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■手作り受注生産でレトロ風オープンスポーツに大変身
2018(平成30)年2月23日、光岡自動車から2シーターオープンカー「ヒミコ」2代目がデビューしました。
マツダの「ロードスター」をベースに、手作りの受注生産によってクラシカルかつファッショナブルなオープンカーに仕立てられました。
●光岡自動車は、日本で10番目に誕生した乗用車メーカー
光岡自動車の起源は、1968年富山県富山市に光岡進氏が個人創業した、板金や整備を行う光岡自動車工業まで遡ります。その後、事業展開によって規模を拡大し、1981年に長年の夢であった独自開発のクルマづくりに向けて、社内に開発部を設けます。
翌年の1982年に、初の自社オリジナルカーとなる1人乗りのマイクロカー「BUBUシャトル50」を発売。原付バイク用の排気量50ccエンジンを搭載し、ゼロハンカーと呼ばれて原付免許で乗れる手軽さから大ヒットしましたが、1985年に道路交通法の改正によって原付免許で運転できなくなり、一気に販売が低迷しました。
そこで光岡自動車は、マイクロカー製造から既存のクルマの内外装を改造して、ファッショナブルに変貌させる「レプリカ戦略」へと大きく方向転換します。
そして、1994年にシャシーとサスペンション、ボディパネルなど自社設計した「ZERO1」を市場に投入。このモデルが保安基準をクリアして運輸省の型式認定を取得し、光岡自動車は日本で10番目の乗用車メーカーとして認可されたのです。
●光岡自動車が手掛けた代表的なモデル
完全受注生産のユニークなクルマづくりによって、光岡自動車は世間に認知されるようになり、2000年以降さらに積極的にモデル展開を進めます。
1998年プリメーラベースの「リョーガ(凌駕)」、1999年セドリックベースの「我流」、2000年にキューブベースの「ユーガ(優雅)」、その後も2007年にスーパーカー「オロチ(大蛇)」、2008年ロードスターベースの「ヒミコ(卑弥呼)」、2010年i-MiEVベースの「ライク(雷駆)」、2014年カローラアクシオベースの「リュウギ(流儀)」、2018年ロードスターベースの「ロックスター」、2020年のSUV「バディ」など、個性的なモデルを続々と投入しています。
●2代目ヒミコは、ベースをロードスターNCからNDに変更
ヒミコは、マツダの「ロードスター」をベースにデザインを変更したクラシカルなオープンスポーツカーで、初代は2008年の12月にデビュー。2018年の今日、初めてのモデルチェンジとなる2代目が登場となりました。
初代ヒミコのベースは、ロードスターNCでしたが、2代目はNDに変更。デザインは大きく変わらず、超ロングノーズでクラシックテイストのグリル&ヘッドライトは継承。全長はロードスターよりも665mm長く、その分ホイールベースも600mm長いものとなっていますが、とにかく個性的なフォルムの標榜ですのでロードスターの面影は微塵もありません。
ただし、外観だけ変更したハリボテとはまるで違い、空力性能や前後重量配分を48:52とするなど、実用性についても光岡自動車ならではのチューニングがなされています。
マイクロカーやクラシックカーテイストのクルマづくりを中心に50年余りが経ち、街中でも時々光岡自動車のクルマを見かけるようになりました。小規模メーカーゆえにできる完全受注生産と手作りという特徴を生かして、今後も職人気質の個性的なクルマづくりに期待したいですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)