ヤマハのサイド・バイ・サイド「YXZ1000R」に興味津々。日本での発売は?【バイクのコラム】

■3気筒エンジンを搭載した、ヤマハYXZ1000Rとは?

こうしたスタイルの趣味的モビリティは北米市場では「サイド・バイ・サイド」というカテゴリーで広まっている。
こうしたスタイルの趣味的モビリティは北米市場では「サイド・バイ・サイド」というカテゴリーで広まっている

2023年4月23日(西)、富士スピードウェイにおいてモーターファンフェスタ2023が開催されました。

サーキットが舞台ということで、東京オートサロンでしか見られないようなカスタムカーやスーパースポーツが、実際に走っている姿を見ることができるのが特徴的なイベントです。

他にも、D1マシンやレーシングマシンあり、クルマ好きなら気になる最新モデルの試乗コンテンツも用意されているといった具合。

まさにオールジャンルのクルマ好きが楽しめる一日となっていました。

そうして多彩なクルマが集まっていたモーターファンフェスタ2023でも、異彩を放っていたのが、この一台。

その正体は、ヤマハ発動機の「YXZ1000R」です。

●水冷3気筒エンジンとバイクの関係は?

エンジンは水冷3気筒。ボア×ストローク:80.0mm×66.2mm、排気量:998ccとなる。
エンジンは水冷3気筒。ボア×ストローク:80.0mm×66.2mm、排気量:998ccとなる

フロントガラスもなく、メカニズムもほぼむき出しといった風情は、四輪バイクといった雰囲気ですが、パワートレインはミッドシップにエンジンを縦置きにする後輪駆動という構成となっていました。

エキゾーストマニホールドからも3気筒であることは明らかです。

ヤマハ発動機の3気筒エンジンといえば、MT-09などの大型バイクで使われている、トルクフルなパワーソースを想像してしまうバイク好きも多いのではないでしょうか。

MT-09のエンジンはボア×ストローク:78.0mm×62.0mm、排気量:888ccの水冷DOHC3気筒となっている。
MT-09のエンジンはボア×ストローク:78.0mm×62.0mm、排気量:888ccの水冷DOHC3気筒となっている

車両の近くにいた説明員の方に伺ったところ、エンジンブロック自体はYXZ1000R専用ということでしたが、各部にバイクでの知見も使われ、一部は共通パーツもあるということです。

今回はデモランをしている姿を見ただけですので、この3気筒エンジンがどんなフィーリングなのかは想像するしかありませんが、大型二輪の感覚を四輪で味わうことができるならば、二輪免許を持っていないドライバーが大型二輪のテイストを感じることができる、貴重なモビリティとなるかもしれません。

ただし残念ながら、日本で正規販売する予定は未定ということです。

●日本でもサイド・バイ・サイドは盛り上がる予感

サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン。ボディサイズは長さ123.0 in 幅64.0 in 高さ68.9 in。
サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン。ボディサイズは長さ123.0 in 幅64.0 in 高さ68.9 in

ご存知の方もいるでしょうが、YXZ1000Rのようなモビリティは、北米市場では「サイド・バイ・サイド」といった名前でカテゴリー分けされているモビリティです。

オフロードを走るための乗り物ですが、悪路を移動するためというだけでなく、スポーツドライビングを楽しむ趣味性の強い乗り物、という方向に進化したのがYXZ1000Rといえるでしょう。

この手のカテゴリーは、いま日本で徐々に盛り上がりつつあります。

トランスミッションは5速でパドルシフトで変速する
トランスミッションは5速でパドルシフトで変速する

彼の地におけるトップブランド「ポラリス」は正規輸入が進んでいますし、カワサキもサイド・バイ・サイドの正規販売を始めています。

日本でナンバーをつけて公道を走ろうとすると、大型特殊自動車の枠となるので、基本的にはクローズドコースで楽しむということになるでしょうが、パドルシフトでマニュアル操作をするというYXZ1000Rをオフロードコースでかっ飛ばせば、爽快な気分が味わえること請け合い。

二輪でオフロードを攻めるには、それなりのスキルも必要となるわけですが、このようなサイド・バイ・サイドであれば四輪のドライブ感覚で楽しめそうです。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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