ノンアルビールでも飲酒運転になる?酒気帯びや飲酒になる可能性を調べてみた

■ノンアルコールビールで飲酒運転になる!?

ノンアルコールでも微量のアルコール成分が含まれていることも…(画像はイメージです)
ノンアルコールでも微量のアルコール成分が含まれていることも…(画像はイメージです)

妊娠中や授乳期の人や、運転予定のある方もビールの代わりとして飲むことがあるノンアルコールビール。しかし、お酒に弱い人が飲んだら何か酔っぱらったような気になったりして……。

でも、実際にはアルコールは入っていないのだから、妊娠中や授乳期も飲んでもいいし、まさか飲酒運転で捕まらないですよね…? 今回はそんな疑問にお答えします。

酒税法第一章二条に『「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料をいう』とあるように、アルコール度数が1%未満のノンアルコールビールは、酒類とはなりません。そのため、飲酒運転にならないし、妊娠中や授乳期でも飲めると思っている人が多くいます。

しかし実際のところ、ノンアルコールビールと一口にいっても、様々な種類があるようです。ノンアルコールビールは、多くのメーカーが販売していますが、アルコールが完全に0%の商品もあれば、0.1%から0.9%の微量のアルコールが含まれているものまであります。

そのため、酒税法では酒類にあたらないとしても、アルコールが0%と明示されていない場合、微量のアルコール成分を含んでいることもあるということです。以下は、アルコールが含まれていない(0%)ノンアルコールビールの例です。

アサヒ「ドライゼロ」アルコール0.00%
アサヒ「ドライゼロフリー」アルコール0.00%
サントリー「オールフリー」アルコール0.00%
サントリー「からだを想うオールフリー」アルコール0.00%
キリン「カラダFREE」アルコール0.00%
キリン「パーフェクトフリー」アルコール0.00%

●飲酒運転になる可能性はゼロではない

酒気帯び運転に対する罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒気帯び運転に対する罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金

仮に、0.9%のアルコール成分を含むノンアルコールビールを短時間で大量に飲んだ場合、飲酒運転(酒気帯び運転)になる可能性もゼロではありません。酒気帯び運転とは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg/L以上の状態のことで、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

また、行政処分は検出されたアルコール度数によって異なり、呼気中のアルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満の場合は免停90日、それ以上の場合は違反点数25点、免許の取り消し、前歴や他の累積点数がない場合でも、免許取り消し後に再度免許を取得するまでの期間として2年が必要になります。

お酒に弱い人は、少量のアルコール成分でも、気が大きくなってスピード違反をしたり、運転中の判断が鈍ったりすることが考えられます。また、まっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど、客観的に見て酔っている状態で運転すると、酒気帯び運転よりも罰則の重い酒酔い運転に該当します。

酒酔い運転に該当してしまうと、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられ、違反点数35点、免許の取り消し、前歴やほかの累積点数がない場合でも、免許取り消し後に再度免許を取得するまでの期間として3年が必要になります。

そのため、ノンアルコールビールを飲む際は、アルコール成分が一切入っていない0%なのか確認しないといけません。

●罰せられるのは飲酒運転した本人だけではない

飲酒運転をした本人だけが捕まるかというと、そうではありません。運転手が飲酒していると知っていてそれをほう助した同乗者も同様に罰せられます。

運転手が酒気帯び運転をしていた場合、同乗者には、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられ、酒酔い運転の場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。また、運転手が飲酒をしていると知りながら運転手に車両を提供したものには、運転手と同じ罰則が与えられます。

●ノンアルコールビールの味は格段によくなっている

アルコール成分が含まれている食べ物には注意が必要
アルコール成分が含まれている食べ物には注意が必要

ノンアルコールビールは、かつてに比べて格段においしくなっているともいわれています。以前、アルコールビールを飲んであまりおいしくないと感じた人でも、ほかのメーカーのものなら満足できたということもあるようです。

添加物を含んでいないため、人工甘味料などの独特の風味が苦手な人にも人気の商品や、ドイツの老舗メーカーが販売する本格派の商品など、楽しめるノンアルコールビールは多くあります。

この記事は、あくまでも微量のアルコール成分を含んでいるノンアルコールビールを飲めば、飲酒運転になる可能性もゼロではないという話で、ノンアルコールビール自体を否定するわけではありません。

ノンアルコールビールのほかにも、喫煙や口臭ケア用品、栄養ドリンク、酒入りチョコレートなどでもアルコールチェッカーが反応することもあります。こういった例を含め、飲酒運転となる行為は絶対にNGです。また、ほかにも安全運転を阻害する要素もあることを知り、ルールを守った運転を心がけましょう。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])

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