猛暑の車内にこんなものを残してはいけない。スマホやETCカード、スプレー缶まで【2022年版】

■炎天下では30分でかなりの高温になる

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
猛暑の時期はサンシェードなどを使っても車内の温度上昇は抑えられません

連日のように猛暑が続く昨今、コロナ禍の影響もありクルマで移動をする方も多いと思いますが、つい「少しの時間なら」とクルマの中に残しておくと、後で大変なことになってしまうものは意外にたくさんあります。

JAFが実施したテストによると、外気温が35度の炎天下に数時間クルマを駐車した場合、わずか30分で車内の温度は約45度を記録。しかも、サンシェードを装着したり窓を開けておくなどの対策をしていても「温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない」という結果がでています。

こういった傾向は夏だけでなく、これからの秋や春といった過ごしやすい季節でも、車内温度が50度近くになる場合もあるそうです。

ここでは、そういった車内の温度が上昇した場合に、クルマの中に残しておくと絶対に危険なものをいくつか紹介します。

●スマホやタブレット

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
スマホをクレードルなどに装着したまま、車内に置き忘れるといったことはよくあること。十分注意を!

スマホやタブレットのナビアプリなどをカーナビ代わりに使っている人も多いでしょう。ですが、炎天下で駐車中にこれらを置き忘れると、本体が熱くなることで「熱暴走」と呼ばれる症状が出て、動作が不安定になったり、故障の原因に繋がります。

また、内蔵されているリチウムイオン電池のバッテリーが劣化したり、場合によっては発火や爆発することもあるのです。十分に注意しましょう。

さらに、ノートPCも同様で、気温が上がった車内に入れたままはとても危険です。

●ETCカード

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
ETCカードを車載器に挿したままだと、ICチップの故障やカード自体の変形に繫がることがある

クルマの車載器にETCカードを挿しっぱなしにしている人も多いと思います。

ETCカードには、クレジットカードに付帯するものとETC専用の「ETCパーソナルカード」がありますが、これらはいずれも熱に弱く、高温の車内に残しておくとICチップの故障やカード自体の変形につながることがあります。

もし、ETCカードが破損したことに気づかず高速道路のETCレーンを通ろうとすると、正常な通信が行われない恐れがあり、最悪のケースではゲートが開かずバーに衝突したり、後続車との事故につながる危険性もあります。

また、ETCカードの挿しっぱなしは、盗難にあう恐れもあり防犯上も危険です。夏でなくても駐車時には車載器から抜いて、大切に保管することをおすすめします。

●アルコール消毒液

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
アルコール消毒液も高温の車内に置いておくと危険

新型コロナウイルス感染予防として、アルコール消毒液を持ち歩く人も増えているでしょう。ですが、車内に置いたままにするのは危険です。

アルコール消毒液の主成分であるエタノールは温度が上昇すると可燃性ガスが発生します。また、可燃性ガスは高温になると膨張するため、夏場などに消毒液のボトルを車内へ長時間放置すると、ボトルに圧力がかかって破裂する可能性もあります。

ボトルが破裂すれば、密閉空間である車内全体にガスが充満してしまい、たばこやライターの火、静電気などで引火する恐れがあり、車両火災に繫がることがあるのです。

●スプレー缶

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
虫除けスプレーなどを、ついついクルマのドアポケットなどに置き忘れるなんてこともよくある。注意!

キャンプなどアウトドアに必需品の虫除けスプレーや冷却スプレーをはじめ、消臭スプレーやヘアスプレー、油膜取りスプレーなど、LPガスを使っているスプレー缶は、高温になると爆発する恐れがあり危険です。

しかも、もし車内で爆発すると窓ガラスを割るほどの威力があるといいます。置き忘れもそうですが、油膜取りスプレーなどを車内のグローブボックスなどに常備している人もいると思います。夏は車内から出しておくことをおすすめします。

●ガスライター

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
使い捨てのガスライターが、火災に繫がる可能性もある

ガスライターなども、高温で破裂や発火する危険性があります。炎天下に駐車したクルマのダッシュボードにガスライターを置いたままにすると、2〜3時間でガスが抜けてしまったという実験結果もあります。

喫煙しない人でもキャンプで火をおこすためにガスライターを持参する人も多いでしょう。そういった場合に、車内に残したままにしないよう気をつけましょう。

●子供や高齢者、ペット

最後は「もの」ではなく人の話。近年、炎天下の車内に子供やペットを残したままにすることによる熱中症などが原因の死亡事故は社会問題となっています。

ところが、JAFによると2020年8月1日〜8月31日の1ヶ月間、「キー閉じこみ」でJAFが出動した救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままというケースは全国で98件(子供75件、ペット23件)もあったといいます。これらのうち、緊急性が高いため通常の解錠作業ではなく、ドアガラスを割るなどで救援したケースは2件あったそうです。

猛暑で車内に残すと絶対に危険なもの6選
大切な子供やペット、高齢者などの命を守るためにも「うっかり」は厳禁!(画像提供:写真AC)

JAFによれば、これらの原因の中には、

「子どもに鍵を持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」

「ペット(犬)が誤って運転席ドアのロックボタンを踏んでしまった」

といったケースもあったそうです。車内に残すつもりはなくても、結果的に閉じ込めてしまったという場合もあるのです。

子供やペットだけでなく、高齢者も高温の車内に残しておくと危険です。前述の通り、気温35度で車内は30分もあれば人体に危険な高温になります。くれぐれも、「少しの時間なら大丈夫」という間違った判断はしないようにしましょう。

いかがでしたか? これらの他にも、たとえば未開封の炭酸飲料の缶・ペットボトルを高温の車内に残しておくと、炭酸ガスが膨張して爆発の恐れがあったり、お弁当などは腐りやすくなり食中毒の原因になる場合があります。またスマホを充電するモバイルバッテリーも、高温によってセパレーターが劣化し、正極と負極の短絡によって発火する可能性があるそうですし、ペットボトルの水がレンズ効果をおこして発火した事例もあるようです。

くれぐれも、これら「高温になると危険なもの」を、車内に置いたままにしないよう気をつけましょう。

(文/写真:平塚直樹)

※この記事は2022年7月8日に再編集しました。

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この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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