目次
■8月27日のダイヤ改正で3両編成の運行を終了
東京メトロは8月27日(土)に丸ノ内線のダイヤ改正を実施し、方南町支線(中野坂上〜方南町間)の列車を6両編成に統一して3両編成の運転を取り止めることが発表されました。
●地下鉄では珍しい支線を持つ丸ノ内線
丸ノ内線は、地下鉄では珍しく支線を持つ路線として知られています。方南町支線は本線の中野坂上駅から分岐して、方南町駅までの3.2kmの路線です。途中駅は中野新橋駅と中野富士見町駅の2駅。
中野富士見町駅付近には車両基地と工場を備えた中野検車区があって、方南町支線には中野検車区を出入りする列車が走行する回送線としての役割も持っています。そのため中野坂上〜中野富士見町間は1961年2月8日の丸ノ内線本線(当時は荻窪線)新宿〜新中野間と同時に開業しています。
残る中野富士見町〜方南町間は1962年3月23日に開業。これにより方南町支線が全線開業しました。
●銀座線のお古が走っていた方南町支線
方南町支線の列車は開業から2019年まで、中野検車区を出入りする列車を除いて、支線内のみの運転が基本となっていました。
車両も本線用と別になっていて、開業時は銀座線のお古である100形2両編成を使用。1968年からはこれまた銀座線のお古である2000形2両編成に置き換わり、1981年にようやく3両編成となりました。本線では美しいデザインで定評があった300形・400形・500形・900形が活躍していたのですが、それと比べると見劣りしていました。
方南町支線用だった2000形2040号は引退後、銚子電鉄に譲渡されてデハ1000形1002号となりました。1002号も引退していますが、晩年に方南町支線の塗装に復元され、現在も銚子電鉄の仲ノ町車庫に保管されています。
1988年、本線には二代目車両となる02系が登場。1995年までに初代車両を置き換えました。この時点では支線用は引き続き2000形を使用していましたが、1996年に02系の支線用3両編成が登場。支線用の新造車はこれが初めてで、ようやく支線の車両も本線並みにグレードアップしました。
支線用02系は編成両数が短い(本線用は6両編成)だけでなく、アルミのリサイクル性を考慮して車体のアルミ合金の材質を統一。窓枠にもアルミ合金を採用しています。また、内装や窓などはコストダウンを図るため仕様変更しています。そのほか、新造時からワンマン運転に対応していました。
外観も本線用を区別するため、車体に白と黒の細帯を追加する一方、側面上部の赤帯を省略しています。また、中央ドアの上には運転区間を示すステッカーが貼られています。 なお、本線用02系の初期車は制御装置や内装を更新して、帯のデザインなども変更していますが、本線用の後期車と支線用の編成は更新の対象から外れています。
2019年2月23日からは本線用の三代目車両となる2000系が営業運転を開始。現在02系未更新車の置き換えを進めています。2000系は6両編成のみを製造する計画で、方南町支線の車両の去就が注目されました。実は方南町駅は開業以来ホームの長さが110mと、6両編成ギリギリの長さだったので、安全上6両編成の運転はしませんでした。
しかし方南町駅の改良に合わせてホームの長さを136mに延長。そして2019年7月5日より本線の池袋駅に直通する6両編成の列車の運行を開始しました。2021年3月には支線内の折り返し列車の一部にも6両編成を導入しました。
そして8月27日に支線内の全列車が6両編成となると、3両編成は全車引退することになると思われます。
ダイヤ改正まであと僅かですが、今のうちならまだ人が集まってきていないので、この機会に方南町支線に乗ってみではいかがでしょう。
(ぬまっち)