■グランドスフィアの712psに肉薄するリフトバックスタイル
アウディは現在、フラッグシップセダン「A8」後継モデルを開発中と見られますが、次世代型はこれまでで最も強力なEVになるとともに、史上最も強力なアウディになることが英Autocar誌の調べでわかりました。
初代A8は、当時1988年から製造されていた「アウディV8」の後継モデルとして1994年に登場、現在まで同ブランドのフラッグシップセダンとして君臨し続けています。
現行型となる第4世代(D5系)は2018年にデビュー、2021年後半にフェイスリフトが執行されていますが、いよいよ次世代型へバトンタッチされます。
現在アウディ最強モデルと言えば、エレクトリックモデルではデュアルモーターを搭載し、最高出力637psを発揮する「RS e-tron」が存在しているほか、ICEモデルでは、4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最大トルクはEVセダンより20Nm大きな850Nmを発揮する「RS6 コンペティション」がラインアップされています。
しかし次なるA8後継モデルはこれらを凌駕するだろうと言われています。
ではA8後継モデルのパワーはどれくらいまで達するのか?調査を進めると、2021年9月に発表された「Grandsphere」(グランドスフィア)の最高出力712ps、最大トルク960Nmに匹敵する可能性があることがわかりました。またライバルをメルセデスAMG「EQS 53」や、最近発表されたばかりのBMW「i7 M70」に設定する可能性がありそうです。
市販型では、アウディとポルシェで共同開発された「PPE」(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック・アーキテクチャ)に乗ります。PPEはクロスオーバーSUV「Q6 e-tron」と、ポルシェ「マカン」次期型EVに最初に使用される予定のほか、フルサイズのA8の下にも配置され、現在開発中のEVセダン「A6 e-tron」にも採用されるでしょう。
またAutocar誌によると、バッテリーは120kWhの大容量パックをグランドスフィアから流用するといい、466マイル(750 キロメートル)の航続距離と、270kWで80パーセントまで25分未満で充電する能力を持ち、10分で航続距離186マイル(300km)以上のバッテリー充電がなされるといいます。
最後にそのエクステリアデザインですが、アウディデザインボスのMarc Lichte氏は、グランドスフィアに「非常に近い」と明言、従来の3ボックススタイルを避け、より実用的なリフトバック構成を備えた、スウーピーな形状を実現してくれそうです。
A8後継モデルの登場は、2024年内と予想されます。