■乗り物のメーカーとして安全運転教育も高品質を目指す
ヤマハ発動機の広報グループが発信しているニュースレター。今回は、同社が世界で初めて発売した電動アシスト自転車がテーマ。
ヤマハ発動機販売には「安全普及推進本部」という部署があり、警察や関連する各種団体との協力・連携により、電動アシスト自転車の正しい乗り方や扱い方を指導する安全運転講習会を各地で開催しているそうです。
ヤマハ発動機は、世界各地で安全運転普及活動「ヤマハ・ライディング・アカデミー(YRA)」を展開しています。
電動アシスト自転車の安全運転講習会でも、こうした活動で培った豊富な人材やノウハウが活かされているようです。
安全運転講習会の参加者からは「自転車に乗る際の基本的な交通ルールも知らずに毎日乗っていました。自転車の交通ルールも知っているつもりでした」といった声がよく上がるそうです。
同社の安全普及推進本部の宮本義信さんは、「クルマやオートバイと違って、運転免許を必要としない自転車は、ルールやマナーを学ぶ機会が少ないのが実情です。当社の安全運転講習会では、まず基本的な交通ルールの解説から丁寧に進めるようにしています」と、自転車に関する交通ルールがあまり知られていないことを指摘しています。
筆者も日常的に自転車に乗りますが、右側通行をはじめ、音楽を聴きながら乗ったり、スマホのながら運転をしたりする人に遭遇することが多々あります。
密を避けたいコロナ禍もあり、電動アシスト自転車のニーズは、毎年8%前後の伸長を続け、10年間で約2倍にまで高まっているそう。シニア層から子育て世代のファミリー層、買物や通勤、通学など、ニーズの多様化も進んでいます。
また、急成長中のe-Bikeによるスポーツ、レジャー領域など、新たな需要も芽生え始めています。
先述の宮本さんは、「講習会などの安全運転普及活動がより重要になっています。たとえば、原付バイクの需要が拡大した1980年代には、交通事故が増加しました。過去の経験を踏まえながら、電動アシスト自転車を乗る人に向けた交通教育をあらためて着実に進めていきたいと考えています。
当社は、混合交通における安全運転教育を半世紀以上にわたって積み重ねてきました。乗り物のメーカーとして、安全運転教育も高品質であり続けたいと思います」と、メーカー自らが行う安全運転講習会の意義について語っています。
(塚田 勝弘)