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■電動キックボードとは違う新モビリティ
地下鉄・青山一丁目 駅から出ると目の前にあるのが、本田技研工業の青山ビル。その一階には、ご存知のようにウエルカムプラザ青山があります。
デビューしたばかりの最新モデルやモータースポーツで活躍したマシンの展示などで知られているウエルカムプラザで、ミライのモビリティの一般向け試乗会が開催されていると聞いて、さっそく見てきました。
ウエルカムプラザ裏の駐車スペースに作られた、約120平方メートルの特設コースを走っていたのは、「Striemo(ストリーモ)」という3輪の超小型モビリティでした。
一見すると、流行りの電動キックボードのように思えますが、3輪で停止時の自立もできます。電動キックボードとは違う種類の超小型モビリティの提案です。
ストリーモの公式サイトによると、主なスペックは次のようになっています。
全長・全幅・全高:1090mm・480mm・1180mm
重量:約20kg
最高時速:25km/h
走行モード(3モード):1) 6km/h、2) 15km/h、3) 25km/h
1充電での走行距離:30km(郊外実測値。走行方法により異なります。)
フル充電にかかる時間:約3.5時間
先日、法改正によって生まれた新カテゴリー「特定小型原付」に分類したくなるスペックですが、まだ特定小型原付規格は施行されていませんので、ストリーモは現行法規における一種原動機付自転車扱いとなります。つまり、原付以上の運転免許、ヘルメット、ナンバー登録、自賠責保険が必要な乗り物です。
●すでに1000名以上からのオーダーが集まった
しかし、最高速度6km/hの歩行モードを用意していることからもわかるように、ストリーモはモード切り替えによって合法的に歩道を走ることができる特定小型原付のレギュレーションを意識したモビリティであることは明らかです。
実際、同社のCEOである森 庸太郎さんに伺うと、原付一種から特定小型原付へアップデートするキットの開発も考えているといいます。
また、今回の試乗会では歩行モードでコースを走行するというものでしたが、これこそがストリーモの優位性が実感できるシチュエーションといえます。電動キックボードなど2輪の超小型モビリティは低速になるほど安定感を失いがちですが、ストリーモは3輪かつ自立できるため、低速での安定感はハンパありません。
実際、試乗した一般ユーザーの感想を聞いても「ゆっくり走っていても安定している」という声が聞かれました。
ところで、なぜストリーモの試乗会をホンダのウエルカムプラザ青山で開催しているのかというと、開発会社であるストリーモ社はホンダの新事業創出のプログラムIGNITION(イグニッション)を通して起業した会社という縁があるからです。CEOの森さんは、もともとホンダで二輪を開発していたエンジニアで、自立する二輪なども携わっていたといいます。そうした経験を活かして生み出されたのが、このストリーモなのです。
いまのところ、販売はストリーモ公式サイトのみと限定されており、原付一種のジャパンローンチエディションの価格は26万円とけっして安くはありません。しかしながら、すでに1000名を大きく超えるオーダーが集まったそうです。
次世代の超小型モビリティとして日本政府は電動キックボードへ前のめりになっているのが否めませんが、二輪ゆえの不安定さを指摘する声も少なくありません。ホンダ発のベンチャー企業が開発する、安定感のある超小型モビリティへの期待は想像以上に高まっているといえそうです。
●ストリーモの試乗・展示スケジュール
なお、試乗会は土日開催となりますが、平日であっても、期間中に会場のウエルカムプラザ青山に行くと、展示されたストリーモを見ることができます。
展示場所の住所、試乗会のスケジュールは以下の通りです。ぜひとも、未来のモビリティを見て触れて体感してください。
会場:本田技研工業株式会社 Hondaウエルカムプラザ青山
住所:〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1 Honda青山ビル1階
特別展示期間:2022年9月19日まで
開館時間:10:00~18:00
入場料:無料
今後の試乗会予定日時
9月11日(日)10:00~12:00、13:00~17:00
9月17日(土)10:00~12:00、13:00~17:00
9月18日(日)10:00~12:00、13:00~17:00
参加方法
試乗会開催日の各日10:00より館内で整理券配布
整理券配布時間 10:00~16:45 (Hondaウェルカムプラザ青山 受付)
※定員になり次第、整理券配布は終了となります。
参加料:無料
なお、今回の展示車・試乗車はプロトタイプになります。量産では、メーター周りなどをもっとスマートにブラッシュアップされる予定ということです。そちらの進化にも期待です。