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■VWグループのBEV販売が32万台超と好調
電動化シフトを明確にしているVW(フォルクスワーゲン)グループの、電気自動車(BEV)販売が好調です。
2023年上半期(1月~6月)のグループ全体でのBEV納車台数は32万1600台、前年同期が21万7200台だったということですから、48%も増加しているのです。
グループ全体での総納車台数に占めるBEVの割合についても、前年同期の5.6%から7.4%に上昇しています。絶対的にみれば、まだまだエンジン車が主流なのは事実ですが、BEVを選ぶユーザーが増えているのは事実といえます。
特に、VWグループの本拠地ともいえる欧州では強みを見せています。
●欧州ではBEVセグメントのリーダー的存在
欧州におけるVWグループのBEV納車台数は、前年同期比68%増の21万7100台(前年同期:12万8900台)と伸びています。
BEVというと、アメリカのテスラや中国のBYD、韓国のヒョンデなどが有力プレーヤーですが、やはり欧州のリーダーはVWグループというわけです。
ご存知でしょうが、欧州の新車販売において、おおよそ6台に1台がBEVとなっています。BEVは伸び代の大きいセグメントともいえます。実際、VWグループとしての西ヨーロッパにおけるBEVのバックオーダーは約20万台で、市場の勢いに乗って好調な販売を維持しているといえるでしょう。
●グループ内でのブランド別シェアは?
北米市場においてもVWグループのBEV販売は好調です。米国におけるVWグループのBEV納車台数は2万9800台で、前年比76%で増えています。
また、BEV販売の本場ともいえる中国市場においては、前年同期比でマイナス2%となる6万2400台だったというのはバッドニュースですが、それでもVWグループにおけるBEVの販売比率としては2割近く、主力マーケットであることには変わりません。
ちなみに、日本を含むそのほかの市場を合わせても、VWグループのBEV販売における割合は4%に過ぎません。欧州・北米・中国以外のマーケットは、BEV販売そのものに伸び代があるといえるでしょう。
最後にVWグループのBEV販売におけるブランド別の台数を紹介しましょう。
■2023年上半期VWグループ・ブランド別BEV納車台数
フォルクスワーゲン(乗用車):16万4800台
アウディ:7万5600台
シュコダ:3万1300台
セアト/クプラ:1万8900台
ポルシェ:1万8000台
フォルクスワーゲン(商用車):1万2300台
アウディやポルシェといったプレミアムブランドだけでなく、フォルクスワーゲンをはじめとした大衆ブランドでも、確実にBEVの販売を増やしているのは、電動化時代にグループ全体のブランド価値を上げていっている証左と考えられるのではないでしょうか。