トヨタが16年ぶりに復活させる新型クラウン「エステート」の魅力とは?

■クラウン「エステート」には歴史あり

新型トヨタクラウン「エステート」のエクステリア(筆者予想含む)

トヨタ自動車が2022年7月15日に一挙公開した新型「クラウン」シリーズ。

米国でも同時公開されたファストバックモデルの「クロスオーバー」をはじめ、日本国内ではSUVの「スポーツ」や4ドア「セダン」、さらにワゴンの「エステート」に至るまで全4モデルを披露しています。

ちなみに、クラウンには初代から歴代ステーションワゴンボディが存在していましたが、クラウンエステートとして初代が登場したのは今から23年前の1999年のこと。それまでクラウンに存在したステーションワゴンとは一線を引く形で登場し、2007年まで販売が継続されました。

11代目トヨタクラウンセダン

ボディをモノコック構造に刷新するなど、走りの基本ポテンシャルを飛躍的に高めた11代目クラウンセダンをベースにワゴン化したもので、広い室内空間を有するエステートは機能面でも完成度の高いモデルでした。

リヤドアから後部が専用設計で、車両サイズは全長4.835mm、全幅1.765mm、全高1.510mm、ホイールベースはセダンと共通の2,780mm。インテリアはセダンに準じており、後部席は6:4の分割可倒式。

初代クラウンエステートのエクステリア

ラインナップはセダン系と同様にロイヤルとアスリートの2シリーズ構成でしたが、エステートの場合スポーティ指向のアスリートが主流になっていました。

パワートレーンは2.5Lエンジン(NA/ターボ)と3.0LのNAエンジンが設定され、駆動方式は2WDと4WDを用意。トランスミッションは電子制御タイプのAT(ECT)仕様。

初代クラウンエステートのリヤビュー

サスペンションは前後共にダブルウィッシュボーン式を採用。アスリート系はスポーツサス仕様となっており、乗り心地やハンドリングについてはセダンに準じていました。

そんなクラウンエステートは2007年以降途絶えており、今回の新型エステートが予定通り2023年に発売されれば、16年ぶりの復活となります。

●新型エステートは先進的なエクステリアを採用

新型トヨタクラウン「エステート」のフロントマスク(筆者予想含む)

トヨタは新型エステートについて“大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なラージSUV”と説明。そのエクステリアはクロスオーバーやスポーツ、セダンと同様に先進的なものになっています。

押し出し感のあるラジエターグリルの上部に細幅・横長タイプのデイライトを備えており、グリル両サイドのべゼル内にはプロジェクター式ヘッドランプが組み込まれています。

新型トヨタクラウン「エステート」のサイドビュー(筆者予想含む)

またサイドビューはフェンダーから前後ドア、クォーターパネルにかけてボリューム感のある造形で構成されており、前後ホイールアーチ部には他モデルと同様にフェンダープロテクターを装備。バックドア上部にはルーフスポイラーが装備されています。

リヤ廻りもモダンな印象で、細幅のLED式テールランプが目を惹きます。

●新型クラウン エステートの車両サイズは?

新型トヨタクラウン「クロスオーバー」

同社は開発段階ではあるものの、各モデルの車両サイズを公表しており、エステートの場合、全長が4,930mmで、全幅は1,880mm、全高1,620mmでホイールベースが2,850mm。

クロスオーバーが全長4,930mm、全幅1,840mm、全高1,540mmなのに対して、全幅が40mm広く、全高が80mm高いことから、一見車両が大きく見えますが、実は全長とホイールベースはクロスオーバーと同一寸法で、イメージ的にはリフトアップされたステーションワゴンといったところでしょうか。

新型トヨタクラウン「スポーツ」(筆者予想含む)
新型トヨタクラウン「セダン」(筆者予想含む)

参考までに、SUV「スポーツ」の車両サイズは全長4,710mm、全幅1,880mm、全高1,560mm、ホイールベース2,770mmとなっており、クロスオーバーやエステートよりも全長が220mm、ホイールベースが80mmそれぞれ短く、全幅はエステートと同一、全高はクロスオーバー並みのサイズ感となっています。

また「セダン」は全長5,030mm、全幅1,890mm、全高1,470mmでホイールベースが3,000mmと、全長、全幅、ホイールベース共に新型クラウンシリーズの中で最も大きく、最も車高が低いことがわかります。

新型トヨタクラウン「エステート」のリヤビュー(筆者予想含む)

パワートレーンについては、クロスオーバーに準じて2.5L直4エンジン(186ps/22.5kgm)を軸とするガソリン仕様とハイブリッド仕様の2種類が搭載されるものと予想されます。

2022年9月1日発売予定のシリーズ第1弾、クロスオーバーに続き2023年に発売予定のエステートですが、その走りはクロスオーバー譲りだけに、16年ぶりの復活が大いに期待できそうです。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

新型クラウンシリーズ特設サイト
https://toyota.jp/info/crown_brand/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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