ヤマハのご長寿スクーターが125cc化、原付二種の新型「ジョグ125」登場

■ヤマハ原付二種スクーター最軽量でコスパも最高

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、新型の原付二種スクーター「ジョグ125(JOG125)」を、2022年11月28日から国内発売することを発表しました。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
ヤマハ・ジョグ125のレッド

ジョグといえば、ヤマハが1983年から発売している50ccや90ccのロングセラー・スクーターの名称。昔からのバイクファンにはおなじみのモデルです。

新型ジョグ125は、その伝統あるシリーズの血統を受け継ぐスポーティなデザインはそのままに、軽量コンパクトで低燃費、足着きのよさなどで実用性も抜群。

しかも、新車で買える国産の原付二種スクーター最安の価格を実現し、コストパフォーマンスにも優れた注目モデルです。

●1980年代から続く大ヒットモデル

ジョグ125は、前述の通り、ヤマハのロングセラー・スクーター、ジョグが元祖です。

ジョグの初代モデルは1983年に登場しました。当時としてはパワフルな4.5psを発揮する49cc・2ストロークエンジンを搭載。尖ったフロントカウルが前輪を覆うスポーティなスタイルなどが好評を博し、大ヒットを記録します。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
ヤマハ・ジョグ125のレッドの左サイドビュー

筆者も、初代モデルに乗ったことがありますが、強力な2ストロークエンジンは、軽い車体と相まって、かなり俊敏な走りを体感させてくれました。

初代ジョグは、そのアグレッシブなスタイルや軽快な走りにより、その後2000年代前半頃まで続く、スポーティな50ccスクーターのブームを作った立役者だったといえます。

その後、ジョグは、90cc・2ストロークエンジン搭載モデルなど、数々の派生モデルも発売され、ヤマハ製スクーターの基軸となります。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
50cc版のジョグ現行モデル

また、走りやスタイルだけでなく、シート下のメットインスペースやハンドルロックをリモコンで解除できる機能など、日常での使い勝手や実用性も兼ね備えたモデルとして進化します。

2007年には、排気ガス規制などの影響もあり、4ストロークエンジン搭載車に変更。

2018年に登場した現行の50ccモデルでは、ホンダの「タクト」をベースに、ヤマハのデザインを投入したOEMモデルとなって、今もラインアップされています。

●最高レベルの低燃費とスムーズな加速

そんなジョグの血統を受け継ぐジョグ125で注目なのは、まず124cc・空冷4ストロークエンジン。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
ヤマハ・ジョグ125のブルー

ヤマハ原付二種スクーター最高レベルの低燃費とスムーズな加速を両立した、ヤマハ独自の「ブルーコア(BLUE CORE)」エンジンをジョグ・シリーズに初採用しています。

高効率燃焼、ロス低減、高い冷却性の3点を照準に開発されたこのエンジンは、パワーと燃費の両立を図るため燃焼室をコンパクトに設計。

高効率燃焼のポイントとなる圧縮比を10.2:1とし、混合気のタンブル(縦渦)を効果的に生成させ、FIセッティングとの相乗効果で高出力と燃費性を兼ね備えます。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
ジョグ125に搭載されているSMG(スマート・モーター・ジェネレーター)

さらに、始動時はスターターモーターとして機能し、走行時はジェネレーターとして働く「SMG(スマート・モーター・ジェネレーター)」も採用。従来のスターターモーターと減速ギアが不要となり、軽量・コンパクト化と静かなエンジン始動を実現します。

それらの相乗効果により、ジョグ125は、最高出力8.3ps/7000rpm・最大トルク1.00kgf-m/5000rpmを発揮する一方、WMTCモード値で51.9km/Lという燃費性能も両立しています。

●軽くて扱いやすく、足つき性も抜群

車体には、軽さとボディ剛性をバランスさせた新設計のアンダーボーン型フレームを採用。クッションの硬さを調整して足つきの良さと乗り心地を両立したシートは、ヤマハ製125ccスクーターとしてはもっとも低いシート高735mmも実現。

95kgという、同じくヤマハ原付二種スクーター最軽量の車両重量と相まって、扱いやすさと高い安心感をもたらします。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
ヤマハ・ジョグ125のブラック

また、リヤブレーキ操作でフロントブレーキにもバランスよく効力を発生させる「UBS(Unified Brake System)」も装備。制動時の車体挙動に穏やかさをもたらすことで、制動時の高い安定性なども実現します。

さらに、スペース効率を配慮した設計により、広いフートスペースと、容量約21.3Lのシート下収納スペースも確保。

フロントには、600mlまでのペットボトルが入るトランクスペースや、折りたたみ式フロントフックも装備するなどで、高い実用性も誇ります。

このモデルは2人乗りが可能ですが、リヤシート左右に装備したグラブバーは、タンデムライダーが握りやすい形状にするなどで、乗員の快適性も追求。

ヤマハの新型スクーター原付二種のジョグ125登場
ヤマハ・ジョグ125のホワイト

通勤・通学、買い物などの日常の足から、ちょっとしたツーリングまで、幅広い用途での使い勝手のよさも抜群です。

そして、さらに注目なのは、25万5200円という価格(税込)。

スズキの原付二種スクーターが排出ガス規制の影響からかすべて生産終了となっていることもあり(2022年10月9日現在)、ヤマハ製だけでなく国内メーカーの新車で買える原付二種スクーターで最安値となっています。

スポーティで扱いやすく、実用的でコスパにも優れるジョグ125。これは、かなり気になるモデルですね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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