■11月開催の「アジアクロスカントリーラリー2022」に参戦
以前お伝えしたように、三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)2022」に参戦します。
タイのオフロードコースで開催される同ラリーは、国際自動車連盟が公認するクロスカントリーラリー。タイが主なステージで、東南アジア特有の高温多湿な気候と山岳や密林を中心とした過酷なオフロードで競われるラリーです。
三菱自動車は、同ラリーを通じて得たノウハウをクルマづくりにフィードバック。具体的には、堅牢なボディとシャシーによる高い操縦安定性と悪路走破性など、同社ならではの強みをさらにブラッシュアップするとしています。
「AXCR」は、東南アジア特有の大自然の中、約1週間、総走行距離1700km前後で競われる過酷なクロスカントリーラリーで、例年は8月に開催されていました。新型コロナウイルスの影響によって過去2年は中止になっていましたが、2022年は11月21日(月)~26日(土)に延期され、タイ東北部のブリラムからカンボジア北西部の世界遺産であるアンコールワットを舞台に開催される予定となっています。
11月21日にカンボジアと国境を接するタイ東北部のブリラムでのセレモニースタートによって開幕。翌22日から本格的な競技がスタートし、ブリラムを起点とした前半戦を経て、25日にカンボジアに入国し、26日には世界遺産であるアンコールワットを擁するシュムリアップでゴールを迎えます。
総走行距離1700km程のコースは、山岳部、密林地帯、泥濘路、川渡り、砂漠、サーキットなど変化に富み、走破性と耐久性が問われる過酷さが予想されます。また、大自然が生み出す多くの予測不可能な気象条件や、複雑な地形を走るため、競技者とチームのスキルの両方が試されることになります。
このほど、同ラリーに出場予定のトライトン競技車の耐久テストが実施され、本番に向けて順調な仕上がりであることが確認できたそうです。
トライトン競技車は、国際自動車連盟(FIA)の「Group T1カテゴリー(改造クロスカントリー車両)」に合致されています。タイ仕様のダブルキャブがベースで、ボンネットや前後ドア、内装部品などが軽量化されるとともに、ロールケージやアンダーガードが装着されるなど、ボディの要所が補強されています。もちろん、ラリー専用のサスペンションが備わり、優れたハンドリング性能を実現しているそうです。さらに、前後LSDやオフロードタイヤ&軽量アルミホイールの装着などにより悪路走破性を大幅に向上。
搭載されるエンジンは、2.4Lディーゼルターボで、フリクションロスの低減と軽量化などをメインとしたチューニングが施され、主にラリーで使用頻度の高い中速域でのレスポンスが高まっているそうです。「AXCR」のステージには渡河シーンもあるため、各部のシーリングの強化やシュノーケル(吸気ダクト)の装着など、水まわりの対策も盛り込まれています。
「東京オートサロン2022」でも注目を集めたように、同社は2021年11月に「ラリーアート」ブランドを復活させ、タイでは専用パーツが装着された特別仕様車をリリース。日本ではアクセサリーパーツの販売がスタートしています。「チーム三菱ラリーアート」への技術支援を通じてモータースポーツ活動に参戦することで、同社らしくクルマづくりにかける情熱や三菱車の楽しさを発信していく構えです。
●ボディサイズ:全長5300×全幅1815mm
●ホイールベース:3000mm
●排気量・エンジン:2,442㏄/4N15型4気筒 MIVECターボディーゼル
●フロントサスペンション/リヤサスペンション:独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング/リジッド/リーフスプリング
●ショックアブソーバー:「CUSCO」製 減衰力調整式ダンパー
●ブレーキ:「ENDLESS」製 4ポットキャリパー+ベンチレーテッドディスク
●ホイール:「WORK」製 アルミニウムホイール(17in×8J)
●タイヤ:横浜ゴム社製 GEOLANDAR M/T G003(265/70R17)
(塚田 勝弘)
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