8代目トヨタ「セリカ」投入は北米市場から? GRカローラとの関係は?

■GRカローラベースで開発?

初代セリカ1600GTのエクステリア

トヨタ自動車の歴代スポーツカーにおいて、現在途絶えているモデルの一つ、「セリカ(CELICA)」。

1970年12月にデビューした同車はその後7代目まで開発されたものの、2006年に姿を消して以来、早や16年が経過しています。

そうしたなか、同社が2017年に続き、昨2021年に米国特許商標庁に対して2度目となる「セリカ」の商標権登録申請を実施したことから同車復活への期待が高まっており、海外メディアも先頃、GRラインナップ上の空白について言及。

ちなみに、現在トヨタがGRシリーズとしてラインナップしている本格スポーツモデルと言えば、GRヤリスをはじめ、GRカローラ(開発中)、GR86、GRスープラが存在します。

GRカローラのエクステリア

本年4月に突如公開され、本年後半の発売がアナウンスされたGRカローラでは、GRヤリスの心臓である1.6L 直3インタークーラーターボエンジンを更に強化。6MT(iMT)と組み合せています。

最高出力304ps/37.7kgmを達成するとともに、GRヤリス用のスポーツ4WDシステム“GR-FOUR”をGRカローラ用に最適化するなど、限界領域においても安心してコントロールできるクルマに仕上げたとしています。

●次期「セリカ」の外観デザインはどうなる?

6代目セリカのエクステリア

これまでの歴代セリカでは「2ドアクーペ」を基本とする先進的なスタイリングを採用しており、8代目となる次期モデルにおいても、そうした流れを継承するものと予想されています。

次期セリカのエクステリア(筆者予想)

具体的には、薄幅LEDヘッドランプや、ラジエターグリルを兼ねた大き目の開口部をバンパー下部に設定するなど、シャープな印象のフロントマスクを採用。ボンネットフードにはエンジンルームの放熱用ベントダクトを設定。

ボディサイドは張り出し感の強い前後フェンダーにより、スポーティな雰囲気を演出。車両の見栄えに寄与する大径ホイールには、近年流行のグロス・ブラック処理を施しています。

●パワートレーンは?

次期セリカのエクステリア(筆者予想)

次期セリカ用のプラットフォームについては、GRカローラが使用する足廻り(フロント:マクファーソン式、リヤ:ダブルウィッシュボーン式)をセリカ用に最適化。

GRカローラに搭載の「G16E-GTS」エンジン

エンジンはGRカローラ用の「G16E-GTS」(1.6L直3ターボ)を320ps/40.8kgm程度にまでパワーアップする可能性があり、トランスミッションにはiMT(6MT)を採用。駆動方式としてはGRカローラ同様、スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”の採用が見込まれます。

現行スープラのエクステリア

一方、スポーツモデルの開発では販売台数が限られるため、スープラ(BMW)や86(スバル)と同様、コスト抑制に向け、関連メーカーとの共同開発になる可能性が高そう。

3代目セリカのエクステリア

パワートレーンに関しては、カーボンニュートラルへの配慮から今後EV化も考えられますが、米国も含めた歴代の“セリカファン”にとって、エンジンサウンド消失は想像し難く、先進性がウリのセリカだからこそ、「水素エンジン」搭載についても近い将来実現して欲しいところ。

なお、セリカの復活に際しては、米国特許庁への商標申請状況からも北米市場への投入が先行すると予想されますが、今後の国内市場導入に向けた動きについても大いに注目されます。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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