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■フォルクスワーゲンID.4は何が凄くて何が魅力なのか? 他方角チェック、まずは高速ロングドライブ編
●風切り音さえもしない静かさに感心。「Proの77kwhはすげ~なぁ!」
いよいよ日本上陸したフォルクスワーゲンのBEV車、ID.4。そのトピックは、EV専用に開発されたプラットフォームと、リヤモーター/リヤ駆動というもの。
さて、試乗した国際モータージャーナリスト・清水和夫さんの評価はどう出たか!? 渋滞含めた高速道路から、サーキット、ワインディング、はたまたオフロードの上り坂での登坂能力など、他方角から徹底チェック! さっそく見ていきましょう。
まずはPart.1。清水和夫さん、高速道路でのロングドライブでは何が分かったんですか?
●ID.4のリヤモーター/リヤ駆動は、スポーツカー並みの走りに注目!
フォルクスワーゲン・ブランドとしての過去の大きな変化をリマインドしたいと思います。
空冷エンジン+RR(リヤエンジン・リヤドライブ)だったワーゲンビートルが、1974年に水冷エンジン+FFフロントエンジン横置きのファミリーカー、ゴルフとして登場しました。その時の変化がもの凄くインパクトがあったわけです。ただし、今回のクルマはもっと大きな変革をもたらすイノベーションではないかと思っています。
どうしても電気自動車というと、“バッテリーで走る”、“モーターで走る”、“何kmの航続距離ですか?”というところに気が行くんですけど、私が注目しているのは、実はこのID.4はリヤモーター+リヤ駆動というRR方式と、バッテリーを床下の低い位置に置いていること。ですから、クルマを見るとクロスオーバーSUV的なパッケージですが、もの凄くスポーツカー並みの低重心。いわゆる“走り”のところに、私は注目しています。
その私が注目しているところを、いろんなシーンでテストしてみたいと思います。
●ID.4プロで高速道路ロングテスト。77kWhのバッテリーはどうだ?
今乗っているクルマはプロ(ID.4 Pro Launch Edition)というモデルで、バッテリー容量が77kWhという大きいバッテリーを搭載しています。航続距離が550km以上(561km)ということで、上手く走れば十分ロングドライブが可能。
もうひとつ、ライト(ID.4 Lite Launch Edition)というモデルがありますけど、コチラのバッテリーは52kWhなので、航続距離もちょっと落ちますけど(388km)、もちろんその分価格も安くなるというメリットがありますね(Pro=636万5000円/Lite=499万9000円)。
その人の使い方、ライフスタイルに応じて、ライトかプロか、ふたつのモデルをID.4の中から選べばいいと思います。
当然EVなので静かなのは当たり前で、モーターなので凄くアクセルを踏んだ瞬間のトルクも出ますね。
ここにドライブモードを通常のDとB、まぁBのほうが回生ブレーキが多い。だから、アクセルを戻したときのエンジンブレーキというか、モーターのエンジンブレーキみたいなものは、Bにすると強くなります。減速度で言うと0.2G近いのかな。回生ブレーキでより多くのエネルギーをバッテリーに戻すことができます。
ただ、ちょっとでもアクセルを戻すと減速感が感じられるので、それがイヤな方はDモードで走ったほうがいいと思います。Dだとコースティングしている感じがありますからね。
●風切り音やロードノイズさえもしない静かさ
ふたつめに驚いたのは、風切り音もないし、タイヤのロードノイズがないですね。これはおそらく、ブリヂストンのEV専用に開発されたタイヤですけども、タイヤそのもののロードノイズが静かです。
今、東名高速を東京から渋滞を抜けて走ってきました。東京出て1時間半くらいですが、なんとですね、平均電費が1kWhあたり約6.8km。まだ92%残っていますから、残りの航続距離が430km、凄いな! 約70kmくらい走ってきて、まだ430km走れる。本当にカタログに書かれている航続距離通り近くを走ることができます。
●ACCとトラベルアシスト搭載で運転も楽チン♪
運転支援システムに関していえば、まぁ従来からあるアダプティブクルーズコントロール(ACC)と、トラベルアシスト(同一車線内全車速運転支援システム)という2つがありますね。
ACCは、前のクルマとの距離を見ながら加速を一定にして距離を保つクルーズコントロールシステム。トラベルアシストは、同一車線内において白線をカメラで見ながら車線の真ん中を維持するようなステアリングアシスト機能。
電動パワステが私の手のひらの中でククッと動いていますね。今、緩いカーブを80km/hくらいで旋回していますけど、トラベルアシストのお陰でこの同一車線内においてハンドルが自動でアシストします。
しかし、自動ハンドルではなくて、あくまでもアシスト。だから、ドライバーはハンドルから手を離してはいけません。
でもね、これがあるとちょっと車線をはみ出しそうになってもググっと教えてくれますから、凄く楽ですね。
高速道路でのロングドライブ編では、電費の良さとEV以上?の静かさに清水和夫さんもビックリな様子。
次回はフォルクスワーゲンID.4で【サーキット、ワインディング、そしてオフロードでの登坂性能を試してみた編】です。少々お待ちを~。
(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)
【SPECIFICATIONS】
●Volkswagen ID.4 Pro Launch Edition
全長×全幅×全高:4585×1850×1640mm
ホイールベース:2770mm
車両重量:2140kg
最小回転半径:5.4m
乗車定員:5名
モーター最大出力:150kW(204ps)/4621-8000rpm
モーター最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0-4621rpm
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン電池
総電圧:352V
総電力量:77.0kWh
交流電力量消費率:153Wh/km
一充電走行距離:561km
駆動方式:後輪駆動
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ(前/後): 235/50R20/255/45R20
車両本体価格(税込):6,365,000円
●Volkswagen ID.4 Lite Launch Edition
全長×全幅×全高:4585×1850×1640mm
ホイールベース:2770mm
車両重量:1950kg
最小回転半径:5.4m
乗車定員:5名
モーター最大出力:125kW(170ps)/3851-15311rpm
モーター最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0-3851rpm
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン電池
総電圧:352V
総電力量:52.0kWh
交流電力量消費率:144Wh/km
一充電走行距離:388km
駆動方式:後輪駆動
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ(前/後共): 235/60R18
車両本体価格(税込):4,999,000円
【関連リンク】
StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX
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