マツダ「アテンザ」3代目がデビュー。“サスティナブルZoom-Zoom宣言”を具現化したフラッグシップモデル【今日は何の日?11月20日】

■“SKYACTIV”技術と“鼓動”デザインを採用した新世代モデル

2012年にデビューした3代目アテンザ(セダン)
2012年にデビューした3代目アテンザ(セダン)

2012(平成24)年11月20日、マツダはミドルクラスセダンの3代目「アテンザ」の発売を始めました。

3代目は、新世代の“SKYACTIV”技術と新しいデザインテーマ“魂動”を採用することによって、走りと環境、安全性能を高次元で調和させました。

●ブランドメッセージ“Zoom-Zoom”の第1弾モデルとして大ヒット

初代アテンザは、走る歓びを追求するマツダの新しいブランドメッセージ“Zoom-Zoom”を体現する第1弾のモデルとして、2002年にデビューしました。

新しいミドルクラスのグローバルセダンとして開発されたアテンザはカペラの後継でしたが、プラットフォームからエンジンまですべてを一新。精悍でスポーティなフォルムに、4ドアセダン/5ドアハッチバック/スポーツワゴンの3種のボディバリエーションが設定されました。

2002年に誕生した初代アテンザ(セダン)
2002年に誕生した初代アテンザ(セダン)

パワートレインは、2.0L&2.3Lの新開発アルミ製直4 DOHC エンジンと4速/5速ATおよび5速MTの組み合わせ。フロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクのサスペンションを組み合わせ、優れた操縦安定性と快適な乗り心地が実現されました。

発売1ヶ月で7500台を受注して好調なスタートを切り、海外でも「MAZDA6」として高い評価を受けました。マイナーチェンジをしながら、2006年には生産台数100万台を達成。これは、当時のマツダの100万台達成の最短記録でした。

●走りと環境、安全性能を高次元で調和させた3代目

マツダは、2007年に技術開発の長期ビジョンである“サスティナブルZoom-Zoom宣言”を策定。3代目アテンザは、この宣言に基づいて企画され、初代同様セダンとワゴンが用意されました。

2012年にデビューした3代目アテンザ(ワゴン)
2012年にデビューした3代目アテンザ(ワゴン)

新世代技術“SKYACTIV”と新デザインテーマ“魂動”を採用し、力強い走りと上質な乗り心地に加えて、優れた環境性能を実現。スタイリングについては、存在感あるダイナミックなフォルムに、特に“ソウルレッドプレミアムメタリック”と呼ばれた美しい赤のボディカラーが美しさを際立たせました。

エンジンは、クリーンディーゼル2.2L直4 DOHCターボ「SKYACTIV-D 2.2」と直噴ガソリン2.0L&2.5L直4 DOHCエンジン「SKYACTIV-G 2.0&2.5」の3機種。トランスミッションには、スムーズな変速の6速AT「SKYACTIV-DRIVE」と、軽快なシフトフィールが楽しめる6速MT「SKYACTIV-MT」が設定されました。

●SKYACTIV-DとSKYACTIV-Gの特徴

低圧縮比(14.0)が特徴のSKYACTIV-D 2.2
低圧縮比(14.0)が特徴のSKYACTIV-D 2.2

・SKYACTIV-D(ディーゼル)

驚異的な低圧縮比14.0によって排ガスと燃費を低減。具体的には、2ステージターボによる低速から高速までの高いトルクと優れたレスポンス、低圧縮比やピエゾインジェクタ、さらにVVL(可変バルブリフト機構)を利用したNOx低減触媒が不要な燃焼制御技術などが、優れた性能に貢献。

高圧縮比(13.0)が特徴のSKYACTIV-G 2.0
高圧縮比(13.0)が特徴のSKYACTIV-G 2.0

・SKYACTIV-G(ガソリン)

画期的な高圧縮比13.0による燃費向上を達成。圧縮比を上げるとノッキングが発生しやすくなりますが、4-2-1排気システムやキャビティ付きピストン、マルチホールインジェクタ、新しい燃焼制御技術によって、ノッキングを抑えて高圧縮比を実現。


アテンザは2019年に、車名を海外と同じ「MAZDA6」へと変更しましたが、セダンもワゴンもすでにマイナーな市場となっていたこともあり、この時点での販売は低迷。

現在は注文受付を終了し、メーカーはディーラー在庫がなくなり次第、販売終了とする旨をアナウンスしていますが、このまま生産終了なのかは、不透明です。

今年2022年の7月にデビューした「CX-60」の“ラージ商品群“とのかかわりも取りざたされていますが、どちらにせよ、セダンやワゴンスタイルで登場することはないのではないかと思われます。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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