北米日産が2代目「アルマーダ」初公開。「パトロール」を米国で2代目「アルマーダ」として投入【今日は何の日?2月11日】

■日産の軍艦:新型「アルマーダ」が”シカゴモーターショー16”でデビュー

2016(平成28)年2月11日、北米日産はシカゴモーターショー16で新型(2代目)「アルマーダ」を初公開しました。アルマーダは、“日産自動車の軍艦”の異名を持ち、2代目は主に中東市場で販売中の「パトロール」を北米に投入したものです。

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2017年に登場した2代目アルマーダ


●北米向けに開発されたフルサイズSUVのアルマーダ

北米向けの高級フルサイズSUVの初代アルマーダは、2003年にデビューしました。大型ピックアップトラック『タイタン』の車台をベースに開発され、そのサイズ感と車名から「日産の軍艦」と呼ばれました。

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ピックアップトラックのタイタン(2015年)

ベースのタイタンは、2003年にデビューした北米向けのフルサイズピックアップで、パワートレインは5.6L V8 DOHCエンジンと5速ATの組み合わせ。

ピックアップの人気が高い北米で、ビッグスリーに太刀打ちできる巨大なフルサイズピックアップとして北米日産が投入し、2004年には“北米トラック・オブ・ザ・イヤー”を受賞するなど、人気モデルとなっていました。

●中東で人気のパトロールを北米向け2代目アルマーダに

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2003年にデビューした初代アルマーダ

シカゴモーターショーで初公開された2代目アルマーダは、主に中東市場で販売し人気を博していた大型SUV「パトロール」を、北米市場に投入したものです。

2代目アルマーダは、フロントグリルをアルマーダ専用デザインに変更し、パトロールの横基調のメッキグリルをブラックアウトする程度で、パトロールに対して大きな違いはありませんでした。

頑丈なラダーフレームに、パトロールと同じ最高出力406PS/最大トルク57.1kgmを発揮する 5.6L V8ガソリンエンジンと7速ATを搭載し、駆動方式は2WD(FR)と4WDを設定し、高い走破性とクラス最高3.8トンの牽引能力が大きな魅力でした。4WDは、通常は2WD駆動ですが、路面や走行状況に応じて4輪すべてにトルクを分配するオンデマンド型の電子制御4WDです。

また2021年1月には、ビッグマイナーチェンジを行い、さらにグレードアップしました。

●ベースとなったパトロールは国内では販売終了

パトロールの起源は、1951年に自衛隊の前身である警察予備隊が使う制式車両の入札のため、各自動車メーカーが試作した小型4輪駆動車に遡ります。制式車両に採用されたのは、中日本重工業(現在の三菱重工のルーツのひとつ)の「三菱ジープ」でした。

そのとき試作競争に参加した日産とトヨタの試作モデルを量産化したのが、「日産・パトロール」と「トヨタ・ランドクルーザー」です。

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2004年に登場した日産サファリ(パトロール)

その後パトロールは、1980年の3代目から「サファリ」という車名にして国内でデビューしましたが、RVブームの終焉とともに2007年に国内販売を終了。海外では、そのままパトロールの車名で販売され、本格4WDのオフロード車として特に中東で人気を博しています。

そして、前述のように2016年に北米で2代目アルマーダとしてデビューすることになったのです。


北米市場は、この数年ライトトラックに分類される大型SUVやピックアップトラックが大人気となっていました。

しかし、世界中でカーボンニュートラルと電動化が訴求される中、今後、燃費の悪い大型SUVがそのまま存続できるとは思えません。生き残るには、やはり電動化しかないように思います。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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