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■日産が部品調達・企画・ベースデザインを、三菱が開発・生産を担当
2011年(平成23)年6月1日、日産自動車と三菱自動車は、50:50の共同出資による合弁会社NMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicle)を設立しました。役割分担は、部品調達と企画、ベースデザインを日産が担当し、軽自動車づくりに長い実績を持つ三菱が開発と生産を担当しました。
●日産が、軽の自社開発・生産を目指して三菱と協業
日産の軽自動車の歴史は新しく、2002年に発売された「モコ」が日産初の軽ですが、これはスズキの「MRワゴン」のOEMモデルでした。
その後も日産の軽自動車は、スズキと三菱のOEMという時代がしばらく続きます。しかし軽自動車事業に参入したかった日産は、OEM対応でなく軽の自社開発を目指し、2008年頃から三菱と軽自動車の協業について検討を始めました。日産は、軽自動車についての技術やノウハウも持たないことから、以前から軽自動車で関係が深かった三菱をパートナーとして選んだのです。
協議の末、2011年に共同で軽の開発・生産を行うことを決定し、合弁会社NMKVを設立。日産から社長を、三菱から副社長を選出し、スタートしました。
●NMKV最初のモデルは順調に滑り出すも、燃費不正問題でブレーキ
NMKV最初の成果モデルは、2013年に発売された初代・日産「デイズ」/3代目・三菱「ekワゴン」です。シナジー効果によってコスト低減にも成功して、デイズとekワゴンの販売は好調に滑り出します。しかし、2016年に三菱の燃費不正問題が発覚し、生産を一時停止するなど大混乱を起こし、当然ながら好調だった販売にもブレーキがかかりました。
リコール対応と燃費公表値の変更で生産を再開しますが、三菱は苦境に立ち、2016年に日産の傘下に収まります。その後、メーカーの不正問題は三菱だけでなく日産も含めた多くのメーカーで発覚、大きな社会問題に進展しました。
●NMKVの役割分担を見直し、現在販売は好調
三菱が日産の傘下になったことで、NMKVの組織と運営にも影響がありました。2019年にデビューした2代目デイズ/4代目ekワゴンは、日産が企画・開発を担当し、三菱が生産するというように、初代とは役割分担が変更されました。また、初代は三菱のエンジンでしたが、2代目はルノーのエンジンを採用し、順調な販売を記録しています。
今年の夏には、注目のNMKV開発による軽自動車EV、日産「サクラ」/三菱「ekクロスEV」が発売されます。注目されている軽自動車のEV、実質180万円ほどで購入できるそうですから、今から楽しみですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)