ホンダの開発メンバーが個性的な新型SUV「ZR-V」に託した想いとは?

■シビックと共通プラットフォームで年内に国内発売!

HONDA「ZR-V」のフロントマスク

ホンダが北米や中国で先行公開したスタイリッシュな新型SUV、「ZR-V」(米国名:HR-V)。

同社によると、日本市場においてもe:HEVを設定して年内に発売するそうです。

どことなくジャガー「F-PACE」にも通じる、ボディ先端が絞り込まれたフロントマスクなど、他の国産SUVには無い魅力が感じられる一台となっています。

HONDA「ZR‐V」開発責任者 小野修一LPL

そうしたなか同社は5月19日、今後の正式発表に先駆け、開発に携わったメンバーがこのモデルに込めた想いなどを語ったインタビューを公開しました。

HONDA「ZR‐V」開発メンバー

同インタビューには開発責任者である「ものづくりセンター」 機種開発LPLの小野修一氏をはじめ、パッケージ担当の伊藤氏、エクステリアデザイン担当の田村氏、インテリアデザイン担当の上野氏、カラーデザイン担当の後藤氏など5名が参加しています。

早速、開発陣の想いを見ていきましょう。

●「ZR-V」の開発テーマや誕生の背景は?

HONDA「ZR‐V」開発メンバー

小野LPLによると、世界の自動車メーカーがSUVを販売の主力に位置付けるなか、同社のSUVラインナップにおいて、大型の「CR-V」と「ヴェゼル」の間に車両サイズの開きがあり、両車の中間サイズのSUVが必要との判断から、今回の「ZR-V」を開発したそうです。

HONDA「ZR-V」のエクステリア

開発メンバーがワンチームとなって新しい価値を持ったSUVを企画。100案以上ものアイデアの中から絞り込んだ結果、ライバル車との絶対的な“違い”を訴求すべく、「異彩解放」をテーマに設定。

「異彩を放つ」という慣用句を発展させたもので、乗り手の個性、クルマの個性、さらに開発者の個性など全てを解き放てる新たなSUVを創るという想いを凝縮。街中で初めてこの新型SUVを見かけたとき、「えっ!」と二度見してくれるような状況を生み出すことが目標だったと言います。

●「異彩解放」の具現化手段は?

HONDA「ZR-V」のフロントマスク

まずエクステリアデザインでは、これまでと異なり、1つの球体のような「塊(かたまり)感」のある造形を意識したそうで、ラジエターグリルから始まる球体が全体を作り上げていくイメージでキレのある凛々しい表情を表現。

HONDA「ZR-V」のエクステリア

一目で流麗さを感じるグラマラスなプロポーションなど、これまでのSUVの姿に捉われない新しいデザインを目指したそうです。

HONDA「ZR‐V」開発風景

一方、未公開のインテリアにおいては、水平・垂直とシンメトリーが感じられる骨太の「芯」を強く意識したそうで、クラスを超えたインパネ表現などを機能に基づいてデザインに展開。セダンやクーペに近いパーソナルな空間を追求し、“セダンライク”な運転姿勢を実現。

HONDA「ZR‐V」開発風景

さらにカラーデザインでは、色気と知性を纏ったエレガントな色使いで遊び心のある洗練された素材を採用。細部まで手の込んだ美しい仕立てを意識するとともに、洋服でいうステッチの組み合わせなど、細部に至るまでこだわりを貫いたと言います。

走りに定評のあるシビックのプラットフォームをベースにした新型「ZR-V」には、ホンダのDNAが色濃く流れており、開発陣によると「実はいちばん“ホンダらしいSUV”になっている」そうなので、同車の発売が大いに待たれます。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

ホンダ ZR-V特設サイト
https://www.honda.co.jp/design/new-suv/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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