23メディアで競ったルノー「ルーテシア」による東京~松山800km大エコラン大会、燃費32.79km/Lでクリッカーチーム、あらまの優勝でした~!

■ルノー「ルーテシア」で最強エコランに挑戦した我がクリッカーチームが、まさかの優勝!

●ルーテシアでエコランする方法とは?

ルーテシア燃費チャレンジは、燃費と到着タイムで競われた
ルーテシア燃費チャレンジは、燃費と到着タイムで競われた

東京~松山の大エコラン大会、走った感触で、優勝ラインは100km走るのに使う燃料は2.9Lだと思った。私ら、3.0Lなので厳しい。しかも同じ3.0Lなら早く到着した方が上位というレギュレーションである。通常ルートより70kmも長い方を選んだため、ここで1時間余分に掛かった。同じ3.0Lのチームがあれば時間で負けるだろう。かといって、3.0Lはなかなかハードル高い。そんなことから3位を予想していたのだった。

燃費チャレンジに供したルノー・ルーテシアE-TECHハイブリッド
燃費チャレンジに供したルノー・ルーテシアE-TECHハイブリッド

以下、詳しく。

●100kmあたりの燃料消費量を考えながら走る

国沢さんへ3.2L/100km(31.25km/L)でバトンタッチ
国沢さんへ3.2L/100km(31.25km/L)でバトンタッチ

私がルーテシアの運転を引き継いだのは、鈴鹿PA。すでに360km走行しており、数字は3.2Lだった。100kmを3.2Lで走れるという欧米式の燃費表示方法のため、31.25km/Lということになる。なかなか頑張りましたね!

ちなみに、欧米がなぜ100kmあたりの数字を目安にするかといえば、「燃料は使うもの。100km走るのにどんだけ使うか」という目安。日本人は「1リッターの燃料をどれだけ有効に使えるか」という考え方をします。

閑話休題。果たしてルーテシアE-TECHの実力ってどんなものか? 3.2Lで限界かもしれない。ということを考えながら走り出す。

●トラックにくっついて燃費を稼ぐのはレースと同じ

程よい大きさ、速度のトラックを探して車間距離を保ちます
程よい大きさ、速度のトラックを探して車間距離を保ちます

テクニックは簡単。75~80km/hで走っている大型トラックを見つけ、そのトゥ(昔はスリップストリームなどと言った。最近はF1なんかで言われるトゥがカッコイイ?)に適度な場所に入って、アダプティブクルーズコントロールをセットすればいいだけ。難しいのは、大型トラックとの車間距離だったりする。

近いと乱流になっているため、空気抵抗はむしろ大きい。遠いと効果無くてダメ。適度な距離を見つけるのが難しい。競技ヨットの選手達は風を見る。それと同じで風を見ます。クルマの微妙なブレあれば近過ぎる。ホンの少し窓開けて音を聞く。

そんなこんなで120km走ったら、3.1Lになった! 3.2Lから120kmで3.1Lになったということは、クルマのポテンシャルとしちゃ2.9Lくらいだと推定。となれば、優勝しようとしたら2.9Lです!

あとは頑張るのみ! トゥを使わせて貰う大型トラックも高速道路から降りちゃったりするので、その度に探す。車速70km/h以下に落とせば自力で2.9Lも可能だろうけれど、他のクルマに迷惑掛けるし、そもそも危険! 無茶して燃費競争するのはエコランじゃなく、「コ」が濁るエゴランです。しかも、目的地までの到着時間は早い方が勝ち。只でさえ私ら最短ルートの淡路島経由じゃなく、70kmも遠い瀬戸大橋経由を選んだ。

岡山の先でついに3.0L/100kmに達しました
岡山の先でついに3.0L/100kmに達しました

そうこうしているうち、岡山の先で3.0Lになった! やっぱりポテンシャルは2.9Lだ。残る距離は200km! 3.0Lになったということは、3.1Lと3.0Lの中間くらい。3.05Lですね。日本式の表示だと32.79km/L。これを2.95L(日本式なら33.9km/L)にしないとダメ。難しいかもしれないが頑張るしかありません。

しかし! 最後まで2.9Lにならず。この時点で「負けました~」。かといって1人で神経張り詰めたエコラン860kmは無理。

WRCで国沢さんが走らせたルーテシア・ラリー5
WRCで国沢さんが走らせたルーテシア・ラリー5

基本的に前述の通り、アダプティブクルコンで走るのだけれど、前のトラックが居なくなって次のトラックを探すときや、トゥの調整をする時などは、レースの予選アタックのように全神経を集中させる。

ということを考えたら、860kmという距離のエコランは、3.0Lが精一杯なのかもしれません。いずれにしろ、WRCでルーテシアのラリー5を相棒としてる私からすれば、燃費も良い数字が出てよかった!

(国沢 光宏)