サステナブルな「ADVAN」レーシングタイヤを6クラス26台以上に供給【第101回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム】

■サステナブル素材が33%採用された「ADVAN A005」を供給

横浜ゴムのタイヤ販売会社であるYokohama Tire Corporationは、2023年6月25日に米国のコロラド州で開催される「第101回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に「ADVAN」レーシングタイヤを供給すると発表しました。

2022年の「第100回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」で総合優勝したRobin Shute選手の「2018 Wolf TSC-FS」
2022年の「第100回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」で総合優勝したRobin Shute選手の「2018 Wolf TSC-FS」

「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」は、1916年から開催されている伝統あるヒルクライムレースで、別名「雲へ向かうレース」とも呼ばれています。

標高2862mのスタート地点から標高4300mにあるゴールまでの約20kmのコースで競われます。ヨコハマタイヤの装着車は、2020年と2022年に総合優勝、2021年に2部門でクラス優勝を成し遂げています。

横浜ゴムは、同レースに参戦する6クラス26台以上にサステナブル素材を使ったレーシングタイヤ「ADVAN A005(ドライ用)」をはじめとした「ADVAN」レーシングタイヤを供給。

2023年は、世界展開されている最上級タイヤブランドの「ADVAN(アドバン)」45周年になり、「ADVAN」ブランドを高める「ADVAN CHALLENGE」のもと、2年連続の総合優勝をはじめ全クラスでの優勝を目指すとともに、サステナブルなモータースポーツにも挑戦することになります。

なお、同社は、循環型経済に基づき、サステナブル素材の使用率を2030年に30%以上、2050年に100%とすることを目指しています。

サステナブル素材が採用された「ADVAN A005」は、2022年に総合優勝を果たしたRobin Shute(ロビン・シュート)選手のマシンに供給されます。

「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」で、「ADVAN」レーシングタイヤを装着した「Dallara 320」。写真は2019年発表時
「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」で、「ADVAN」レーシングタイヤを装着した「Dallara 320」。写真は2019年発表時

タイヤは、2023年から「全日本スーパーフォーミュラ選手権」にワンメイク供給されているものと同スペックで、従来のタイヤと同等のグリップ性能を維持しながら、サステナブル素材比率33%を達成しているそうです。

このサステナブル素材比率33%は、天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成されたオイルなど、各種自然由来の配合剤を活用。

加えて、リサイクル鉄や廃タイヤから再生されたリサイクルゴム、さらにマスバランス方式の合成ゴムが採用され、原材料全体の約33%がサステナブル素材になっています。

また、エキシビションクラスでは、「2021 Tesla Model S Plaid」を駆るRandy Pobst(ランディー・ポブスト)選手のマシンに「ADVAN A005」が供給されます。走行時に最も変形が大きくなるサイドウォールのゴムが、従来の石油由来からバイオマス由来のブタジエンゴムに変更され、再生可能原料比率が引き上げられています。

同社は、過酷なヒルクライムレースでの実戦を通じて新たな知見を取得し、環境負荷を低減させる技術開発をさらに加速させたい構え。

さらに、2022年にオープンホイールクラスで優勝したCodie Vahsholtz選手や、タイムアタック1クラスで優勝したDavid Donohue選手など、多くの有力選手にも供給されます。加えて「Porsche Cayman GT4 Clubsport」などで競われる「ポルシェ パイクスピークトロフィー by Yokohama」クラスへのワンメイク供給も継続し、6年連続で「ADVAN A052」を供給。

横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」のタイヤ消費財事業において、「ADVAN」をはじめ、「GEOLANDAR(ジオランダー)」、ウィンタータイヤの販売構成比率の最大化を掲げています。

モータースポーツ活動は、先行技術開発に加えて、「ADVAN」「GEOLANDAR」ブランド強化の場と位置づけられています。

モータースポーツ競技で得た技術や知見は、高性能、高品質な新車用、および市販用タイヤの開発にフィードバックされることになります。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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