新型ホンダ「シビック・タイプR」2022年9月2日発売。価格は500万円切りの499万7300円

■先代から10PS/20Nmアップとなる最高出力330PS、最大トルク420Nmに到達

2022年9月1日(木)、ホンダは新型シビック・タイプRを翌2日(金)に発売すると発表しました。

新型シビック・タイプRは、史上最高のタイプRを目指し、究極のピュアスポーツ性能が徹底的に追求されています。すでにディーラーで仮の見積もりを取っている方もいるでしょうが、気になる価格は、500万円を切る499万7300円(税込み)。納期(工場出荷目処)は、半年以上(2022年9月1日時点)とホームページに掲載されています。

ホンダ・シビック・タイプR
新型シビック・タイプRの走行シーン

「K20C」型の直列4気筒DOHCターボの最高出力は、243kW(330PS)/6500rpmで、最大トルクは420Nm/2600-4000rpm。先代のタイプRは、235kW(320PS)/6500rpm、400Nm/2500-4500rpmでしたので、最高出力は10PS、最大トルクは20Nm引き上げられています。

ホンダ・シビック・タイプR
10PS/20Nm向上した2.0Lターボエンジン

単に速いだけでなく、足裏に吸いつくようなアクセルワークを追求するべく、エンジンECUの駆動力制御マップなどの緻密な設定により、アクセルペダル開度に対しエンジンレスポンスを向上。トルクも早期に立ち上がるようにすることで、アクセル操作に対する駆動力のレスポンスを全域で高めたとしています。

さらに、タイプRならではの迫力あるエンジンサウンドもオーナーを魅了しそうです。

エンジン回転上昇時の中周波音を増強し、迫力ある排気原音に進化。加えて、排気の主流が通過するサイレンサーの中央配管に、アクティブ・エキゾーストバルブ機構が新たに採用されています。エンジン回転数に応じて最適なバルブ開度とすることにより車外騒音法規を満たしながら、エンジン出力向上、迫力ある排気サウンドの両立を果たしています。

また、「アクティブサウンドコントロールシステム(ASC)」の搭載により、駆動力レスポンスに呼応する気持ちの良いエンジンサウンドを奏でるそうです。

ホンダ・シビック・タイプR
6速MTの大幅な進化も注目ポイント

究極の完成度を目指した6MTの操作フィールにも期待大です。新設計のシフトレバー構造になり、レバーの高剛性化と横方向のレバーのガタつき要素を排除することで、ダイレクト感と節度感を向上させたとしています。

また、トランスミッション内部のシフトリンク機構の最適化、シフトゲートのストレート部分を延長することで、5速から4速といった斜めシフト時のスムーズ感もアップしたそう。すっきりとした操作感がさらに磨き上げられています。

ホンダ・シビック・タイプR
新型シビック・タイプRのインパネ

また、シフトフィールの進化にあわせてクラッチのフライホイールが軽量化され、応答性向上を果たしたそうです。減速操作に合わせてエンジン回転数を自動調整するレブマッチシステムは、エンジン回転数差が最も大きい2速から1速へのシフトダウン時にも適応されます。

ホンダ・シビック・タイプR
前席ヘッドレストの前と裏側にも「TYPE R」のロゴが配されている

サスペンションでは、4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御がトピックス。車体のモーションとタイヤ4輪の接地性を連携してコントロールされるロール・ピッチ制御に、バネ下加速度を加えた制御を盛り込むことで、荒れた路面でもクルマとの一体感とダイレクト感のあるハンドリングが得られるそうです。

●速さを追求した結果生まれたエクステリアとディテールへのこだわり

史上最高のタイプRを目指し、速さを追求するための装備や機能美も新型の魅力です。冷却性能向上のため、フロントグリル開口面積が大きくなり、ラジエターの有効開口面積は48%も拡大。さらに、グリル開口部から取り込んだフレッシュエアを、コアサイズとファン能力を向上させたラジエターに効率良く通し、ボンネットに設けられたフードベントから排出するエアフローレイアウトにすることで、排熱と空力性能の向上が図られています。

ホンダ・シビック・タイプR
新型シビック・タイプRの走行イメージ

また、限界走行時における安定性を実現するため、前後セクションともに効果的にダウンフォースを向上させるとともに、ボディの細部形状まで徹底的にこだわることで、優れた空力性能を実現。

エクステリアで最も目を惹くリヤスポイラーは、スリムなアルミダイキャスト製のステーにすることで、空気抵抗を低減するとともに、リヤスポイラー下面に負圧が発生する面積を拡大させ、ダウンフォースの向上に寄与しています。

ホンダ・シビック・タイプR
新型タイプRのリヤビュー

さらに、足まわりには、旋回性能を向上させるべく、ミシュランと専用チューニングタイヤが共同開発されています。タイヤ幅を265mmまでワイドにして、ミシュランの独自技術による特性の異なるトレッドコンパウンドを組み合わせることで、ウエット性能や耐摩耗性能を維持したまま、優れたドライグリップ性能が得られるそう。

タイプRの真価を味わえる、サーキットでも安定したブレーキフィールを実現するため、2ピースディスクブレーキシステムを先代から継承。マスターパワーの特性が変更され、低速から高速までのさらなるコントロール性の向上が追求されています。

ホンダ・シビック・タイプR
Brembo社製フロント大径ベンチレーテッド2ピースディスクブレーキ

また、ブレーキへの導風効率を高めたことで、サーキットでの連続走行時におけるブレーキ温度の上昇を低減し、安定したブレーキ効力と耐フェード性を実現したとしています。

そのほか、TYPE R専用データロガーであるHonda LogRを車載ナビにアプリとして搭載。スマホにインストールしたHonda LogRアプリでも、走行データの確認が可能です。

ホンダ・シビック・タイプR
TYPE R専用データロガーアプリ Honda LogRの画面

リアルスポーツであっても先進安全装備に抜かりはありません。衝突軽減ブレーキ(CMBS)、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線維持支援システム(LKAS)、近距離衝突軽減ブレーキ、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、オートハイビーム、ブラインドスポットインフォメーション、パーキングセンサーシステム、後退出庫サポートからなる「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が標準装備されています。

ホンダ・シビック・タイプR
スマホ・アプリでもデータロガーの確認が可能

なお、設定されるボディカラーは、「チャンピオンシップホワイト」、「ソニックグレー・パール(3万8500円高)」、「クリスタルブラック・パール」、「フレームレッド」、「レーシングブルー・パール」の5色です。

●価格:499万7300円

(塚田 勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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