定されています。
トヨタのデザイナーは、2021年末に「バッテリーEV戦略に関する説明会」で公開したコンセプトカー「コンパクト クルーザーEV」のボクシーなフロントマスクをイメージしていたようです。
実車は兄貴分の300系とはかなりテイストの異なる顔つきになっていますが、がっちりとした雰囲気が強く押し出されており、“原点回帰”のコンセプトに沿った物になっています。
パワーユニットは予想どおり、現行同様の2.7L直4ガソリン(163ps/25.1kgm)と、2.8L直4ディーゼルターボ(204ps/51kgm)+6Super-ECT(6AT)の組み合せになっており、新型GXに搭載される2.4L直4ガソリンターボのHEV仕様は後に追加される見通し。
気になる車両価格は400~550万円前後になる見通しで、今後の詳報が待たれます。