汚れたクルマは交通違反の可能性が!? ライトやナンバープレートの汚れに要注意

■汚れたままのクルマで運転していると、50万円以下の罰金が科されることも

汚れたクルマは見栄えが悪くなるだけでなく、大きな事故につかながる可能性も…
汚れたクルマは見栄えが悪くなるだけでなく、大きな事故につかながる可能性も…

ヘッドライトやテールライトに付着した泥汚れをそのままにして運転すると、ライトが照らされずに暗かったり周りに自車の存在を示されなかったりして危険です。また、ナンバープレートが雪まみれになっていたりすると識別ができないですよね。

そのような状態のクルマを運転していると、交通違反になる可能性があることをご存じでしょうか。

泥や雪などで汚れたままのクルマで運転しているとなぜ違反になるのか、探ってみましょう。

●灯火類の汚れは「安全運転義務違反」

たとえウィンカーを出していたとしても、ほかのクルマに伝わらなければ意味がない
たとえウィンカーを出していたとしても、ほかのクルマに伝わらなければ意味がない

ウインカーやライトなどの灯火類が汚れていると、他のクルマが自分のクルマを認識できなくなり危険です。そして、灯火類が汚れていると「安全運転義務違反」になる可能性があります。

「安全運転義務違反」は道路交通法第55条の2に次のように明記されています。

「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルそのほかの装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」

要約すると「外部から自分のクルマのウインカー、ナンバープレート、ブレーキランプ、テールランプや後部反射器を確認できるようにしなければならない」ということです。

「安全運転義務違反」の違反点数は2点で、普通車の反則金は9000円です。

●ナンバープレートの汚れは「番号標表示義務違反」

オフロード等、クルマが汚れる特殊な環境で運転した際は、外観の確認を忘れずに!
オフロード等、クルマが汚れる特殊な環境で運転した際は、外観の確認を忘れずに!

ナンバープレートが汚れていて、数字が読み取れない状態になっていると「番号標表示義務違反」に当たります。

ナンバープレート(自動車登録番号標)の表示義務について、道路運送車両法第19条には次のように書かれています。

「自動車は、第十一条第一項(同条第二項および第十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受けた自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことそのほか当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない」

要約すると「ナンバープレートは定められた場所に、自動車登録番号の識別に支障が生じないように表示しなければならない」ということです。この法令に加え、2016年4月1日以降、ナンバープレートをカバー等で被覆したり、シール等を貼り付けたり、汚れた状態にするなどが明確に禁止されました。

「番号標表示義務違反」の違反点数は2点です。そして「安全運転義務違反」との大きな違いは、50万円以下の罰金が科される点です。比較的軽い交通違反に対しては、反則金を納めることで、刑事罰が免除されます。一方、重い交通違反は刑事罰にあたり、罰金が科されるのです。

たとえば、SUVでオフロードコースに行って、ナンバープレートが見えないくらい泥だらけの状態で公道を走ってはいけないということ。また、スポーツカーなどの車高の低いクルマは、地面との物理的な距離が近いので、日頃から汚れには注意が必要です。

●汚れが原因の交通違反をしないための対策

やはり未然に事故を防ぐためには、定期点検が必要不可欠
やはり未然に事故を防ぐためには、定期点検が必要不可欠

クルマの汚れによる交通違反をしないためには、普段からクルマをきれいに保っておく必要があります。とはいえ、頻繁にクルマ全体を洗車しなければいけないわけではありません。運転する前に、灯火類やナンバープレートが汚れていないかのチェックをするだけです。

「日常点検整備」については、道路運送車両法第47条の2に明記されています。

「自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動そのほかの日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない」

自家用車の場合、日常点検には15項目あり、行う頻度に決まりはありませんが、普段からクルマに異常がないか確認する習慣を身に付けたいものです。

教習所に通っていた時、乗車する前に、クルマの周りをぐるっと一周回ってませんでしたか? 初心を思い出して、クルマに乗車する前の段階から、安全運転や交通ルール厳守を心がけなければいけませんね。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])

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