新型プリウス搭載の2Lハイブリッドは欧州カローラクロスに搭載されていた【週刊クルマのミライ】

■新型プリウスは3種類のパワートレインを設定

初代プリウスのデビューした1997年から25年となる節目の2022年に、5代目となる新型プリウスが発表されました。

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空気を味方につけるスタイルにより、燃費向上と操縦安定性の両面で性能アップを目指す

新型プリウスのスタイリングは従来のエコカー一辺倒のイメージを払拭するもので、アグレッシブな印象を受ける部分もあります。

とはいえ、よく見ていくとプリウスの伝統に則ったものです。モノフォルムシルエットは間違いなく2代目プリウスからのヘリテージを感じさせるものです。

一部には「テスラに似ている」という声もあるフロントマスクにしても、4代目の面影を残しているもので、プリウスとしての連続性を表現したものといえます。

なによりハイブリッドシステムは、初代から進化し続けてきたものです。従来モデルからキャリーオーバーの1.8Lハイブリッドをベーシックグレードに搭載しつつ、主要グレードのパワートレインは第5世代の2.0Lハイブリッドとなっています。

さらに2.0Lベースのプラグインハイブリッドを設定する、というのが新型プリウスのパワートレイン・ラインナップです。

●2.0Lハイブリッドは欧州カローラクロスに搭載

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トヨタの第5世代ハイブリッドを先行搭載しているのが欧州仕様のカローラクロスだ

パワートレインについては、現時点では燃費のような気になるスペックは未公表となっています。発売間近になれば公表されるでしょうが、現時点で明確になっているのは各パワートレインのシステム最高出力と0‐100km/h加速くらいです。

2.0Lプラグインハイブリッド:164kW(223PS)・0‐100km/h加速 6.7秒
2.0Lハイブリッド:144kW(193PS)・同7.5秒
1.8Lハイブリッド:103kW(140PS)・同9.3秒

このように詳細スペックが隠されているのは「この2.0Lハイブリッドは世界初公開だからだ」と思ってしまうかもしれません。しかし、それは違います。

トヨタの第5世代 2.0Lハイブリッドは、2022年10月に欧州でローンチされたカローラクロスに搭載されたのが最初だったのです。

●第5世代ハイブリッドのトピックスとは?

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新型プリウスの主力パワーユニットが2.0Lのシリーズパラレルハイブリッド。システム最高出力は144kWと発表された

欧州カローラクロスの第5世代ハイブリッドシステムの特徴は、新型プリウスにも共通しているはずです。新型プリウスの発表では明言されなかった新型ハイブリッドシステムの特徴は、どうなっているのでしょうか。

新型プリウスではパワーアップがアピールされていますが、欧州カローラクロスの発表時には、第5世代のハイブリッドシステムの特徴として「コンポーネントの軽量化とコンパクト化 」と喧伝しています。

さらに電動パワートレインの重要部品であるPCU(パワーコントロールユニット)も第5世代で進化しているといいます。長らくトヨタのハイブリッドシステムの核として使われてきた1.8Lハイブリッドにしても、PCUでの電気損失を14%も低減しているほどです。

そのPCUが置かれているのは駆動モーターユニットの上部となりますが、新しくなったトランスアクスルは新素材の採用により従来比で15%も軽量化されているといいます。さらにモーター用のオイルを低粘度タイプとすることで、フリクションを減らしているのも、内部摩擦の減少と全体的な効率アップに貢献する要素です。

●ハイブリッド用バッテリーの進化にも注目

5th Prius
プリウスの伝統「モノフォルムシルエット」を守りつつ、ワイド&ローのスポーティなスタイリングを両立した

バッテリーの進化も見逃せません。

欧州カローラクロスに搭載される新しいリチウムイオン電池は、小型と軽量の高出力タイプ。従来システムのバッテリーに対して重量は14%減少、逆に出力は14%増加しています。さらにバッテリーの冷却システムを改善することで、バッテリーの長寿命も実現しているといいます。

ちなみに、欧州カローラクロスが積む第5世代ハイブリッドの現地におけるシステム最高出力は、1.8Lハイブリッドが103kW、2.0Lハイブリッドは145kWと発表されています。日本仕様とは微妙に数字は違いますが、基本的には同じシステムと考えられるくらいの違いでしかありません。

欧州カローラクロスのハイブリッドシにおける進化ポイントは、新型プリウスにも適用されていると考えるのが妥当です。

なお、新世代のプラグインハイブリッドについては新型プリウスが初搭載ということです。このあたり元祖ハイブリッド専用車としての面目躍如といったところでしょうか。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也

山本晋也 近影
日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。