クルマの運転中に大雨に遭遇したらどうする? 台風・ゲリラ豪雨・線状降水帯に要注意【2023年版】

■運転中の大雨から命や愛車を守るために

これからの季節は「ゲリラ豪雨」に注意
これからの季節は「ゲリラ豪雨」に注意

運転中に、台風やゲリラ豪雨、線状降水帯による大雨に遭遇した際、命や愛車を守るために最低限注意しておくべきことは何でしょうか?

新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に引き下げられた現在、行動制限がなくなった久々の夏休みを満喫しようと予定を立てている人も多いと思います。

ですが、そんな楽しい時期と重なって発生するのが、台風やゲリラ豪雨、線状降水帯による大雨! この時期に出かける際は、行き先や道中地域の天気予報や降水確率をこまめに確認するほか、降水短時間予報などもチェックしましょう。

ニュース映像で、冠水して地面が見えなくなった道路を走行しているクルマを見ることがありますが、問題ないのでしょうか?

ワイパーをハイスピードにしても視界が遮られてしまうほどの豪雨。まずは自身と同乗者、周囲の人やクルマ、そして大切な愛車を守るために覚えておきたいことを厳選して3つ紹介します。

●ヘッドライトON! スピードDOWN!

比較的明るい日中であっても、ヘッドライトをオン
比較的明るい日中であっても、ヘッドライトをオン

大雨発生時は昼間でも曇り空となり、水しぶきで視界が悪くなります。まずは周囲に自車の存在を知らせるために、ヘッドライトを点灯させましょう。

スモールランプ(車幅灯)では周囲に自車の存在を伝えにくいので、点灯させるのは必ずヘッドライト。フォグランプが装備されているクルマは、あわせて点灯させると良いです。

オートライト装着車の場合、オートにしていても感度の設定により点灯しないことがあるので、注意です。また、リヤフォグランプが装備されている車両では点灯することも検討しましょう。ただし、かなりの荒天でなければ後続車へ迷惑になることも多いため、明らかに後続車が自車に気付いているときなど、使用に際してはやや慎重に検討しましょう。

次に、スピードを落とします。大雨による速度制限が表示されている道路は、その速度を上限に従わなければいけません。高速道路ではハイドロプレーニング現象が起きて、ブレーキやハンドル操作ができなくなることもあるので、特に注意が必要です。車間距離はいつもより多めにとり、急ハンドル、急ブレーキなどの「急」がつく操作は厳禁!

また、制限速度内でも周囲にスピードを合わせるのではなく、自分が不安になるスピードで走行しないことが肝心です。

●安全な場所に一時停車

不測の事態であっても、焦らず冷静に対応しよう
不測の事態であっても、焦らず冷静に対応しよう

大雨で走行中に少しでも不安を感じたり、周囲のクルマの速度が高く、自車が交通の妨げになっていると感じたりした際は、迷わず安全な場所に停車しましょう。高速道路であれば、早めにサービスエリアやパーキングエリアに避難します。

視界が悪くなっているので、一般道では交通の妨げとなる場所や駐停車禁止場所に停車するのは絶対に避け、ハザードランプを点けて停車するのがベストです。

一時停車することで、心を落ち着かせることもできます。約束に遅れそうなら、停車中に先方へ連絡しましょう。そんな状況下でも先方が遅刻を許してくれないのなら、今後のお付き合いは考え直した方が良いかもしれません!それぐらい、冷静になって客観的に対応できると良いですね。

●危険な道路に近寄らない!

冠水に気づかずアンダーパスに進入してしまうドライバーも…
冠水に気づかずアンダーパスに進入してしまうドライバーも…

大雨で危険な道路が、交差する道路や線路を避けるように低くなったアンダーパス。冠水している可能性があります。水深が分からず、バックやUターンして戻ることも容易にできないため、例え通行規制がされていなくても避けるのがベストです。

マンホールの蓋が外れていたり、流された木や看板などが沈んでいたりする可能性も考えられます。走りなれた道路でも安全だといえる保証はないので、注意が必要です。

他にも、増水の可能性がある川沿いや、土砂崩れの可能性がある山間部もなるべく避けたい場所。いつものルート、ナビで指示されたルートだからと、これらの危険性を予測せず運転するのは危険なので注意です。

●まとめ

冒頭で、冠水して地面が見えなくなった道路を走行しているクルマをニュース映像で見ることがあると触れましたが、あの状態で走行するのは避けるべきです。

アンダーパスの部分でも伝えましたが、マンホールの蓋が外れていたり、何かが沈んでいたりする可能性もあるでしょう。また、安全に走行できたとしても、エンジンルームに水が入り、急にエンジンが停止してしまったり、後々クルマに不具合が出てしまったりする可能性もあります。

冠水しないまでも、大雨に遭遇した際にできるだけ安心してハンドルを握れるよう、ワイパー、ライト、タイヤの日常点検は行うよう心がけてください。

筆者の苦い経験として、沖縄県の石垣島へ旅行に行った際、レンタカーのワイパーが間欠モードでしか作動せず(古い輸入車で、故障していました)、スコールのたびにハザードを点けて路肩に停車していた思い出があります…。

レンタカーや代車の場合、大雨が発生する可能性が高い時期は、ワイパーの作動状況はチェックしておきましょう。

また、車内で待機する際のことも考えて、ブランケットなどを準備しておくといざという時に役立ちます。水没など最悪の事態に備え、シートベルトカッターや窓ガラスを割れる脱出用ハンマーまで準備しておけば、さらに安心です。

事故を防ぐアクションで、クルマのある生活がもっと楽しくなる! 皆さんも楽しいカーライフを送ってくださいね。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])

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