目次
■リトラクタブルヘッドライトに変身して高性能とハイテクを追求
1983(昭和58)年9月16日、日産自動車から2度目のフルモデルチェンジとなる3代目「フェアレディZ」(Z31型)が発表されました。排ガス規制とオイルショックから解放された1980年代、3代目は先代のコンセプトを引き継ぎつつ、高性能化とハイテクに磨きをかけました。
●日米で衝撃的なデビューを飾った初代フェアレディZ
初代フェアレディZ(S30型)は、「トヨタ2000GT」に対抗する低価格なスポーツカーとして、1969年10月にデビューしました。米国を中心とする海外市場がメインターゲットで、ロングノーズ&ショートデッキの美しいフォルムが、大きな注目を集めました。
2.0L直6 SOHC(L20型)およびハイグレードのDOHCエンジン(S20型)が用意され、ハイグレードは160PS/18.0kgmを発揮し、最高速は210km/hを誇りました。また、インテリアの評価も高く、コクピットには眼前に2つ、センターコンソールに3つのメーターを配置するという凝りようでした。
スポーツカーらしい流麗なスタイリングとパワフルな走り、リーズナブルな価格によって日米で大ヒット、歴史を飾るスポーツカーとなりました。
続く2代目(S130型)は、キープコンセプトで速さだけでなく快適性も重視したGTカーに変貌しました。
●高性能V6ターボエンジンを搭載して、国内では敵なしの走り
1983年にデビューした3代目(Z31型)は、排ガス規制やオイルショックを乗り切ったという時代背景もあり、高性能化とハイテク化を追求。“較べることの無意味さを教えてあげよう”という自信のキャッチコピーで登場しました。
初代から続くロングノーズでショートデッキの基本スタイルは踏襲しつつも、パラレルライジング式リトラクタブルヘッドライトやバンパーとエアダムスカートの一体化など、空力を意識したフォルムが採用されました。
エンジンは、当時日本最高の230PSを発揮する3.0L V6 OHCターボ(VG30ET型)と2.0L V6 OHCターボ(VG20ET型)の2種、ちなみにV6エンジンのターボ搭載は日本初でした。その走りは、国内では敵なし、ポルシェ911に迫るほどでした。
さらに3代目フェアレディZは、その人気を維持するため、1984年に先代で好評だったTバールーフモデルを追加。その後も、直6 DOHC 24Vセラミックターボモデル(RB20DET型)、3.0L V6 DOHC 24Vターボモデル(VG30DE型)などを追加して、さらなるパワーアップが図られました。
●最新のフェアレディZも伝統のV6エンジン
現行の7代目フェアレディZは、2021年に登場、初公開して大きな注目を浴びました。搭載された3.0L V6ツインターボ(VR30DDTT)エンジンは、最高出力405PS/6400rpm、最大トルク475Nm/1600-5200rpmを発揮。その優れたエンジン性能を叩き出すために、レーシングマシンで採用されているエンジンのミラーボアコーティングやタービン回転センサー付きツインターボ、可変容量オイルポンプなどの最新技術が採用されています。
最新フェアレディZも3代目から続く日産伝統のV6エンジンを継承し、高性能エンジンを高回転まで回して楽しむ究極のスポーツモデル。対照的に、ライバルの現行トヨタ「スープラ」は、伝統の直6エンジンを搭載、何かと比較されますね。
V6ターボという新しい武器を手に入れた3代目フェアレディZ、1980年代の高性能時代を象徴するピュアスポーツカーと言えますね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)