目次
■内燃機関車以上の高性能なホイールがBEVには必要となる
●重量級EV車には超高剛性ホイール「FORTEGA(フォルテガ)」
2023年1月13日(金)、千葉県の幕張メッセで東京オートサロン2023が開幕しました。
東ホール8には、2022年シーズンよりF1やNASCARに鍛造ホイールをワンメイク供給している、BBSジャパンのブースがあります。
BBSジャパンのブースには、フェラーリF8スパイダー、ポルシェタイカン、そして日産サクラの3モデルが新作のアルミホイールを装着しています。
今回、出展されたアルミホイールの中で最も注目なのが、ポルシェタイカンに装着されている「FORTEGA(フォルテガ)」です。
フォルテガは、BBSが独自に開発したアルミニウム合金で、イタリア語で強いを意味する「forte」と合金を意味する「lega」の造語です。
その名のとおり、高い剛性を特性としていて、「車両重量の重いEVにマッチするBBSらしいホイール」を実現する新素材を使用したホイールです。
新素材のフォルテガは、従来のアルミニウム合金に比べて、高剛性を保ちながら約10%の重量軽減を実現しています。まさに高重量化するEVに要求される高剛性と軽量化を両立する新素材なのです。
EVは、システム用のバッテリーや機能的付加物の追加によって、内燃機関車と比べると大型・高重量化が進んでいて、足回りへの負担が大きくなっています。
また、高重量化するEVの足回りを支えるホイールは、内燃機関車よりも高い剛性が求められます。その剛性を実現するために、ホイールの重量も増加する必要があるのです。
その一方で、ホイールを軽量化すると航続距離、走行距離を伸ばすことが可能なのです。BBSは実験で、1本当たり16kgのホイールを装着したBEVと、9kgのホイールを装着したBEVを比較すると、9kgのホイール装着車は約8%航続距離、走行距離を改善したという結果が出ました。
高い剛性と軽量化を両立させるために開発されたのが、フォルテガというアルミ合金です。このフォルテガは高剛性と軽量化というだけでなく、デザインの自由度が高く、美しさも提供できるというメリットがあるのです。
●F1パワーを注入! フェラーリF8スパイダー+F1コンセプトホイール
続いて、フェラーリF8スパイダーが装着しているホイールは「F1コンセプト」と呼ばれるマグネシウム製鍛造ホイールです。
このホイールは軽さ、機能を追求し、F1技術を受け継ぐ新マグネシウムホイールとなっています。
そして、日産サクラが装着しているのが、アルミニウム製鍛造ホイールのRPオフホワイトです。
RPはアルミ鍛造1ピースホイールです。鍛造ホイールならではの軽さと強靱さを兼ね備えたシャープなスタイリングの8本クロススポークです。
見た目にも軽快な印象を与えるとともに、ライトウェイトスポーツの足元を彩ります。
サクラに装着されたRPはファッション感覚でホイールカスタマイズを楽しめるように新カラーとなっており、ボディカラーとのコーディネイトが楽しめます。
パワートレインやシャシーの進化と同時に、ホイールも進化していることをBBSジャパンブースで感じてみてください。
(文・写真:萩原 文博)