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■クルマが水没した直後や事後の処理はどうすべきか?
近年、多発しているゲリラ豪雨や台風などによる大雨。道路が水浸しになり、クルマが冠水したり、車内に浸水する被害も続出しています。
では、実際に、自分の愛車が冠水や浸水の被害を受けた場合はどうすべきなのでしょうか? ここでは、まさかのときの対処法からクルマを修理すべきか廃車にすべきかなど、事後処理の仕方について紹介します。
●まずはレッカーを呼び専門業者へ
一言に「クルマが水害に遭う」といっても、どの程度水に浸かったかにより、被害の状況も変わりますが、大切なことは自分の判断だけでクルマを動かそうとしないことです。
自動車は、たとえば、フロアに浸水しただけでも、電気系統に異常が生じたり、エンジンの吸気系にも水が侵入している可能性があります。そんなときに、もしエンジンをかけてしまうと、エンジンが壊れる危険性は大。また、最悪の場合は、電気系統のショートにより火災が発生することもあります。
これは、ハイブリッド車やEVも同様で、基本的に搭載する大容量バッテリーは水没しても感電事故にならないような対策はされていますが、前述のような電気系統のショートによる故障や火災などの可能性はあります。
自宅のガレージなど駐車中に被害に遭った場合はもちろんですが、もし出先で冠水や浸水の被害に遭ったときも、すぐにエンジンをかけたり、自分で運転しようとせず、レッカー車を呼んで、ディーラーや整備工場に運んでもらうようにしましょう。
●ディーラーや整備工場で確認してもらう
ディーラーや整備工場にクルマを運んでもらったら、クルマの状況を確認してもらいましょう。どれくらい水に浸かったのかや、車内に水や土砂などの異物がどの程度入ったかなど、当然ながら被害の程度によってクルマの状況は変わります。
ですが、いずれにしろ、水没してしまったら、一見すると大丈夫そうに見えても、今後どういった不具合が出てくるのかわかりません。パッと見で判断せずに、きちんと専門家に調べてもらう方が安心です。
●修理か廃車かはどう決める?
水没被害の状況がわかったら、次は愛車をどうするのか? 基本的に、ディーラーや整備工場で「このまま乗っても問題ない」といわれない限り、そのままの状態で乗るのはやめたほうがいいでしょう。
特に、車内が濡れてしまうと、臭いがしたり、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。また、海水などに浸かった場合は、部品の劣化がかなり早く進み、サビや腐食の原因となります。
ほかにも、最近のクルマは、エンジンはもちん、自動ブレーキなどの先進安全装備や、エアバッグなど、様々な電子制御システムを採用しています。そのため、制御するコンピュータなどが浸水すると、電気系統の故障・トラブルが多発する危険性も。
先述した火災の危険性はなくても、たとえば、電子制御部品の端子が腐食するなどで、思わぬトラブルが後々起こることも考えられます。
そのため、もし修理すれば乗れる(動く)場合でも、まずは、ディーラーや整備工場の専門家と相談し、修理して乗るのか、廃車にするのかを決めた方がいいでしょう。
ちなみに、廃車にする場合、買い取り業者に相談してみると、多少でも値段がつく可能性はあります。特に、冠水はしていても、動くレベルであれば、業者は発展途上国などへ輸出したり、部品を売ったりできるためです。
冠水車の処分に迷ったら、まずは買取店で査定を受けてみることをおすすめします。
●車両保険が使えるケースも多い
愛車が、もし車両保険に入っていれば、冠水や浸水した場合も補償されるケースがあります。
基本的に、地震や噴火、それらによる津波などの場合は補償されないことがほとんどですが、台風や洪水などによる自然災害は補償範囲に入っていることが多いのです。
車両保険には、広い範囲で補償する一般型と、補償の範囲を限定し保険料を割安にする「限定型(エコノミー型)」がありますが、いずれも対応しているケースが多いですから、まずは自分が入っている保険の内容を確認してみるといいでしょう。
また、もし車両保険に加入していない場合は、まさかの災害に備え、洪水などの被害も補償する保険に加入することを検討してみてもいいでしょう。
ちなみに、もし、水没など自然災害で車両保険を使った場合、翌年の等級は1ランクダウンです。他人を怪我させたり、相手のクルマなど物を壊したりした交通事故で自動車保険を使った場合は3ランクダウンですから、保険料が上がる幅も少なくてすみます。
(文:平塚 直樹 *写真はすべてイメージです)
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