工具メーカー・ウルトが「アジアクロスカントリーラリー2022」にハイラックスで参戦

■2022年11月21日(月)~26日(土)に開催されるAXCRに天然素材のボディカウルで参戦

「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135
「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135

東南アジアを舞台に、1996年に初開催し、以後毎年8月に開催されてきたFIA・FIM公認国際クロスカントリーラリー「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」ですが、2020年、2021年とコロナ禍の影響で開催はキャンセルされ、2022年大会は実に3年ぶりの開催となります。

「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135
「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135

このAXCRへは、三菱自動車工業が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が「三菱トライトン」で参戦することを発表していますが、今回ウルトジャパンからも参戦発表がありました。

ウルトはドイツに本拠を持つ工具&ケミカル・メーカー。ラリーの現場でも見かける各種ケミカル類も取り扱っています。

このウルトがサポートする「第27回アジアクロスカントリーラリー2022(AXCR 2022)」に参戦するのは、TRDが手掛けたTRDハイラックスMSB。車両名は「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135」となります。

新田正直選手/松井 勉選手
新田正直選手(写真左)はTOYOTA GAZOO ラリーチャレンジに2020年から参戦を続けているが、このAXCRへは松井 勉選手ともに初挑戦となる

ドライバーには新田正直選手、コ・ドライバーを松井勉選手が務めます。

新田選手は、LEXUS IS F CCS-Rニュルブルクリンクプロジェクトや、TEAM SUZUKI ECSTAR MotoGPのチームパートナーとしてカーボンコンポジット製品を供給していた、静岡の本拠を持つ「Tras(トラス)」の代表であり、コンポジットスペシャリスト。

松井選手はモーターサイクルジャーナリストとして活動しています。同時にBMW Motorrad本社公認オフロードインストラクターも務めており、BAJA1000やダカール・ラリーなど、海外ラリーの経験もあるスペシャリストです。

TRD Hilux MSB
トヨタ・ハイラックスをベースにTRDがラリーレイドにも耐えられる競技車両として仕上げているTRD Hilux MSB

今回参戦する車両は、ハイラックスをTRDがAXCR用に仕上げた一台です。過酷なラリーレイドにも対応できるよう補強を行い、さらにウインチなどの装備にも対応した仕上げを行っています。

今回の「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135」のボディ外板には、トラスが製作し持ち込んた天然繊維コンポジットボディパーツを装着しています。今回のラリーレイドでは、この持続可能な材料のテストも兼ねた参戦となり、アジアクロスカントリーラリー走破を目指すとしています。

TRDは車両製作だけではなく、技術サポートも行うということで、AXCRには、TRDからもスタッフが現地に入り、現地のTCD Asiaのスタッフとともにカスタマーサポートに従事することとなるようだ

3年ぶりのAXCRへは、まだ正式な発表はありませんが、他にも青木拓磨選手や塙郁夫選手も参戦するようです。

AXCRのスケジュールは例年の8月から移動しており、2022年11月21日(月)~26日(土)の6日間、タイ王国のブリラムからカンボジア王国への総走行距離約1700kmを走破することとなります。

(青山 義明)

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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