ドゥカティが「モンスター30°アニバーサリオ」を2024年に発売。人気モデルの生誕30周年を記念する500台限定車

■トリコロールの特別色や軽量ボディ採用

イタリアのバイクメーカー「ドゥカティ」は、2024年のニューモデルを公開する「ドゥカティ・ワールド・プレミア」において、大型ネイキッドモデル「モンスター」の生誕30周年を記念した500台限定の特別仕様車「モンスター30°アニバーサリオ(Monster 30° Anniversario)」を発表しました。

トリコロールの特別カラーを採用するモンスター30°アニバーサリオ
トリコロールの特別カラーを採用するモンスター30°アニバーサリオ

モンスターといえば、1993年の初代モデル以来、世界中で35万台以上が売れたロングセラーモデル。

その特別仕様車では、イタリアの国旗をモチーフにしたトリコロールの特別カラーを採用。また、サスペンションなどの変更により、車体を4kg軽量化したほか、ワインディングからサーキット走行まで対応する最新の電子制御システムなどを採用しています。

●モンスターとは?

初代モデルが1993年に登場したモンスターは、フルカウルのスーパーバイクという印象が強かったドゥカティ製バイクに革命を起こしたともいえる、ロングセラーのネイキッドモデルです。

スーパーバイクに由来する軽量・高剛性フレームに、900cc・90度V型2気筒(通称Lツイン)エンジンを搭載したのが初代モデル。スポーティでロードユースに最適な乗り味などが大きな支持を受け、大ヒットを記録。その後、1200ccなど多様な排気量のモデルが作られ、人気シリーズ化していきます。

モンスター30°アニバーサリオのリヤビュー
モンスター30°アニバーサリオのリヤビュー

日本では1990年代に400ccモデルも販売。当時、400ccを超えるバイクに乗れる自動二輪免許(いわゆる限定解除免許)は、運転免許試験場でしか取得できず、合格率もかなり低かった時代。

そのため、多くの若いライダーは、教習所で比較的楽に取れる中型限定自動二輪免許(現在の普通二輪免許)を取得。その免許で乗ることのできる最大排気量の400ccバイクに人気が集まっていました。

モンスターの400cc版は、そんな時代背景にマッチし、国内でも好セールスを記録。初心者や女性ライダーなど、幅広い層に人気を得ました。

そして、そうした伝説的な名車の血統を受け継ぐのが、2021年にフルモデルチェンジを受けて登場した現行のモンスターです。111psを発揮するエンジンには、ドゥカティが「テスタストレッタ11°」と呼ぶ、独自のデスモドロミック・バルブタイミング・システムを採用した937cc・水冷4バルブV型2気筒を搭載。

真上から見ても、非常にスリム
真上から見ても、非常にスリム

エンジンはフロントフレームと接続することで、シャシーの構造部材の一部としても使用。スーパースポーツ「パニガーレV4」と同様のコンセプトを用いた車体により、優れたハンドリング性能などを実現しています。

なお、現在のラインアップには、スタンダード仕様の「モンスター」と、小型のフロントカウルやタンデムシートカバーなどを装備した「モンスター+(プラス)」を設定。さらにフルアジャスタブル・タイプのオーリンズ製フロントサスペンションなどを採用した最上級グレードの「モンスターSP」があります。

●標準モデルより4kgの軽量化も実現

そんなモンスターをベースとするのが、モンスター30°アニバーサリオです。ボディカラーには、前述の通りイタリア製バイクであることを強調したトリコロールの特別カラーを採用。アッパークランプには、モデル名とシリアルナンバーが刻印されたプレートも装着され、真正証明書と専用のバイクカバーも付属しています。

モンスター30°アニバーサリオのシートカウル
モンスター30°アニバーサリオのシートカウル

また、シートには刺繍で30周年ロゴも施されるほか、イグニッションをオンにするとメーターパネルに専用アニメーションも表示されます。

さらに、各部の装備に新パーツなどを導入することで、モンスターの標準モデルと比較して4kgの軽量化を実現していることも注目点です。

たとえば、フルアジャスタブル・タイプのオーリンズ製フロントフォークは、モンスターやモンスター+に採用されているフォークよりも0.6kg軽くなっています。

モンスター30°アニバーサリオのサイドビュー
モンスター30°アニバーサリオのサイドビュー

また、フロントブレーキには、モンスターの標準仕様よりも0.4kg軽いブレンボ製Stylemaフロントキャリパーを採用。320mmフロント・ダブルディスク用のアルミニウム製フランジは、モンスターの標準仕様よりも0.5kg軽量なタイプを装備します。

そして、これら専用パーツを採用することで、車両重量は184kgを実現。モンスターやモンスター+の188kgどころか、シリーズ最軽量であるモンスターSPの186kgよりも軽い車体を実現しています。

なお、フォークや専用のホイールにはゴールドカラーも施すことで、高級感も演出。よりスポーティなサスペンションのセッティングも施すことで、ワインディングだけでなく、サーキットでも楽しく走ることを可能としています。

ほかにも、走りをグレードアップさせる電子制御システムも採用。コーナリングABS、ドゥカティ・トラクション・コントロール、ドゥカティ・ウィリー・コントロールといった従来からの装備に加え、ローンチ・コントロールも追加することで、サーキットなどでのロケットスタートも可能とします。

レッド×ホワイトでカラフルな燃料タンク
レッド×ホワイトでカラフルな燃料タンク

ちなみに、モンスター30°アニバーサリオの日本仕様では、シート高が810mmに設定されるとのこと。

国内販売の時期や価格、導入台数などは今のところ未発表。モンスターのファンなどは、続報に期待大ですね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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