テスラ「モデルS」日本で納車開始。先進のEV技術と運転支援技術を搭載した注目のモデル【今日は何の日?9月8日】

■モデルSが3年遅れで待望の納車

2014(平成26)年9月8日、米国テスラ社の電気自動車「モデルS」の日本での納車が始まりました。モデルSは大容量のリチウムイオン電池を搭載、さらに先進の運転支援技術を搭載した最先端モデルです。予約は2011年に始まりましたが、3年待ちでの納車になりました。

2014年に日本で納車が始まったモデルS
2014年に日本で納車が始まったモデルS

●大容量のリチウムイオン電池を搭載したEV

モデルSの予約が始まったのは2011年5月のこと、米国では2012年から発売が始まりましたが、日本では実に3年以上の時を経ての納車となりました。遅れた理由は、右ハンドル化や日本語表示など日本仕様への変更や、専用充電器“スーパーチャージャー”のインフラ整備に時間を要したためでした。

大きな液晶パネルを装備したモデルSのインテリア
大きな液晶パネルを装備したモデルSのインテリア

スタイリングは、青色LEDランプを多用したスポーティなスタイルの5ドアハッチバック。インテリアも、様々な情報が入手できる大型液晶パネルを装備して、近未来的な雰囲気を演出。床下に大容量のリチウムイオン電池を搭載して、85kWhの電池搭載モデルの航続距離は502km、60kWhの電池搭載モデルでも航続距離は390kmと、当時の他社EVを圧倒するパワーと航続距離を実現していました。駆動方式は、当初はモーターを後輪軸に配置したRRでしたが、前輪側にもモーターを配置した4WD仕様も追加されました。

●先進的な運転支援技術も搭載

モデルSは、各種のセンサーを装着した“オートパイロット”と呼ばれる高度な運転支援システムが搭載されていることでも、大きな注目を集めました。

ハッチバックスタイルのモデルS (テスラはセダンと呼んでいる)
ハッチバックスタイルのモデルS (テスラはセダンと呼んでいる)

自動運転レベルは、レベル2(アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が部分的に自動化された運転支援技術)に相当し、前方レーダーと周囲約5mを感知する12個の超音波センサー、前方監視カメラ、電動アシストブレーキで構成され、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やレーンキープアシスト、車線変更などが可能でした。

●オートパイロットに関わる事故が多発

大きな話題となったテスラのデビューでしたが、発売当初から火災事故が多発しました。最も悲惨な事故は、2016年に米国フロリダ州で起こった死亡事故でした。オートパイロットで運転中だったモデルSが、左折したトレーラー横に突っ込んで大破。日差しが強かったため、ドライバーも自動運転機能も白い色のトレーラーを認識できずに自動ブレーキが効かずに衝突したとの見解から、米運輸安全委員会はオートパイロットの不備を原因の一因としました。

これを受けテスラは、前方監視のセンサーをカメラからレーダー主体にする、ドライバーがハンドルから手を放し警告も無視するような状況が続けば、オートパイロットを強制的に解除する、などの改良を行いました。

しかし、2016年以降もオートパイロット起動中の衝突事故は30件を超え、10人が死亡しています。現在も、オートパイロットには欠陥があると提訴されています。日本車でも、当初はレベル2の運転支援搭載車で誤った認識や誤った使用による事故が発生することがありましたが、現在は注意喚起が徹底して事故は減っています。


オートパイロットのようなレベル2では、ドライバーが運転中に状況を認識せずに完全に気をそらすことは想定されていません。ステアリングを保持し、視線を逸らすことなく、いざとなれば運転を操作するという認識を持っていないと、事故を起こす可能性が高まってしまいますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン

Mr. ソラン 近影
某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。