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■過去の違反や事故などで有効期間などが変わる
運転免許証の表面にある帯の色には、「グリーン」「ブルー」「ゴールド」の3種類があり、有効期間のだいたいの目安などを確認できることはご存じですよね。
でも、実は、免許証の区分は、これらの色だけでなく、過去の交通違反や怪我のある事故の有無などにより、さらに5つの区分に分かれているのです。
それら区分により、免許証の有効期間や更新時に受ける講習などに違いがあり、また、色によってはいくつかの特典もあります。
ここでは、そんな意外に知らない運転免許証の色について紹介します。
●免許証の5つの区分とは?
まず、運転免許証にある帯の色には、それぞれ以下のような意味があります。
【グリーン免許】
・免許の区分:新規取得者
・有効期間:3年
・免許を受けてからの継続した期間:初めて
・違反や事故の有無:─
【ブルー免許・その1】
・免許の区分:初回更新者
・有効期間:3年
・免許を受けてからの継続した期間:5年未満
・違反や事故の有無:違反運転者講習の区分に該当しない
【ブルー免許・その2】
・免許の区分:違反運転者
・有効期間:3年
・免許を受けてからの継続した期間:─
・違反や事故の有無:違反が複数回またはケガのある事故
【ブルー免許 その3】
・免許の区分:一般運転者
・有効期間:5年
・免許を受けてからの継続した期間:5年以上
・違反や事故の有無:点数が3点以下の軽微な違反が1回のみ
【ゴールド免許】
・免許の区分:優良運転者
・有効期間:5年
・免許を受けてからの継続した期間:5年以上
・違反や事故の有無:無事故・無違反
ちなみに、ここでいう免許証の「有効期間」とは、免許を取得した日から3回目もしくは5回目の誕生日を迎えるまでの年数を言います。有効期間が3年の場合は、免許を取得した日から3回目の誕生日、有効期間が5年の場合は5回目の誕生日を意味します。
ですが、実際の有効期間は誕生日の1ヵ月後までとなります。たとえば、有効期間が3年の免許を持つ人で、6月20日が誕生日の場合、免許を取得した日や前回の更新日から3回目の誕生日を迎える年の7月20日までが有効期間となります。
また、「免許を受けてからの継続した期間」とは、免許を取得した通算の経過年数ではないのでご注意を。たとえば、免許の有効期限が過ぎ、期限切れの手続きを行って免許を再取得した人は、再取得後の経過年数だけが対象となります。
さらに、免許証の帯の色と有効期限については、誕生日の40日前の日からさかのぼって5年間の交通違反や怪我のある事故などの全ての点数が反映されます。行政処分における、一定の条件を満たせば、その後の点数を累積しない場合とは異なりますので、この点も注意が必要です。
●ブルー免許でも違反や事故歴で有効期間が変わる
これら5つの区分のうち、グリーンの帯が付いた免許証は、初めて免許を取得した人が持つもので、3年間はこの免許証を使うことになります。
ブルーの帯がある免許証は、実は3つの区分に分かれていて、それぞれ有効期間や更新時に受ける講習の内容などが変わるのです。
「初回更新者」とは、グリーン免許の新規取得者が、次に更新する際に違反や事故が違反運転者講習の区分に該当しない場合に与えられる区分です。
ちなみに、違反運転者講習とは、免許証の有効期間満了日直前の誕生日の41日前から起算し、過去5年間に違反歴(3点以下の軽微な違反が1回のみを除く)、事故歴などがある人が受ける講習のことです。つまり、グリーン免許を取得して3年間を無事故・無違反か、3点以下の軽微な違反が1回のみの人が初回更新者となります。
「違反運転者」は、違反が複数回あるか、または怪我のある事故を起こしてしまった人が対象。ちなみに、グリーン免許の新規取得者でも、免許取得後の3年間で、前述した違反運転者講習の区分に入る場合は、違反運転者に区分されます。
「一般運転者」とは、継続して免許を受けている期間が5年以上、かつ3点以下の軽微な違反が1回のみの人が対象。初回更新者や違反運転者と同じブルー帯の免許証でも、有効期間は通常5年となります。
なお、上記の優良運転者・一般運転者の有効期間は70歳未満が対象。70歳では有効期間4年、71歳以上では有効期間3年となります。近年、操作ミスなどによる事故が社会問題となっている高齢者の場合は、例え無事故・無違反でも有効期間は短く設定されています。
●ゴールド免許はいろんな特典がある
一方、優良運転者を意味するゴールド免許は、継続して免許を受けている期間が5年以上、かつ違反や怪我のある事故を起こしていない人が対象となります。
ブルー免許の一般運転者と有効期間は同じですが、後述する免許更新時の講習について、時間が短く手数料も安く、運転免許試験場だけでなく警察署でも更新手続きができるなどのメリットがあります。
また、たとえば、ゴールド免許だと、自動車保険の保険料が割り引きされるなど、ほかにもさまざまな特典があります。
●更新時の講習も免許の区分で違う
こうした免許の区分では、免許の更新時に受ける講習についても、時間や内容、手数料が変わってきます。講習の違いは主に以下の通りです。
【優良運転者講習】(ゴールド免許)
・講習時間:30分
・講習手数料:3000円
【一般運転者講習】(ブルー免許)
・講習時間:1時間
・講習手数料:3300円
【違反運転者講習】(ブルー免許)
・講習時間:2時間
・講習手数料:3850円
【初回更新者講習】(ブルー免許)
・講習時間:2時間
・講習手数料:3850円
このように、違反や事故の前歴などにより、講習の時間や手数料も変わるのです。
また、前述の通り、優良運転者講習は運転免許試験場だけでなく、指定された警察署でも受講できるほか、たとえば、東京都に居住している場合は、運転免許センターでも受講が可能。一般運転者講習も、東京都の場合などは、運転免許試験場か運転免許センターで受講できます。
一方、違反運転者講習や初回更新者講習は、運転免許試験場のみとなるため、土・日など混雑する日に行くと、かなり時間が掛かるケースもあります。
(文:平塚 直樹 *写真はすべてイメージです)
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