「メルセデスAMG」ブランドに生まれ変わった7代目SLは、2+2シートに変身

■ラグジュアリーかつ筋肉質なフォルム

7代目となるメルセデス・ベンツのロードスターであるSLが、2022年10月24日(月)に発売されました。新型は「メルセデスAMG」ブランドに移行しています。

メルセデスAMG SL
メルセデスAMGの新型SL

1954年、W198型の「300 SL」として発売されたSL。 そのルーツであるレーシングカー300 SL(W194)の誕生から70年を迎えるにあたり、新型SLは「メルセデスAMG」による完全自社開発モデルとして、AMGならではのスポーツテイストも加わったことになります。

プラットフォームはSL専用で、アルミニウム、スチール、マグネシウム、繊維複合材を組み合わせて軽量化、および高剛性化が図られています。

キャビンは「2+2」シートレイアウトで、後席は安全上の理由から、対応身長150cm以下、チャイルドシート装着時は対応身長135cm以下となっています。

エクステリアは、メルセデス最新のデザイン言語に基づき、AMGのスポーティ要素が採り入れられたデザインが特徴。フロントフードのパワードームなど、随所にSLの伝統を受け継ぐ要素が施されています。

メルセデスAMG SL
新型SLのフロントマスク

新型SLは、光と影の交錯によって全体に軽やかなムードが漂い、高級感も抱かせる仕立てになっています。同時に、AMGによるスポーツカーにふさわしい筋肉質なフォルムも目を惹きます。

リヤまわりは、省スペースの軽量Zフォールド式ソフトトップが配置され、高さを抑えた力強いデザインになっています。

メルセデスAMG SL
新型SLのリヤビュー

リトラクタブルリヤスポイラーは、トランクリッドにほぼ境目を感じさせることなく組み込まれています。丸味が強調されたリヤエンドは、ワイドトレッドもあって新型SLのワイド感を強調。

メルセデスAMG SL
新型SLのインテリア

インテリアは、初代「300 SLロードスター」以降の伝統を現代的に蘇らせたものだそう。センターコンソールに配置された電動角度調整機能付のメディアディスプレイなど、コクピットはドライバーオリエンテッドなデザインになっています。

左右対称のダッシュボードは彫刻的で力強い翼の形をしていて、上下2ゾーンに分けられています。さらに、新開発タービンノズル型エアアウトレットが4つ配されていて、パワフルなパワードームの形でダッシュボードに溶け込んでいます。

ダッシュボードのロア部は、センターコンソールから流れるように広がり、2つの部分が継ぎ目無くつながれています。

メルセデスAMG
「+2」のリヤシート

また、「2+2」シートレイアウトの採用により、フロントシートは、先代よりもスペース・機能ともに拡大されています。標準装備の「AMGスポーツシート」には、前衛的で彫刻的なデザインも与えられています。ヘッドレストはバックレストに組み込まれ、スポーティな見た目に寄与しています。

●F1由来のターボ技術を搭載した2.0L直列4気筒を積み、価格は1648万円

パワーユニットは、メルセデスAMG C 43 4MATICと同様にF1由来の電動ターボが採用されています。

直列4気筒エンジン(排気量は2.0L)として初めて「One man, One engine」の主義に則り、熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げる「M139」は、最高出力381PS(280kW)、最大トルク480Nmを発揮。

メルセデスAMG
新型SLのフロントシート

「M139」には、量産車として世界初の「エレクトリック・エグゾーストガス・ ターボチャージャー」が採用されています。同ターボはF1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームが長年採用し、実績を上げているシステムをベースとしています。

トランスミッションは、従来「AMG 63」にのみ搭載されていた9ATの「AMGスピードシフトMCT」が組み合わされています。トルコンの代わりに湿式多板クラッチが使われていて、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現するそう。

メルセデスAMG SL
新開発のタービンノズル形状のエアアウトレット

サスペンションは、可変ダンピングシステムを積むアルミニウム製ダンパー、軽量コイルスプリングが採用された新開発の「AMG RIDE CONTROLサスペンション」を標準化。フロントは、メルセデスAMGの量産車としては初めて、5本のリンクがホイールの内側にすべて収められたマルチリンク式となっています。

メルセデスAMG SL
ルーフ操作時のイメージ

また、「AMGダイナミックセレクト」と呼ぶドライビングモードも用意されています。滑りやすい路面向きの「Slippery」や「Comfort」「Sport」「Sport+」「Race」「Individual」の6モードがあり、これを切り替えることで、走りの特性を快適性重視からダイナミックな設定まで、広い範囲にわたって変化させることが可能です。

加えて「AMGダイナミックセレクトドライブモード」の機能として、「AMGダイナミクス」が搭載されています。統合型車両運動制御システムとして、全輪の制御やステアリング特性、横滑り防止装置のESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)の追加機能に対して、俊敏性を強化する介入を行うことで、ESPの車両安定化機能を拡張するシステムとなっています。

メルセデスAMG SL
最新のディスプレイ、インフォテインメントシステムを搭載

そのほか、音声対話式インフォテインメントシステムの「MBUX」、最先端の先進安全装備などが用意されるなど、最新世代のSLにふさわしい装備、機能が満載されています。

スポーティになったラグジュアリーロードスターは、メルセデス・ファンにとって注目の1台になるはずです。

●メルセデスAMG SL 43(BSG搭載モデル)概要

ボディサイズ:全長4700 全幅1915 全高1370mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1780kg
エンジン:直列4気筒DOHCガソリンターボ
ボア×ストローク:83.0×92.0mm
総排気量:1991cc
最高出力:280kW(381ps)/6750rpm
最大トルク:480Nm/3250-5000rpm
ブースト出力:10kW(14hp)
トランスミッション:9速MCT(AMG SPEEDSHIFT MCT)
駆動方式:RWD
タイヤサイズ(リム幅):前265/40R20 後295/35R20
車両本体価格:1648万円
※ステアリング位置:左/右

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘

塚田勝弘 近影
1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。クルマ、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。